Velo-city

"It never gets easier, you just go faster."

チビ登山第67座は瑞牆山 山のぼ…というより岩登り

2017年06月25日 | 登山

瑞牆山山頂にて。
小さなトカゲが、恐る恐る下を覗いています^^ 眼下には…


大ヤスリ岩!




出発時刻/高度: 10:13 / 1527m
到着時刻/高度: 15:04 / 1527m
合計時間: 4時間50分
合計距離: 6.61km
最高点の標高: 2176m
最低点の標高: 1527m
累積標高(上り): 864m
累積標高(下り): 859m
歩くペース 0.7~0.8(速い)
※ヤマプラ掲載の「山と高原地図」標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率(全コースのうち89%の区間で比較)

6月、毎週土曜日仕事が入ってしまったので、チビ登山は一ヶ月以上あいてしまいました。山の中で一日中息子とぺちゃぺちゃ話していないな最近は。
禁断症状が出てきたので、金曜日梅雨の合間にお休みをいただいて、百名山登山してきました。

今日は車ではなく、電車+バスで行くことに。そうなると特急あずさ自由席確保しなくてはいけないので、早朝6時3分に菊名駅からサラリーマンと一緒にモンベラー親子は通勤電車に乗り込みました。


朝7時の新宿発スーパーあずさで韮崎へ。スーパーあずさ。引退前に乗れました。通勤中のサラリーマンのみなさま楽しそうな親子ですいません。

案の定自由席は混雑。チビ太はひさしぶりの電車、しかも特急なのでご機嫌。
韮崎からは瑞牆山荘へはバス(2060円)で一時間+で移動。数週間前に自転車で駆け抜けた茅が岳広域農道を使って登っていきます。自転車では基本ずっと下りだったので、マイクロバスのスローペースにいらいらしながら(笑)

到着は10時過ぎ。ここで帰りのバスの時刻表を見ると、最終バスの時間が15時20分。コースタイムを確認するとギリギリなのがわかりました。どうやら平日ダイヤは最終バスがこの時間なんですね。週末ダイヤならば16時20分なので、子供連れでもゆっくり登れるのですが・・・


出発すると富士見平山荘までは樹林帯を緩やかに登ってコースタイムは50分の表示。3週間前に来た時は山域全体がエゾハルゼミの蝉時雨に包まれていたのですが、今日はまばらに、遠くから聞こえてくるだけです。山は一歩一歩夏に近づいていますね。

ゆっくり新緑の森の散歩のはずでしたが、同じバスにのったハイカーが団子になって登ることになり、チビ太は張り切ってしまい最後はハイペースに。


富士見平小屋に行く途中にある神社。ここは修験道が盛んなところでもあります。

途中神社にお参りをした以外はさっさと登ってしまい、コースタイム50分のところ36分で富士見平へ到着。


富士見平小屋に到着。ここまで集団の先頭で。

富士見平には立派な山小屋があり、テン場も10張ほどあります。先週BSのテレビで瑞牆山・金峰山を放映していたので、チビ太は予習ばっちり。ここの目玉料理の一つに地ビールに鹿肉ソーセージがあるそうで、下山時時間があまっていたらソーセージ食べようね、と約束して短い休憩を終え先に進みます。


ケルンを見ると石を置きたくなるお年頃

富士見平からはここから少し歩くと一度高度を吐き出す形で下ります。下り終えると一度沢に出て、その先がこのコースの名物である桃太郎岩です。チビ太に『今にも倒れそうなおおきな岩を、あるもので支えています。それな~んだ?答えはついてからのお楽しみね。』と前フリをしておきました。


コメツガの新芽


こうやって命をつないでいくのですね!

そして桃太郎岩到着。確かに巨大です。


桃太郎岩を支えるのが小枝だと知って、目を輝かせるの絵。
『木!?木でささえてる?』と嬉しそうにチビ太到着です。


お尻が割れてる桃太郎岩


ここから容赦ない急登が始まりますね。

さて、地図によるとここ、桃太郎岩から山頂まで1時間30分です。先ほどから木々の間から山頂直下のニョキニョキとした岩群がチラチラ見えますが、だいぶ高い頭上にしか見えません。横方向の近さと比べて、縦方向に眩暈がするほど高いんですよね。どうやらものすごい急登のようです。


標高があがり、シャクナゲの群生が始まりました。下の方では枯れはじめていただけに、これはうれし。


しばらくすると岩場、鎖場が連発しはじめました。すべての段差がチビ太の腰以上の高さがありますが、手袋をはめて手を使いながらキャーキャー登っていきます。


いつもよりアシスト多目でチビクライムを支援。

眺望にも恵まれず、いわゆる修行系の山道な上に、しかも急登の岩場。これは山好きにはいいが、初心者を連れてくるところではないですな~。


『きゃ~岩が崩れ落ちてくる~~~』


岩場、鎖場、急登をくりかえし


大やすり岩!!
急登にやられつつ山登りならぬ岩場登りをしばらく続けると、やっと視界が開け大やすり岩の直下にとりつきました。いままでたくさん山は登ってきたけれど、ここまでユニークな岩だらけのお山は初めて。チビ太のテンションは完全に上げ上げになってしまいました。しかし!頂上はこの眼前に覆いかぶさるやすり岩より上に鎮座しています。本当にこれを登れるのでしょうか・・・


岩場の急登が容赦なく続きます。まだ3kmしか歩いていないのに大分高度を稼ぎました。


山頂直下からこの岩を見下ろしているわけですから、まだまだまだ登ります。


そして標高とともに、ピンク色のシャクナゲがちらほら見えてきました。そして、頂上が近づくにつれシャクナゲのお花畑に。そして14時、頂上に到着


山頂にとうちゃこ。山ガールのみなさまの拍手をうけながら。

平日ということもあり頂上はほどほどに空いています。360度の絶景がありつつも、巨大な岩でできた頂上いっぱいに広い空間が広がっています。どこに座っても絶景。しかし柵もなにもなく、落ちたら数百メートル下へ滑落必至ですので、ちょっと怖い。キャーキャー言って腰をすくませながら頂上写真をとり、絶景を目の前におやつを食べてしばしの休憩タイム。


怖いよ~と言う五歳をなだめすかして記念写真。


がんばりました!一人登山のお姉さんとなかよくなって撮ってもらいました。


大やすり岩くんを良い子良い子して褒めてあげました。


ポテチパンパン選手権。なかなかの増量ぶり。


百名山はいくつめかな?もう忘れた。




私『怖い人~?』
チビ太『は~い』


ドローンを飛ばしたくなる山頂ですね。今度は地鶏棒を持っていこう。

先ほど書いた通り、ここで最終バスの時間が迫ってきていることがわかりました。山頂には1時間くらいいて、温かいパスタでも作りたかったですが、残り時間が2時間になってしまいました。

後ろ髪を引かれながら足早に山頂を辞去します。




ここからの下りはバスの時間と、チビ太の疲労度、補給の必要性を常に気にしながらの足早の下山となりました。チビ太本人に責任はないのに、本人は疲れてペースが落ちているのところに激励して早歩きさせるのは心が痛みました。

せかすのがほんとに可愛そうなので、背の高い段差は全部だっこして降ろしてあげて、道が平坦になったら全部だっこして体力を回復させるようにしました。4歳の頃はこうやってよく抱っこして山道を歩いたよね~と話しながら。大変な下山になりましたが、だっこがたくさんできて父としては大変満足♪
翌朝強烈な上半身筋肉痛が襲ってきましたけどね・・・


超ハイペース。急かしてごめん。富士見平小屋までおりてきてほっとする、の絵。
コースタイム残り40分のところで最終バスまで40分。これならギリで間に合いそうですね。ほっとして最後の緩斜面をトレランしながら下っていきました。


ここまで降りてくればゴールはあと少し。

結局17分の貯金を得て到着。疲れた疲れた。


山頂でしりあったお姉さん。最終バスの前で待っていてくれました。


がんばったからご褒美で労いあいます。


瑞牆山荘の若マスター『あ、いつぞやの自転車の人』と覚えていてくれました。またポタリングも行きたいな。

チビ太はバスが発車するや否や秒で爆睡していました。バスの中でたっぷり昼寝して復活したのか、横浜に帰宅したころにはすっかり腹ペコモンスター化。結局菊名の洋食屋さんで家族3人集合。




お店のマスターに『おなかがすいて倒れそうです~!はやくごはん作ってぇ』と哀願。そのときキッチンがひとつになりました。


今度から登山の帰りは毎回ここに決定なんだそうです。四人前をペロリと平らげたのでありました。

TTバイクで横浜~浜松プチキャノンボール

2017年06月19日 | 長距離

西へ西へ



きっかけは出張でした。

金曜日、仕事で新安城の駅に降り立った。駅の北口でバスをまっていると、目の前が国道一号線なのに気づく。
なんか見たことのある風景だ。交差点まで歩いてゆく。広がっていた光景がこれ。


数年前の記憶がフラッシュバックする・・・

ここは4回ほど、自転車で通ったことがあります。
2007年 GWひとり東京→大阪(一泊)
2007年 Bチーム第一回大阪→東京(二泊)
2008年 Bチーム第二回東京→大阪(二泊)
2010年 夏休みひとり横浜→高知→しまなみ→境港(島根)

特に浜名湖以西は7年ぶりになる。道の記憶は鮮烈だ。一度行きたくなると熱病にうなされてしまい、この熱病を冷ますには走るしかない。
これがきっかけになったのか土曜日の夜突然Go Westをたくらみ始めることになる。
日曜日が父の非ということもあり帰宅門限を午後2時に設定。豊橋ゴールにするとして、到着を11時に。適当にルートをひいて、深夜1時に出ることに(楽観的)。
だめなら浜松~静岡間のどこかでリタイアすればいいや、ということで。

この週は大きな会議があったり、プロジェクト関連で大波にもまれ、ほだされ、流され、しかも6月は毎週土曜日出勤なので全然自転車に乗れていない。体力に自信はないものの(特に体幹)、このまま乗れないでいると大きな負の連鎖に陥ってしまいそうな気がしていた。(脚はフレッシュでしたけど)

というわけであまり入念に計画をせずスタート。このルート、浜名湖までは庭なので(←おおきくでてみる)、天気と体力さえあれば特に下調べは不要なのがよいところ。
夜一時にYOMEの(半ば諦め?)視線を背中一杯に受けてスタート!お土産のリクエストを聞いたところ、『無事にかえってきなさい。』はい、安全第一で行ってまいります。


出発前に利根川タイムトライアルにむけて限界まで下に向けていた可変ステムの角度をロング用に変更(マイナス30度→マイナス20度)。これは正解。

まずは246を西へ、西へ。真夜中で交通量少なく、涼しい。今日は超超ロングなのでTTバイクとはいえ追い込まないようにする。DHバーに上半身を沈めて心拍140台を越えないよう管理しながら進む。風は無風。
いつものように246で相模川を越えて、いつものように善波峠・・・のつもりですが起伏をきらって(とはいえ秦野近辺で登りますが)、愛甲石田の手前で小田原厚木道路の側道へ。
ここが走りやすい走りやすい。流しながら走っても厚木西~平塚ICの6.5kmはAv 37km 242W 148bpmだった。数値を見てもそんなに追い込んでない。

ただし、夜の小田厚は文字通り墨を垂らしたような。ライトはハイパワーのハイビームでないと危険です。深夜3時、DHポジションでご機嫌巡航していたら目の前に轢かれた狸の体が現れ、あやうく田んぼに落ちるところでした。

順調に平均速度を33km/hまであげて御殿場の登りに差し掛かるが、やはりハイペースだったか、ここら辺から疲労感が出てくる。ただし、過去TTバイクで来たときより平均は1キロ速い、それを励みに西へ西へ。

駿河小山の手前でコンビニ休憩。ここからの登りで平均速度を大いに下げてしまうことになりますが、なるべくキビキビ走るようにして、頂上で平均速度を見たら29。これなら御殿場からの高速ダウンヒルで一気に取り返せそう。

246の御殿場から沼津への下りはまさにパラダイス。52-11Tのトップギアは早々に回しきってしまう。まだ早朝で交通量が少ないので、DHバー握って下ることができ、沼津の町へ降りたころには平均速度は31.4に。結局ここからほぼ一定の平均速度でゴールまで走り続けることになった。

沼津から富士までは海沿いの一直線道路。車の交通量が多いと順風で結構楽ができるが、このときはほぼ単独走+やや向かい風。ここまで走行距離は100kmを越え、長時間DHバーを握って同じポジションをとるのが辛くなってきた。原因はおそらく、体幹が衰えているのと、背中のリュック。また、DHポジは基本前のりですから、後ろ乗りで使える筋肉よりは疲労蓄積が早い気がする。(翌日のダメが前半分に集中しているのがその証左)なるべく楽な出力で、低めの心拍(140くらい)を心がけますが、DHポジだと数分で心拍は160まであがり、息ぐるしくなってDHポジションをやめてしまうという悪いサイクルの繰り返し。この区間は修行でした。


長い長い長い長い海辺の一本道の修行が終わり富士の町へ。吉原、田子の浦、富士市内を通過、


富士川をわたって蒲原へ。

天気予報によると静岡県中部は強い東風が吹き、私の背中を押してくれるはずなのですが、いつまでたっても無風です。

由比の町を過ぎ、(こうやって後日文章を書いていると簡単に『Xの町を過ぎ』と書けますが、実際一つの町を走り抜けるのは本当に大変です。)国道を跨るトリッキーな陸橋を越えて太平洋自転車道区間へ。



清水駅の前大きく右折すると静岡市内をつっきる直線道路。ここあたりでやっと、追い風が吹いてきました。交通の流れにものり巡航も30後半へ。静岡市内で160km経過。前来た時はこれがゴールでしたが、今日はやっとスタート地点という心理的距離なのが辛い。藤枝以西が追い風らしいので期待して進む。

安部川を渡ると、丸子の街、そして宇津ノ谷峠が近づいてくる。ここからは広いバイパスの道を緩やかな登り基調なのだが、なんだろう・・・?

調子がいい。すこぶるいい。
緩斜面なのに、時速30km後半でている!なんでだ!・・・

追い風だった!


宇津ノ谷道の駅で大休憩。ここにいたるまでも積極的に補給していますが、それに輪をかけてご飯の大盛りをどかんと。
鯵のほぐし丼でした。隣は焼津港だしね。

ここからは東海道このルートの白眉でもある宇津ノ谷峠。ここには東海道の宿場があり、明治時代のトンネルがある。バイパスのトンネルの側道に歩道があるので、こちらをいけば時間の節約はできるが、ここは観光を重視。


山間の集落が見えてきた。




おそらくこの風情は数百年かわっていないのだろうな。


激坂の石畳を越えてゆくと、明治の隧道が見える。

ここを越えると焼津(島田)、そして金谷へと続いていく。あとで地形図を見ていくとわかるが、静岡のこの辺りは山地の尾根が海岸まで張り出している地形があって、そういうところが東海道の難所の峠となっている。丸子の宿であったり、これから超える日坂の宿であったり。一度スピードを落として東海道の宿場町を味わいながら進んでみたいな。

島田の街にでてからの爆風追い風に期待していたが、風はおさまっていた(涙)。次は大井川を越える。





次の峠(丘?)は金谷の先の牧の原台地。茶畑が前方に見えてくるとはじまる。標高は200mちょっと。登りが始まると、いままでピクリとも動かなかった平均速度表示が下がりはじめる。この数値変化には無力なので、表示を切り替えて考えないことに。

今回改めて気が付いたが、牧の原台地は東から登ると二段階になっているらしい。一度諏訪原城跡のピークを越えて日坂を転がるように落ちていくと、そこからずっと下りではなく、小夜の中山でもう一度登り、そこから下りとなる。標高は250mくらい。箱根峠と鈴鹿峠とならぶ、東海道の3難所だそう。ゆっくりキビキビ登っているので難所というほど悲壮感はなかったが。


YOMEが幼少の頃この近くの大須賀に住んでおりまして、ピークの近くにある子育て飴の売店がポイントらしい。ここで家族に生存報告をしてから、西へ西へと進む。

10時近くになり、街道の交通量が増えてくる。地元の民が買い物などにでてきたのかな?ちょっと路肩を走っていても、心がざわざわします。ここまで来て飛び出してきた車と接触等したくないので、細心の注意をして進む。

浜松まではあと掛川~袋井~磐田となった(うろ覚え)。街道脇にもハンバーグの『さわやか』が増えてきたような。
数時間後、新幹線の車窓から掛川城本丸がちらっと見えたが、自転車だと掛川から浜松までは永遠に感じました。新幹線だと「あっ!」という間で反則ですよね。

やや追い風が復活してきたので、DHバー握れるときは前傾して、呼吸が苦しくなったらリラックスポジションにして、を繰り返して進む。磐田の丘(これは最早ただの斜面)を越えると、浜松の街が見えてくる!ここまで来て、豊橋は時間オーバーで諦め、ゴールを浜名湖弁天島にすることに。



そして前方に天竜川が見えてくる。小さくガッツポーズ。

数年前に横浜~浜名湖TT(TTバイク)したときは途中健康ランドで一泊してAv 28.5。今回はメータ読みで現在Av 31.4。やはり晴天と追い風はすごいな。

このあとバイパス風味(自転車も走れます)の国道一号に乗り、ゴールの浜名湖までは追い風ヒャッホーだぜ・・・とか目論んでいました。
しかし風は横風にかわり、ちっとも背中を押してくれない。加えて路側帯の凸凹舗装が体力と集中力を奪う。
ゴールを数キロ先だと見積もっていたが、実は数十キロ先だった。「もうきっつ~い!助けて~!」とひとりごりながら走っていました。
自分の豆腐メンタルが音をたてて複雑骨折してゆく・・・雨も降ってきた。

そして出発から8時間と50分、東海道五十三次舞阪の宿、浜名湖に着弾したのでありました。




記録は:

距離 265.3km
移動タイム 8:43:13
経過タイム 11:54:59
獲得標高 1,561m
NP 241W
平均スピード 30.4km/時(メーター読みは31.3km)
心拍数 145bpm
ケイデンス 82
パワー 203W
カロリー 7,107

次回(あるんかい!)へのメモ
① 天気予報はしっかり調べよう!今日は追い風区間がおおくて◎
② DHバーを長い時間握れるよう、背中にリュックはやめよう
③ ホテルのお風呂は午後二時からだ良く覚えておけ

二時の門限に間に合わせるためにそのままトンボ返りしなければならない時間でありましたが、あまりにも汗臭いため、ホテルで風呂+コインランドリーでさっぱりきれいになり、横浜へ。


高速巻き戻し再生。おいらが八時間半かけた道のりを、ひかりは一時間ちょっとで巻き戻す。
夜はとてつもない疲労感とたたかいながらの父の非、じゃない父の日となりました。

次はいつなのだろうか・・・?

大弛峠ポタリングからの瑞牆山ライド

2017年06月05日 | 1級、2級山岳


6月の声を聴くと川上牧丘林道開通の知らせがチラホラ聞こえてきます。
よく通っていたイメージがあったのですが、日記を紐解くと最後にいったのは2010年と書いてあって愕然。

一週間ほど前から大弛峠にいきたがっている諸氏のタイムラインに『自走がいいですよ~』とか無責任に燃料を投下して歩きまわっていると自分が大弛峠に行きたい病に罹患。6月は土曜日すべてに仕事が入ってしまった関係で、入梅前の日曜日、抜け殻になるまで走ってしまおうと陰謀をたくらんだわけです。こんなこと書くとYOMEに爆弾投下されそうだ。そして某所で
緩募:大弛峠ポタ』と募集をかけましたが、「ポタのわけないやろ」と必要以上に警戒され、手を挙げてくれたのは前回のポタリング(しつこい)参加のKNZさんのみ。おかしいな・・・
『自走もいいけど、車出しますよ?』
『そうですか、ならば大弛峠のぼった後クリスタルライン走りましょうグヒヒ』
『どうやって甲府まで戻ってくるんですか?』
『瑞牆山荘まで行き、そこから信州峠登って野辺山経由で八ヶ岳見ながら帰りますかクケケ』
『そんなことしたら200kmになってポタリングになりません。STRAVAでルート引いたら獲得標高5000オーバーとか、死んじゃいます。』
『では瑞牆山荘からラジウムラインで帰りましょう。たぶん獲得4,000行きませんよ。』
『御意。翌日早いからなるべく朝早く行きましょう。』

とかいう会話があったとかなかったとか・・・

6月4日早朝3時半(!)横浜を出発。さすが6月、3時台なのに東の空が既に明るい。ガラガラの中央高速をすっ飛ばし5時半過ぎには目的地の敷島運動公園へ。メモ:早朝で空いていれば東名厚木を経由せず、16号町田を通過、当麻経由で愛川から圏央道入った方が少し早い。


敷島公園は高台にあって南アルプスの眺望がすnんばらしい。出発前から鋸山、甲斐駒、仙丈、鳳凰三山、北岳、櫛形山の稜線が拝めてテンションがあがります。移住したいくらい。
まずは牧丘へ。スタート地点から平地(登り基調)が30km近くあります。先が長いのでマイペースで・・・といいつつ二人で走るとちょっと速め。牧丘についてデイリーで補給。今日はこの先補給ポイントが本当に少ないのでここで沢山食べておきます。水分食料防寒具その他でジャージのポケットはパンパンパン。


スタート地点。いつも変わらないスーパーデラックス蓑毛ロングバージョンが聳えています。軽トラックが寄せてきて、初老の夫婦に『頑張ってね~♪』と温かい言葉をかけられました。ここはある意味自転車乗りにとっての聖地だからか?思わぬ暖かい言葉にテンションあがる。


30km近い日本版ガリビエ峠のスタート!


先が長いので、コントロールできるペースで・・・


といいつつ最初の鳥居まではAv300Wでした。7年前のタイムでは、体重はほぼ同じで240W 2時間10分という記録があります。


ですので出力を落としながら、後続のKNZさんを待ってまったり、とはいえ楽すぎることはないくらい、生かさず殺さずペースのちょっと下あたり(自分の心拍でいうと150台)で淡々と進めます。


今日はクロモリバイクなのでしならせるダンシングを多用。橋を渡って森林地帯にはいってからダムまでの区間 (8.4km)はAv 262W 157bpmでした。心拍を見ても、ちょっと会話するにはぜーぜーですね。体重78kgなのでタイムは凡庸です。

昔よく大弛参りをしていたころは真夏が多く、下界は直射日光地獄、森に入って天然の冷蔵庫、高度があがるとアブの大群に襲われるというパターンが多かったのですが、6月初旬ですとアブもまだでした。夏のイメージで水をダブルボトルで臨みましたが、ただの重り。暑さはちょうどよく、前をはだけちゃうとお腹を冷やしちゃうかな。結論としては6月初旬は登るには最適の季節です。

KNZさんと終始無言、時々ペースを戻すために会話、そして無言、ゼーゼー、ハーハーを繰り返し、先行する他の自転車乗りを抜きながら走っていると1時間ちょいで乙女湖へ。



ここで一回目の休憩(水分がたりていたので最初の水場休憩は飛ばした)。


ここから再度蓑毛ストレートを登り、10年前はまだダートだった区間の急斜面を登り、右へヘアピンカーブを抜けると大弛名物森の中のFalse Flat区間。アウターで行けなくはないですがここは見栄を捨てインナーで。


途中西側の展望が開けて南アルプスが!7~8年前はなんとなく南アルプス、名前はしらないけど高い山、だった光景ですが、チビ登山により登った山々が稜線シルエットの記憶と共によみがえり、ひとつひとつの峰を名指せるようになったのがこの7年間で変わったところかな。体重、出力、タイムいずれもほぼ一緒。(平坦区間は約5 km、平均勾配2.5%、Av 20km 211W 150bpm)


偽平坦区間が終わり、残り8kmの表示がでると再び勾配がきつくなります。


路傍には高山植物がチラホラ、前方には金峰山の雄大な山腹と、頂上の五丈岩の奇怪な姿が展開してくるようになります。ここからが一番きつい区間。






残りの距離と、タイムと、ワットと心拍、それぞれと相談しながらギリギリの領域を、そして時々思い出したように背中のポッケからカメラを取り出し一応ツーリングらしいことも。

それにしても長い、長すぎる(知ってたけど)。初めての人は心を複雑骨折するこの長さ。

のこり5kmくらいでKNZさんと会話
『ながいっすね~』
『そうっすね~ゼーゼーハーハー』
『今、心拍どれくらい(黒い視線)?』
『160かな~?ゼーゼーハーハー』
『(俺、今152位だな・・・どうしよう・・・160くらいまであげちゃおうか・・・)』

(暗黒面に落ちる音)

しばらくすると後方から気配が消えました。サーセン。逃げろ~

ここからは心拍160~170、260W、7年前の2時間10分を目標にタイムトライアルモード(といっても力は入らないけど)
今日使った呪文は冷たいボトルの水を火照った腿にかけて、筋肉を冷やすおまじない。水をかけて数分たつと脚がよみがえる気がしないでもない。
残り3kmで木のガードレールが出てくるとゴールは間近。全部だしきるつもりで追い込みますが、残り500m切って体力ゲージは残りゼロ、最後ペースアップする脚は残っておりませんでした。

結果:
28.1km 1716m up
2:21:40(手元計測は2:10:50)
261W 159bpm
登頂した後踵を返して戻ると、すぐにKNZさんが登ってきました。数分も差がついていなかったのでは。


この後は峠から15分のところにある展望台、夢の庭園へ。登山道わきにはまだ残雪があったので、クリートをアイゼン代わりに進みます。こんなところで役に立つとはwww
タイムアタックで疲弊した両足にはなかなかきつい10分登山でした。
そして森がひらけ360度のパノラマが・・・


御座石の上でしばし瞑想すると・・・・・


自然界のパウワーを頂きふわりと空中浮揚を行うことができました。

展望台にいると、今まで完全にAUは圏外で、峠でも不通だったにも関わらずじゃんじゃん着信メールが入るようになりました。ここの地形は
視野内に下界盆地の町が見渡せ
左右両翼に山裾が広がり
稜線上である
実は、このような地形は電波伝搬モデルでいうともっとも最適なものなのです、というのを最近仕事で知りました。AUユーザーのハイカーは経験的に知っていると思いますが。

絶景を堪能したあと、お昼ごはんに大弛小屋へ。


8年前以上はボンカレーの記憶しかなかったのですが、出されたカレーを見てびっくり、大ぶりの野菜がゴロゴロ転がっているではないですか。
思わず『うっっめ~~!』とうなる味でした。なんかグレードアップしたようです。

さて、ここまで50kmちょい。今日は140kmの予定ですから、まだまだ距離を残していますね。でも、もう完全に脚を使い切ってしまったのですが・・・
「ま、下りで脚を回していれば少しは回復するでしょ」的に楽観していましたが、そんなことはありませんでした。
頂上の気温は覚えていませんが、指ありグローブとウインドブレーカーがあれば大丈夫。個人的には二―ウォーマーがなかったので少し寒かった。そんななか悪路(とはいっても昔のグレーチング穴地獄から比べると格段の進歩)を縫ってダウンヒル、乙女湖まで降りてくると聞こえてきたのはエゾハルゼミの大合唱!!!結局ここから50km近く、山全体でエゾハルゼミが鳴いているんじゃないかというくらいの蝉しぐれに包まれながらのライドが続きました。


さて、コース的には乙女峠からクリスタルラインへ、焼山峠、乙女高原を少しだけ登ってから黒平の集落までダウンヒル(1700m→1100m)




黒平の集落。山間の宝石

個人的には黒平から先は未踏領域、ろくすっぽ地形の予習をしておらず、この後二つの峠が牙をむくとは思ってもいませんでした。


おなじみのオレンジの看板はクリスタルラインを示します。

登ることはわかっていましたが、どうせ林道の登り、ヤッホーサイクリングで乗り切れると軽く考えていました・・・

さて、味のある山間の集落、黒平から次のポイント木賊峠(トクサと読む。何度教えてもらえても覚えられず「コグレw」「キコリw」「モクゾクw」「キゾクw」と何度もまちがえては二人の間で人事不省に陥った。)
8.8 km、546 m上昇、6.1%
ヤビツ一回分ではないですか!!!聞いてないよ~!
しかもこの山奥ヤビツ、眺望には恵まれていない、コンクリート舗装の悪路、補給ポイントなし、変化をつけるつづら折れなし、同じような真っ直ぐストレートの同じ風景を延々とリピートするなんのハイライトもないつらい峠でした。




しまいには二人の怒りがMAXに達し(察し)『なんだこの峠は!なまえは・・・ううう・・・もうウ○コ峠でいいや!』となってわけです。今回のポタリングで一番きつい区間でした。




やっとの体、完全に脚をなくした状態で「コグレw」「キコリw」「モクゾクw」「キゾクw」木賊峠に到着、富士山ドーンを期待しておりましたが雲に隠れておりました。
個人的には隣の森のエゾハルゼミ大合唱がよかった。

ここからは今日の登り的ゴールの瑞牆山荘まではあと少し。まずは超凸凹悪路のダウンヒルをこなし(増冨側から登ることは推奨しません。悪路杉。)、下り終えると渓谷にでます。


ここがマイナスイオンあふれる癒しの空間。


『明日の今頃はオフィスで仕事か~。ありえない大自然だね~。』と話すほどのスケール。

この自然の中では10年選手の傷だらけボロボロ自転車もピカピカに輝いて見えます。

写真雑誌風のアングルで。

さて、ここから3km 240m登ると(これも結構つらかった)


本日の北限、瑞牆山荘に到着します。
山荘併設のカフェ「モンターニャ」では名物てごねハンバーグを頂けますが、3時も迫ろうかという時間でしたので売り切れでした。


そんなわけで、明日への糧となるローストビーフ丼を頂きます。へとへとなので何を食べてもおいしい。
今日のコースは山岳な上に、途中でコンビニ、売店どころか自動販売機もゼロ地帯でしたので、山小屋と山荘をつないで補給するためこのようなルートになったのです。

さて、これから基本下り基調を鉄砲玉のように降りていくのですが、その前に以前知り合いのコミュさんのブログで見た瑞牆山の山容が押し迫ってくるという瑞牆運動公園に足を延ばします。




これが素晴らしい!死ぬまで一回いっときなさいレベルの絶景スポットでした。
足元には山ツツジのピンク、新緑が織りなす緑の波、山全体を鳴らすエゾハルゼミの大合唱、どこまでも青い「八ヶ岳ブルー」の空、そして中心には巨岩・奇岩が織りなす瘤だらけの瑞牆山・・・
ここにはずっといたかったのですが、後ろ髪ひかれて帰宅の途につきます。今度はチビ登山で行こう。できれば山荘泊がいいな。

この後は気持ちよい弾丸ダウンヒルで一気に甲府へ・・・のはずでしたがまず下り始めてすぐ段差に打ち付けパンク。気を取り直して修理しましたが段差にトラウマができてしまいました。
基本は時折パンチのある登りがあるものの、延々と続く下り基調で気持ち良く下山。長かったけどね。

1555m→455mへのダウンヒル
38km 978mダウン 1時間22分 Av 33.4km 140W 126bpm


茅ヶ岳の近く、明野の町にでてから敷島運動公園につくまでが長く、時折でてくるエンドレスなパンチャー坂に苦しめられました。広域農道を使って移動は快適で速かったが。

この後近くの山宮温泉(600円)できれいさっぱり汗を流し、高井戸まで断続50km渋滞、東名も渋滞と聞いたので道志道経由、16号バイパス経由で帰ってまいりました。KNZさん長距離ドライブお疲れ様でした。
またデラックスポタリングイベントやるDeath!



距離147.2km
高度3,543m
加重平均パワー231W
平均スピード 20.6km/時
心拍数 139bpm
カロリー 5,332