アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

二風谷ダム裁判の判決文

2007-01-19 17:14:41 | インポート
気がつくとブログ訪問のカウントが1,100を越えているのですね。
数名の方が頻繁に見て下さっていることも伺っています。
でも・・・昨日は23人も・・・そして、今日も今で18人も・・・。
関心を示して頂き、感謝です。さらに豊かな情報を流すよう努めますので、
今後ともよろしくお願いします。
うれしいので、今日も更新します。
今日も奨学金事務のために作業所のふたりが来てくれて事務作業し、
午後は滞っていた募金趣意書印刷費と発送費の支払いを終えました。
前半の雪のない冬を取り返すかのように留萌は雪・雪・雪。

1月16日のブログで、二風谷ダム裁判の判決文(札幌地方裁判所平成5年(行ウ)第9号権利取得裁決及び明渡裁決取消請求事件 判例時報1598号33頁以下)では、アイヌを先住民族としていることに触れました。



原告の故萱野茂さんと田中宏弁護士編集代表の「二風谷ダム裁判の記録」(三省堂)に、裁判記録がすべて掲載さています。その判決文を読み直していますが、皆さんにもいくつか紹介しましょう。

二風谷ダム判決は,アイヌ民族の先住民族性についてこう言っています。


「国は、先住少数民族であるアイヌ民族独自の文化に最大限の配慮をなさなければならないのに、二風谷ダム建設により得られる洪水調節等の公共の利益がこれによって失われるアイヌ民族の文化享有権などの価値に優越するかどうかを判断するために必要な調査等を怠り、本来もっとも重視すべき書価値を不当に軽視ないし無視して、本件事業認定をなしたのであるから、右認定処分は違法」(判決理由の骨子2より)。

「アイヌ民族は,我が国の統治が及ぶ前から主として北海道に居住し、独自の文化を形成しており、これが我が国の統治に取り込まれた後もその多数構成員の採った政策等により、経済的、社会的に大きな打撃を受けつつも、なお民族のとしての独自性を保っているということができるから、先住民族に該当するというべきである。」(判決理由の要旨より)

昨年、福岡地裁の日の丸・君が代問題を扱った、いわゆる「こころ裁判」(福岡地方裁判所 平成8(行ウ)22,平成12(行ウ)4 戒告処分取消等請求事件)の判決文を詳細に読んだので、「判決文」というものの読み方が分かるようになり(笑)、二風谷ダム裁判判決の内容にぐんぐんと引き込まれます。
センターにありますのでお貸しします。

二風谷ダム裁判判決の「検討」の部分にはこんなことも述べられています。
アイヌ民族は文字を持たない民族であるからチプサンケ(舟おろしの儀式)やチャシ(砦)等の遺跡は「アイヌ民族の文化を探求する上で代替性のない貴重な資料であって、その重要性は文字を持つ民族における重要性とは比ぶべきもない程高いといわなければならない」、しかし、その調査をしていなかったことに違法性がある、と(すごい!)。
もっと、くわしく紹介したいのですが今日はここまで。


最新の画像もっと見る