Velo-city

"It never gets easier, you just go faster."

チビ登山第72座 木曽駒ヶ岳、宝剣岳、ソースカツ丼岳

2017年08月30日 | 登山


すっきりしない天気が続いた2017年の夏山シーズン、最後の最後に極上の青い空を見せてくれました。
今シーズン最高の天気だったそう。


お昼に新橋にいた。午後五時には標高2900mの山荘前でコーヒーを飲んでいた。

日曜日午後4時に小田原に集合という縛りがあったため、西方面で高度が高く、天気がよさそうなところを探していたところ、木曽駒ヶ岳が候補にはいってきました。
しかし、土曜日も実は幼児の用事があって、新橋駅午前11時半に出発という制約下での行動。東京から駒ヶ根までは約4時間。そこからロープウェイに乗ったとすると山頂駅の到着は5時前後。山頂駅から宝剣山荘まではたったの40分で走破できるとはいえ、日没の迫ったその時間帯に2600m級の登山をいきなり開始するのは現実的ではない・・・と思っていたらこの時間にも登山する人はちらほらいるらしい。電話してみると、『最終ロープウェイから山荘を目指す人も数人いますよ~』とのこと。それならば、渋滞につかまらなければいってみるかとと思い決行。

中央道の渋滞はふつうにつかまるも、時間の経過とともに渋滞は緩和され結局11時半新橋スタート、駒ヶ根の菅の沼バスセンター到着は15時半だったか。




終バス一歩手前だったので、バスの乗客はたった5人(笑)。みんなロープウェイにのってさくっと山頂にいくそうです。


バスにゆられてしらび平まで、途中野生の猿の群れをパスしながら。

ケンカ(じゃれあい?)をしている二匹や、生まれたばかりの子ザルと母ザルを見つけたりして、チビ太大興奮。


ロープウェイは当然ながらガラガラ。7分半で一気に標高2600mの高みへ。


気温は16度でした。


一気に高度を上げてきたので、高山病にならないよう、ゆっくりと行動開始。しかしながら、どうやら父の方に高山病の兆しが。


ホテルの前で手動インスタをしたりして20分ほど時間をつぶし、5時少し前にスタート。


日没が気になりますが、まだまだ明るい。コースタイムは40分なので、大丈夫だな。西日さす静かな千畳敷カールを歩きはじめます。


こんなところにも雷鳥が








20分ほど歩くと岩場の急登になります。穂高のザイテングラートもこんな感じなのかな?


頭上の青空があるところが乗越浄土、言い換えるならば峠天国。先行する韓国人パーティをパスして、快調に登っていくチビ太。一方そのころ父は高山病か頭痛に悩まされておりました。




あっけなく乗越につくと、御嶽山に沈む夕日ショーがまさにはじまらん、という時間帯。




いそげ、いそげと山荘に入り、ソフトクリームを買い、山荘の裏側に行きました。














山荘前の秘密基地にお店を広げ、スパゲッティカルボナーラを作って、そのあとはビール片手に夕陽を眺める優雅な時間。


こんなゆっくりとした時間がすごしたかったんだよな・・・といいつつ風が強く外に長居はできなかった。(朝方は気温6度まで下がったそうです。)








いつもの山小屋ですと日中行軍の疲れで、8時前には既にねむくなっているはずなのですが、今日は1時間も歩いていないので、お目目パッチリ。パジャマに着替えて山荘内を走り回っておりました。宝剣山荘はなんとなく北岳山荘に似ています。我々があてがられた寝床は個室ではなく、雑魚寝スペース。既に多くの方が寝息を立てていて、自分たちのスペースに行くには布団を乗り越えていかなければいかず、『ここが今日一番難しい岩場』と言いながら遊んでいました。岩場歩きの要領で、踏み外すと「イテッ!」と声がする岩場です(笑)


深夜、木曽駒ヶ岳での御来光を見に行くといったグループが2時過ぎにごそごそし始めたので、つられてチビ太も起床。枕元に窓があったので、そこから頬肘ついて満天の星空を眺めていました。3000m近い山頂で息子と星空と流れ星を見る。これがやりたかったんですね~。寒くてすぐに布団に引っこみましたが。












朝4時過ぎに朝食(自炊)をして、軽くお腹を膨らましてから5時過ぎに出発。


小屋から50分と少しのところに木曽駒ヶ岳はあります。近いな。






まず、山荘のすぐ横に中岳があり、緩やかな岩場の斜面を登るとすぐ到着。




そこから木曽駒ヶ岳の山頂と頂上山荘、テン場が見えます。

テン場をすぎると木曽駒ヶ岳への登り返し。あまりにも楽チンすぎて物足りない。





広い山頂に出ると、北アルプス、槍さんと穂高さんがやっと姿を現しました。360度全部見渡せます。










特に南アルプスは南部の山もしっかりとらえられていいですね。この山頂は長居しないと。


ゆっくりしていたら団体さんが登ってきたり、ドローンで山頂の風景を録画し始めたり、なかなかにぎやかな山頂でした。


この時点では宝剣岳は危ないと聞いていたのでチビ太と相談して決めよう、基本はパスのつもりでした。


中岳の山頂を巻く道を選択。





これが結構切り立った岩場のバリエーションルートで、冷や汗ものでした。






これがいいウォームアップになってしまったのか、宝剣岳を目の前にチビ太が俄然やる気を見せ始めます。

父『小っちゃい子にはあぶないよ。お兄さんになったら行こうね。ね?』
チビ太『大丈夫!絶対安全登る自信があるよ。それに、ここまで来て登らないのもったいないでしょ』
父『その考えが遭難を生むの!勇気あるてったいが大事なのよ。』
うちの子もそんな生意気をいうようになったか~

そして『ばりえーしょんるーと』という登山用語を覚えてしまった六歳児ってなにw

宝剣山荘から見上げる。頂上直下の岩場が難しそうだ。



まずはヘルメットをレンタル(700円)してテンション上げていきます。


実際岩場を登り始めてみると、普通の岩場と鎖場で大したことない。


遠くから見上げた山頂直下の箇所も難なくクリア。これなら余裕・・・と考えていたら、最後の最後にヤツは待っていました。




それは山頂直下にある5m位のルンゼ(岩溝)を横切るトラバース。

岩場に小さなステップ(脚置場)が切ってあるので、大人にとっては難しくないトラバースですが・・・
六歳児はステップまで脚が届かない(滝汗)
脚が届かないから、自ら足置き場を即興で見つけるしかない(焦)
六歳児途中で楽しくなったのか、ふざけはじめる(驚)
鎖持つ手もおぼつかない(不安)

子供キャーキャー、大人ひきつった声。介助しながらそろーり、そろーりとトラバースして、山頂へ。






あぁ、怖かった。そしてとなりのチビ太は達成感にひたってるw


流石に岩の上に乗る勇気はなかったそうです。






この後は、またしても冷や冷やトラバースして下山。






宝剣山荘よさらば。


乗越浄土から下り始めると、ロープウェイの時間と重なったか、下から登山客が次から次へと押し寄せてきます。
8月最後の土日、しかも好天なのでこの日は本当に人が多かった。お昼過ぎに下山する人は最長で2時間ロープウェイ待たされたとか。

千畳敷カールを下りながら、さっきまでいた宝剣岳のほれぼれとする雄姿に見とれます。







本当に、最高の天気でした。


千畳敷ロープウェイ駅の土産もの売り場で、自身のマスコットキャラを発見。






ママへのお土産はオコジョのバッジでした。


号外 チビ太ソースカツ丼大盛300gカツ部分は完食
木曽駒ヶ岳、宝剣岳に続いて日本三大ソースカツ丼に挑戦。『おらは絶対登りきる!』宣言通り二切れは残しましたがそれはお持ち帰りにして帰りの中央道、諏訪辺りでペロリ。


写真は去年の使い回し。一年前は大人一人前を二人でシェアしたのに、父子成長中!?

出発時刻/高度: 16:50 / 2639m
到着時刻/高度: 10:00 / 2635m
合計時間: 17時間9分
合計距離: 6.71km
最高点の標高: 2924m
最低点の標高: 2603m
累積標高(上り): 367m
累積標高(下り): 398m


雲ノ平で出合った動物たち

2017年08月24日 | 登山
高山植物も豊作でしたが、動物にもたくさん遭遇(カメラには収められなかったので、写真は借り物)
①オコジョ(カベッケヶ原:ベンチで休憩していたらチビ太の足元からこんにちわ)


②ウサギ(太郎平)


③アズマヒキガエル(折立:台風の中でやけにテンションの高い赤い個体が)


④雷鳥(太郎平:台風下山の中砂浴びしてました)


⑤ウソ(忘れた:どこかでチビ太が見たというてました)


今回百名山(薬師岳、水晶岳、鷲羽岳、黒部五郎岳)が乱立するエリアに言ったのですが、ぶっちゃけ六歳児に百名山はどうでもよく、バリエーションのあるルートや山荘や動物など、自然に触れ合うことをうまく取り入れた山行にするべきだと(あらためて)強く思いました。

チビ登山第69~71座は日本最後の秘境、雲ノ平! Day 4太郎平小屋~折立

2017年08月24日 | 登山

台風直撃の朝 雨がトタン屋根をたたく音で寝られなかった

台風直撃による林道閉鎖の可能性が高く、すでに路線バスは運行休止の知らせが前夜で出ていたのでバス組は停滞決定。小屋全体に諦めムードが漂う朝5時、独りパジャマ姿の六歳児のみが小屋の中をわーいわーいと走り回っていた。

朝6時。ふもとの林道事務所から一方がラジオで入る。「予報によると雨が強まりだす12時以前ならば、林道は大丈夫。マイカーなら通過できます!」

この一報で小屋内がざわつき始める。よし、レインウェア着て下山するパーティに混ぜてもらおう。集団下山ならすこし安心だ。

下山パーティが3つ結成され、みんなで気をつけながら台風直下の強行下山開始。下りはじめははじめての雨下山でテンション高い。今日の下山コースタイムは予想3時間10分。(記録は2時間50分でした。)

最初は靴の中をぬらさないようにと道を選んで下山していましたが、途中登山道を濁流が走るようになり、水量増加。山下りではなく、完全な沢下りにw

途中でGore Texですら効果を発揮できず、足は完全にずぶ濡れ、最後は水溜りの中をバシャバシャ変なテンションで通過するように。とにかく、早く林道が閉鎖される前に下山しようという思いで存外の高速下山となりました。


集団下山開始!


3時間近く歩きましたが休憩時間は7分だけ。とにかく急げ急げで下りました。


レインギアフル装備大活躍。しかし幼児用の登山靴はGore tex対応ではないのですぐにぐちゃぐちゃに。


道という道がこのあと濁流に変貌


レインウェア着込んでも中まで濡れ出す。


集団下山は心強かったです。チビ太リーダーが常に先頭をひっぱりました。


愛知大学13人遭難追悼碑まで戻ってまいりました。登山の無事を報告します。

下山して一同一安心。結局みなさん一緒に亀谷温泉に下り、温泉につかって生き返り、われわれはコインランドリーで洗濯もできました。


四日ぶりのお風呂にこれから入ります ♨!

温泉を11時に出て、途中立山の町でチビ太のご褒美おもちゃとお土産を買い、470km台風の中ドライブして夜7時に横浜に帰着。
自宅にて焼肉祝勝会をしてわれわれの夏休み一大旅行は大団円となりました。


チビ登山第69~71座は日本最後の秘境、雲ノ平! Day 3雲ノ平山荘~太郎平小屋

2017年08月24日 | 登山


間違いなく天国だった

三日目の朝。前夜寝るときに降っていた雨は夜半にはあけたらしい。台風5号の接近もあって鉛のような空を想像して起床し、窓の外を見たところ、目の前に広がっていたのは薄暮の空に全方位浮かぶ高山のシルエット・・・
朝四時だったが歓声をあげ部屋の全員をおせっかいに起こしてしまった。

ちなみに前日の日曜日の雲ノ平山荘が大混雑だったらしいが、この日はガラガラ。山荘に泊まっているハイカーのほとんどとチビ太はお友達になっていた。

朝食をしっかりとって(山盛り)、6時に行動開始。台風で天気が荒れ始める午後三時までに太郎平小屋に避難するのが今日の目的。
先ずは、北アルプス最深部に広がる、4キロ四方のこの世の天国的湿原、雲ノ平より見える秀峰たちのご紹介をしましょう


近くに広がるは、三俣蓮華。奥穂高から雲ノ平を目指すとここを越えてくることになります。


笠岳~♪ミニ槍ヶ岳なシルエットですね。
この百名山も奥穂高からアクセスできるそう。雲ノ平からはルート外れてしまいますが、


水晶岳。




男性的な岩肌。ここは北アルプスの中でも最も暴風が吹くところらしい。
雲ノ平山荘の姉妹小屋でもある水晶小屋が山頂直下に立っていますが、稜線の風が強いらしく、過去二回山小屋完成直後に屋根ごと小屋が吹き飛ばされたんだそうです。いつか水晶鷲羽は行きたい。


逗子から来た母子二人組ととても仲良くなりました。 この後太郎平小屋まで一緒。

まずは快晴、360度の北アルプス名座の眼福を楽しみながらお散歩しましょう、ということで山荘の隣の丘(もはや山ではない)、祖母岳経由で下山開始。湿原と点在する池塘、お花畑、二人ともため息をもらしながらゆっくり絶景を楽しみました。
正午には台風接近の予報なのでこの快晴も後数時間か。本当に晴れてよかった。

永遠に続いてほしい、この時間

名残惜しく候


いきなり帰らず、まずは丘のような祖母岳へ。


往復30分のプチ登山


薬師岳のカール


池塘と黒部五郎


槍、穂高も遠くに見えます


祖母岳に到着。この後父は360度クルン!と転倒します。


キレットも見えるような。ジャンダルムは隠れて見えないか。


天国にもっとも近い場所(アルプス庭園にて)


チビ太『天国ってどんなところ?』
父『お星様になっちゃった人が、ふわふわ集まってくるところだよ。田部井さんとか、お父さんの友達が、空から見守ってくれるところ。』
チビ太『そうか~♪じゃあ今頃田部井さんが「保育園の子ががんばっているな~!」って応援しているんだね!』
父『だね』












犬のダグラス君といつもいっしょ








アラスカ庭園に向かって歩いていくと、今度は黒部五郎と薬師の雄大なカールが近づいてきます。


薬師岳


黒部五郎


ギザギザ山(笑) あれが大キレットかな?

雨の後の急降下

ここが恐れていた雨上がりの苔むした岩場の下り。とにかく気をつけながら緊張の1時間半でした。
今日最も気をつけるべき薬師沢への急降下、ここは父は数回こけましたがチビ太が無傷で通過。さすがのバランス感覚です。

夏休み中このエリアで複数転倒があったみたいです。二日前、太郎平~薬師沢の間で男性が転倒し手首骨折。このときは太郎平に常駐している山岳警察の方がトレランして助けにいく現場に出くわしました。
この日も薬師沢小屋への最後の急坂で斜面で転倒した人がいると逆に登ってきた人が注意喚起してくれました。体重の重い大人や、重い荷物を背負ってバランスを取りにくい人の方が転倒しやすいのかもしれません。
私はスマホのGPS地図を見ながら歩いていたら、前のめりに転倒しました(笑)






ここ最深部まで来ると、登山道でチビ太が現れると『キャー』『ちいさーい』とみんな驚きます。山のアイドルw
ハイカー『すごいねぇ!何年生?』
チビ太『来年一年生だよ~』
・・・この会話は100回くらいしました。








沢の音が近づき、やっと急降下も終わりに近づいてきた。


薬師沢まで降りてきてほっと一息。河原でチビ太がカレーライス、親父は牛丼をハフハフ食べます。すごい食欲。


急な梯子。最初は恐る恐る父のすぐそばで登り降りしていましたが、なれると独りでひょいひょい行くようになってしまいました。
この数日間で大分たくましくなったよ。

怪物の住む湿原へ

炎天下のカベッケヶ原に戻ってきましたよ。

カベッケは漢字で「河化」と書き、姿形も河童によく似ているという。河童といえば川や池などの水場に住み、水場に近づいた牛馬を引っ張り込んだり、人間をおぼれさせて尻子玉を取るとされている、日本古来の妖怪だ。
しかし、カベッケの行動は少し違い、人間を迷わすために山中まで出てきて「おーい、おーい」と声をかけてくるのだという。この声にうっかり反応して返事をしてしまったり、声のする方向について行ってしまうと、行方不明になってしまうとされていた。
ちなみに「おーい、おーい」との声掛けに「おーい」と返答するとさらわれてしまうらしい。そうならないために、昔の山賊たちは「ヤッホー」と返答するように気をつけていたそうだ。


薬師沢から太郎平直下まではこんな水場がたくさんある。今日は炎天下直射日光のなかでの登山だったので、あつくなってはこうやって冷やしながら歩いていました。


まさに水筒いらずのコース(ここだけね)




『みずしゃんぷー』
テレビで見たことはすぐ真似してしまう…




後方のベンチで休憩しているときに、ベンチの下からひょっこりオコジョが顔を出しました。大興奮して歩き出すチビ太


『やった~オコジョに会えてよかったね~!』


この後、渓流で体を冷やして最後の1時間の急登へ。正午と雨雲が近づいていたので、この登りは気温も低く楽チンでした。途中でポツポツ降ってきたのでレインウェアに着替えます。



台風による停滞へ・・・

行者ニンニク入りのラーメンを二人でシェア・・・のはずですがほとんど食べられちゃいました。
さて、台風をやり過ごす長い停滞になりそうです。


宿で天気予報を見てみると台風の予想コースが益々悪化し、まさに頭上を通過するコース。夜から暴風雨とのことでした。明日、折立の駐車場に雨の中仮に下山できても、有峰林道が封鎖されている可能性が非常に高く、路線バスは早々に運行中止の知らせが。これは停滞、連泊だなぁと小屋に避難した皆さんの中にはあきらめムードが漂います。

その中で小屋にさらにもう一度泊まれると知ってさらにご機嫌になるチビ太ひとりが、小屋の雰囲気を盛り上げていました笑


チビ登山第69~71座は日本最後の秘境、雲ノ平! Day 2 薬師沢小屋~雲ノ平山荘

2017年08月24日 | 登山

二日目。いよいよ秘境の最深部、雲ノ平へ。


ここには五つ星山小屋があるのだ。ここで何もしない一日を過ごすのが一年越しの夢。

二日目は前日とは打って変り3時間少ししか歩かない楽チン日(の筈でした)。


雲海の上の五ツ星山小屋、ここでゆっくりしたかったので今日は10時にチェックイン、ひたすらのんびりします。新しい木の香りがする山荘の中を、チビ太はカメラを持って飛び回ってました。
山荘はジャズもながれて本当にゆっくりと贅沢な時間が流れていました。


薬師沢小屋のお兄さん。

最大の難関は薬師沢小屋~木道末端までの急登
朝6時に薬師沢小屋を出発!登山道に入ると『おまえたち来るんじゃない』とでも言わんばかりのいきなりの急登。そう、ここは登りタイム2時間10分、下り1時間30分の今まで経験したことのない急坂。景色もなにもない一年中苔むして転びやすい岩場をひたすら登るザ・修行系の登山道です。当然写真はほとんどなし!見所もなし!ひたすら耐えます。


自分の腰よりも高い段差が延々と続きます。

先行する3人組を捉えて追い抜き軽量を活かしてスイスイ登ってゆき、1時間50分たったところで視界が開けます。感動の・・・と行きたいところでしたがガスのため展望はなかなか開けず。


修行の道が終わり、視界が開けました。


と思ったらまだ登りが続きます。ストック使いが上手になった。


アラスカ庭園に到着!


時折雲が切れると前方にとうとう、とうとう目的地の雲ノ平山荘が見えました。


興奮しすぎて鼻血。止血しながら奥日本庭園。


後ろの雲海の向こうは薬師岳


下り木道は本当に危険。ここでチビ太スリップ尻餅。




はるかむこうに山荘を発見、ため息が漏れました。見える山は祖父岳。


いぇ~い!

『夢は必ず実現する』田部井さんの言葉を噛み締めながら。



雲海の上の五ツ星山小屋


未就学児は半額ね。家計への貢献度高し。
食べる量は大人なみなんだが・・・


山荘に着くや否やテンションがおかしくなります。ここは地下の乾燥室。


ガスの中から雄大な水晶岳の姿が見える。


探検開始!!


楽しいね。楽しいな。


カンガルー走りでドスドス歩いていたら下の階の人に注意されました。その後ごめんなさいしたら許してくれました。


今日はここでな~んにもしない贅沢な一日


並ぶ必要ないのに夕食待ちの列の一番に並ぶ空腹氏。


夕食はお待ちかね豪華な石狩鍋。すこし塩味が効いていて何杯でもいける。私は「エベレスト盛り」、チビ太は「じゃんだるむ盛り」をおかわりしまいた。


おねえさんによる翌日の天気の説明。台風が迫っているので、天気が持つのは正午までのこと。


ホテルのフロントみたい!


この後チビ太にカメラを持たせて小屋内を放牧します。逗子から来て仲良くなったおねえーちゃんとおばーちゃん、富山から来て黒部五郎、鷲羽、水晶を一日で歩いてきたおにいちゃん。


談話室


仙台からきたおばあちゃん。最後まで同じルートで下りました。






伊藤二郎さん。雲ノ平山荘の主。


映画はじまったよ!

『黒部の山賊』と伊東正一さんのお勉強
食後は山荘の二代目(黒部源流の山小屋を開闢した「黒部の山賊」の著者伊東正一さんの次男、二郎さん)の説明による黒部源流の開拓時代を紹介するドキュメンタリー映画の上映があり、当域にたいする歴史と理解を一気に深めることができました。

黒部の山賊は結局帰宅後一日でむさぼるようにして読了してしまいました。

翌日からは空が荒れるよ~と 小屋主に脅され、就寝。

夜には雨が始まりました。

(深夜には満月があがっていたそうです。)





コロッケ事件発生
そして映画も終わりゆっくりしているとなにやらスタッフが賄い食、遅い夕食をとっていました。この日は台風接近ということもありキャンセルが多く、前日までのハイシーズンの大混雑とは打って変わっての静かさ。スタッフもほっとして和やかに夕餉を楽しんでいました。

そこに現れるチビ太

『あの~』
『ぼく、コロッケが・・・大好物なんです・・・』

あざとくコロッケを見つけたチビ太、パジャマ姿でスタッフの輪の中に入って山談義に加わっていました。


『このコロッケ、美味しいね。お兄さんになったら働いて返すね。』


スタッフとコロッケをかこんで


電波も何も通じない山小屋では、本が最高の娯楽。チビ太はうまれてはじめてドラえもんの単行本を手に取り、むさぼるように読んでいました。思えば自分の漫画デビューも、小学校三年生のときの山荘だったなぁと回想。


チビ登山第69~71座は日本最後の秘境、雲ノ平! Day 1 折立~薬師沢小屋

2017年08月24日 | 登山



初日は7~8時間の山行
初日は折立を出発して5時間歩き、太郎平小屋までの旅程です。結局調子よすぎたので3時間おかわりして薬師沢小屋まで。今年は例年になく登山道脇の高山植物が乱舞していました。太郎平に至る稜線歩きがはじまってからは、『来てよかったね』『天国だね!』『楽しいね』とご機嫌の8時間。
宿泊した薬師沢小屋は水が豊富で沢遊びができて子供的には最高に楽しかったらしいです。


折立キャンプを朝5時に出発


とうとう来てしまった。天国への入口。


愛知大学13人遭難事件の追悼碑にて。登山安全を祈願。4日後ここに無事に帰ってくるよ。


最初の1時間半は樹林帯の急登。修行です。


駐車場が見えました。


この道、4日後には濁流に変貌していました。このときはそんなこと想像もできず。

樹林帯を抜けると、薬師岳の広大な山裾へ

樹林帯が終わり、三角点にでるといきなり剱岳、立山がみえました!感動。


そして北アルプスの女王、薬師岳の広大な山すそも。


もう見ての通りのご機嫌♪


気持ちよい稜線歩きの始まり


積雪量を測るポールかな?


有峰湖。湖底には村が沈んでいます。

大人に声をかけてもらってますますがんばる

歩く先々で大人たちに『何歳?すごいね~!』と声をかけられて俄然ヒートアップ!


気分よい天気なんですが、直射日光と急登が体力を奪います。ここらあたりで今日一回目の愚痴。


あち~よ。父ちゃん。


この道、四日後にはすごいことになってました。


小学校高学年用20リットルのザックを自分で欲しいといったので、ふもとの立山モンベルで購入。


剱岳と立山


チビ太が雲ノ平に行きたいと言うきっかけになった、池塘とお花畑のある湿原の風景が広がり始めました!


稜線に出て、太郎平が見えるとテンションあがっちゃいました。


ハイカーとすれ違うときは必ず挨拶、必ず「がんばって~!」と応援するように仕込んでいます。


ニッコウキスゲはじまりました

父、号泣

太郎平が見える稜線で親父の涙腺が崩壊。
「なんで泣いてるの?こんなお父さんはじめてみたよ~」だってさ。


拍手の中、本来の目的地である太郎平小屋へ。この時点で予定時間より3時間早い。


太郎平からは、これからいく雲ノ平、水晶、鷲羽、三俣蓮華、黒部五郎が見えます。あの真ん中の平らが日本最後の秘境だ~!


薬師岳、雲ノ平、黒部五郎・・・そうそうたる山の名前をたたえる道標ですね。


後三時間歩くことにして、ブランチにします。


カレーがカライオーン!


大人盛をぺろり

太郎平から薬師沢へは、河童の野原を3時間下るだけ

六歳児さまのお~と~お~り~


チン○グルマ


ほんとに今年は高山植物の当たり年!






満面の笑顔!稜線歩き大好きみたいです。

田部井さんに捧ぐ、水しゃんぷー

水分補給に、水場に来ましたよ。




おいし~!


お風呂はないけど、水シャンプーならそこらじゅうに泉が沸いているよ!


太郎平から400m下り、湿原を越えて薬師沢へ。目の前に見える台地の取り付く急坂がえぐそうです。




沢の音が聞こえてきた。降りると平坦の木道が始まります。

水場によってはクールダウンしながら進む。この日は暑かった。

ハイカーとなんのお話しているのかな?










薬師沢小屋にいたるこの道は本当に気持ちいい。湧き水も多いし。




疲れた足に木道がやさしい。







カベッケとは、河童のこと

カベッケヶ原。河童伝説の残る湿原。


沢が近づき、今日の8時間登山も終わりが近づきます。


つきました!

水が豊富な沢の山小屋、薬師沢小屋


ここは水が豊富なので、キンキンのビールが待っていました。




水は渓流から直飲み
















水場なので、カエルさんもたくさん。


ここの登りは足に来ます。









さて、明日後4時間ちょい歩けばやっと日本最後の秘境、雲ノ平だ。


チビ登山第69~71座は日本最後の秘境、雲ノ平! Day 0 横浜~折立

2017年08月24日 | 登山



富山は遠い。

スタートは8月3日(金曜日)。横浜を出て450キロ以上先にある富山県側の登山口、折立まではかなりの長距離ドライブ。加えて平日朝の渋滞につかまってしまい、朝8時半に出発し、二時間半たっても都内(関越)を脱出できないほど遅滞してしまいました。やっと関越道に乗っても残り400キロとか表示されるし。
関越道から上信越道、そして北陸道へは順調に進みます、今回はビートルズのベストアルバムを4枚エンドレスでBGM使用していました。

北陸いったら海の幸だ
遅い昼食を食べるために一度北陸道を能生でおりて地物レストランを探しますが、結局見つからず親不知の海岸まで行き、そこで特大エビフライ定食と、タラ汁をペロリ。


大人一人分のエビフライ定食と一品物を二人でシェアすれば十分と思ったが、特大エビフライ五本のうち四本を奪われた。




タラ汁


コラコラ汗

保育園児に小学校高学年用のザックをプレゼント

車中泊をするキャンプ場に行く前に、立山ICで降りて当地にあるらしいモンベルを目指す。お目当ては、大型ザック。今回は四泊五日ということもあり、自炊用だけでパスタ、ご飯、レトルト、肉、うどんなど大量の食材を担がなくてはいけなくなり、我が45リットルのザックを90リットルくらいにグレードアップするため。


ここが巨大でびっくり。田んぼの中に突然あらわれる巨大フラッグシップ店。
ザック売り場に向かうと、チビ太がスタスタスタ・・・


『これがいい~😍』
『でも、重いよ?』
『だいじょーぶ。お父さんのもてない分、僕がもつよ♪』
『でも、小学生中学生~高学年用ってかいてあるけんど。』


『あ、ぴったり♪』
『ほんとだ、ぴったり♪』
というわけで、あと6年間しっかり使いましょう。
今回の縦走でも大活躍、レインカバーもついているので台風直撃の下山でも無傷でした。

この後、レジのお姉さんに隣の大型スーパー、シマダヤを勧めて頂き、食糧と花火を購入。ここからは麓町の亀谷温泉へ、サイクリングロードのような一般道を走っていきました。

折立キャンプ場で車中泊


このあと4日お風呂に入れないので、亀谷温泉で一風呂あびてから有峰林道に入ります。宿の前から太郎平がかすかに見えました。


有峰林道入口で1900円を支払い折立へ(通行料往復で1900円)。。途中で日本海へ夕日が沈んでいきます。『ワクワクしてきたぞぉぉぉ~』とチビ太

まさに深い山の中の林道という感じで、路駐して路傍のトンネルに入って遊んだり、へんてこなトンネル名『新にんにくトンネル』に二人で大爆笑したりしながら折立キャンプ場へ。

子供は登山そのものより非日常のあそびを好む


キャンプ場の設備を借りて闇の中でたのしい夕食タイム。ワイルドだろ~


カルボナーラ大人一人前をぺロリ。ワイルドだろ~


食後のお遊びに花火を導入


花火を楽しみ、8時台に車中泊開始です!


チビ登山第70座は日本最後の秘境、雲ノ平! なつやすみのおもいで

2017年08月24日 | 登山


雲ノ平(くものだいら)を知ったのは、昨年2016年のこと。

何気なく見ていたBS登山番組『にっぽんトレッキング』で雲ノ平を紹介していた。

なんでも、北アルプスの最深部にあり、どの登山口からも最短で二日かかることから、日本最後の秘境と呼ばれる登山者の憧れなんだとか。

番組では、三日かけて雲ノ平にたどり着き、そこに広がる絶景、天空の楽園を紹介していた。確かに、標高2500m、4キロ四方に広がる湿原には、神が庭師になって作ったかのような池塘と高山植物がおりなす天国が広がっている。「アラスカ庭園」「アルプス庭園」・・・といった名前が付けられた美しい光景に、当時5歳のチビ太は釘づけ。

チビ太『ぼくもいきた~い
父『ひぇぇぇ。ここはすごく遠いから、そんなこと言われるとひっくりかえっちゃう。お兄さんになってから、行けるかな~?』
チビ太『大丈夫。行けるでしょ~(← 一か月前北岳に登って、根拠のない自信をつけている。)

この時から、父子の一年越しプロジェクト雲ノ平が始まったのでした。

登山から帰ってきて、チビ太と共同で作成したパワポ絵日記がありますので、彼なりになにが印象に残ったか参考にしてください。

こども目線で、雲ノ平ってこんないい所だよっ!というプレゼンです。