アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

講演会「アボリジニー言語と日本のアイヌ語の教育」

2012-10-27 20:43:37 | インポート
毎朝の日課として、インターネット上のニュースを調べ、アイヌ民族や世界の先住民族関連の記事を集めてニュースブログで紹介しています。毎月60ほどのニュースが集まるのです。いくつか最近のニュースを紹介します。
来週から二週間ほど留守をするのでUPできません。あしからず。

http://blog.goo.ne.jp/ivelove/

・【武四郎のご縁】「足跡」ツアー来春商品化(朝日新聞 2012年10月25日)
北海道釧路市の阿寒湖温泉。アイヌ民族の千家(せんけ)盛雄さん(72)は、アイヌ文化の伝承や木彫活動の傍ら、観光語り部を10年以上続けている。
「舟をこぎ、命がけで北海道に上陸した武四郎は、鉄道も道路もない中、アイヌの人たちの案内で川を遡上(そじょう)。9千以上のアイヌの地名を記録した」
45分ほどの「語り」の半分ほどは、松阪出身の希代の探検家、松浦武四郎(1818~88)をたたえ、感謝する内容だ。そんな武四郎ゆかりの「足跡めぐり紀行」が来春、ツアーとして商品化される。(略)

・俳優ラッセル・ミーンズさんが死去(シネマトゥデイ 10月23日)
映画『ラスト・オブ・モヒカン』などで知られる俳優・活動家のラッセル・ミーンズさんが現地時間22日、死去した。72歳。The Wrap Moviesほか複数のメディアが伝えた。
ラッセルさんはアメリカ先住民族、ラコタ・スー族の活動家であり、権利団体「アメリカインディアン運動」のスポークスマンとして活動。その一方で、1992年には映画『ラスト・オブ・モヒカン』で、ダニエル・デイ=ルイス演じるホークアイの育ての親、モヒカン族の酋長チンガチェックにふんし、俳優デビューを果たした。(略)

・北米先住民が初めて聖人に(クリスチャントゥデイ 2012年10月23日)
教皇べネディクト16世が10月21日、北米先住民の女性を含む7人を聖人に列した。北米先住民の列聖は初めて。 「モホーク族のユリ」と呼ばれるカテリ・テカウィザさんは、長く抑圧されてきた北米先住民たちの希望の象徴だった。1980年には前教皇ヨハネ・パウロ2世により福者に列せられ、バチカンのサンピエトロ広場で列福式が行われている。(略)



初手作りハロウィーン・ランタン

10月20日に開催された講演会「アボリジニー言語と日本のアイヌ語の教育」は、午前の部だけ出席しました。
「オーストラリア・アボリジニの言語‐再生と復興」をヒーザーさん(Heather Bowe)が講演されました。
オーストラリアのビクトリア(南東部)地方の先住民族であるヨータヨータ(Yorta yorta)民族の言語回復プログラムについての講演でしたが、感動したのはインターネットによる情報提供の充実していること。
そこでは、ヨータヨータの詩人が自らの民族の言葉を使って詩を朗読しているのを視聴できたり、様々な単語のスペルも詳しく記され、さらに参考文献をクリックするとその単語がどのような資料で使われていたかの原典まで閲覧できるようになっているのです。インターネットで出典資料まで調べる事が出来るとは、すばらしい情報開示です。そのことによって誰もが簡単に言葉を覚えたり調べたり出来るとのこと。

さらに、驚いたのは、ヨータヨータの民族言語を調べる際に基礎となった伝統的な歌があり、その歌はなんと、200年前にアフリカ系の人々から教えられて自分達の言葉に訳して歌い続けているもので、その内容が旧約聖書の出エジプト記の記述なのだ、と。研究家たちはこの歌からヨータヨータ民族語の文法を学んだというのです。

そのことで、かつて台湾の牧師から聞いた話を思い出しました。台湾原住民族の言語がどうして継承され続けているかというと、キリスト教が各民族に伝えられていった際に、それぞれの民族が自らの言葉で聖書翻訳を行ったからだ、と。後々に、その聖書翻訳が文法の基礎となって、現在に継承されてきたのだそうです。聖書や讃美歌が各民族の多様性、そして、それぞれのアイデンティティや言語を認め、守った歴史があるのですね。
カイルさん(Kylie Martin)とジェフさん(Jeff Gayman)の講演、そして、パネルディスカッションは時間切れで聞けず!残念。パネラーの萱野志朗さんと太田マルクさんとはご挨拶のみとなりました。


マレウレウの舞台

23日は酪農学園大学のキリスト教教育強調週間というもので、マレウレウの皆さんを招いてのイヴェントの協力をさせて頂きました。最初に短く前座としてわたしがメッセージをし、マレウレウの皆さんに1時間弱のミニ・コンサートをして頂きました。
大学1年生を対象にしてのプログラムで500人ほどの学生さんたちへのものでしたから、アイヌ民族の歴史とマレウレウの歌や踊りに触れるいい機会だったと思います。
学生さんをじょうずにのせて、豊かなコンサートでした。終わったあとに、数人がマレウレウに「楽しみにしていた」、「聞けてとてもよかった」と声をかけておられ、わたしもうれしかったです。
このことは、活動ブログ上ではご案内していませんでしたが、FB(フェイスブック)などでは呼びかけさせて頂きました。センターFBもよろしくお願いします。

11月1日から台湾を訪ねます。そこで発題するアイヌ民族の最近の情報をまとめるため、あらためていろいろと調べ直し、新たな気付きをしています。
台湾では台湾原住民族の権利回復の道筋、原住民族の権利回復運動にキリスト教がどのように関わったか、現在の課題と取り組みについて学んできます。



明日は留萌宮園教会のチャリティーフリーマーケットを開催します。恒例の行事となり、開始前に50人ほど並ぶ勢いです。士別からも規格外のじゃがいも、たまねぎ、かぼちゃも頂いてきたので販売します。ハロウィン用のかぼちゃも頂いたので初めてランタンをつくって教会前に飾りました(上の写真)。いろいろな準備も終わり、いよいよ明日です。


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