アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

『アイヌ民族の先住補償問題~民法学の見地から』

2012-08-18 19:46:15 | インポート
さっぽろ自由学校“遊”のブックレット9『アイヌ民族の先住補償問題~民法学の見地から』(吉田邦彦著 北海道大学法学研究科(民報)教授)を読み始めています。
吉田さんは、先住民族に関わる民法、特に所有法の問題、そして、集団的不法行為の後始末の問題である補償問題を扱っています。
アイヌ民族は所有権侵奪・服従の問題があるので、この不法行為の救済(補償)問題に直面せざるを得ない、と。

「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会 報告書」(2009年7月)に対しても、たいへん分かりやすく、的を射た問題点を述べています。少し、わたし流に分かりやすく書き直してみます。

① やはり、文化面への限定が問題(広く捉えるべきとするが)。

② アイヌ民族の歴史の根幹は、所有権侵害ないし広義の財産権侵害(例えば、旧土人保護法という差別的立法による金融上の損害)であることが見すごされ、それに対する救済法理として、補償問題(集団的不法行為問題)が見えない形で存在することへの理解が、まったくなされていない(その限りでは1996年の報告書より後退した)。その結果として、
A 謝罪がなされていない。
B 補償問題をいい加減にほっておいたので、アイヌ福祉政策や生活向上補償のはずが、「逆差別」になると言われかねない といういい訳を滑り込ませている。
C それゆえに、「国の強い責任」をうたいながら、国の予算に反映されていない。

③ アイヌ民族の集団的アイデンティティと言いながら、個人権利的保護をベースにしていて限界がある。どうして民族の集団的権利を認めようとしないのかにも疑問がある。

以上から、吉田さんは「1996年の報告書との連続性が大きく、先住民族性ないしそれに対するこれまでの侵略・搾取に対する救済の政策的展開としての踏み出し方は限定的であり、「妥協の産物」的でお役所文書的側面が強い」とまとめる。そして、特に補償問題としての捉え方が出来ていないことは「致命的ともいえる問題」と。

なるほど。先を読み進めるのが楽しみになってきました。
はて? 常本さんはこれらのことをすべて知りつくして、現在の推進を進めておられるのでしょうか。そして、園遊会に行って・・・。

すでに紹介しましたが、さっぽろ自由学校“遊”の次回のアイヌ民族関連講座の講師は吉田さん。テーマは「アイヌ民族への補償とそのプロセス」です。8月28日(火) 午後7時から。お勧めです。


マレウレウのファースト・アルバム『もっといて、ひっそりね』を購入しました。ランキングUPのために、2枚買いました! 一枚を夕食に誘ってくださった教会員のSファミリーにお土産に。
札幌のレコード店では、ワンコーナーを設けて、大々的に販売中。
思い切って、OKIのNewアルバム「北と南」も購入。頑張ってよかった。二枚ともたいへん満足いくものでした。
特に、マレウレウのはお薦めです。四人ともとても楽しんで収録されているのが伝わってきますし、初めて聴く曲も技法が凝っていて鳥ハダものですし、聴いたことのある曲もさらにヴァージョンアップしていて感動です。当センターでも販売できるように交渉してみます。

マレウレウは9月1日に東京・アサヒ・アートスクエアにてライブイベント「めざせウポポ100万人大合唱! vol.4~マレウレウ祭り~」(OPEN 16:30 / START 17:30)を開催します。
ゲストにはアルバムのプロデュースを担当したトンコリ奏者OKI、民謡歌手で太鼓奏者の木津茂理、そして細野晴臣が参加。詳しくは下記へ。
http://natalie.mu/music/news/74609

youtubeでも彼女達の歌が視聴できます。
http://www.youtube.com/watch?v=VbdpHqxENk8


札幌の会議の合間にビルの谷間から


最新の画像もっと見る