アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

楊啓寿さん著『台湾基督長老教会の過去・現在・未来』

2012-10-30 19:06:22 | インポート
11月1日から台湾を訪ねるにあたり、楊啓寿さん著『台湾基督長老教会の過去・現在・未来 ~原住民宣教と民主化運動~』(センターブックレット 300円取扱中)を読み直し、台湾原住民族とキリスト教の歴史の簡単なおさらいをしました。
少し紹介します。

1624年から1661年の間に植民地支配の波に乗ってオランダから宣教師が台湾で宣教を開始。オランダは台湾を利用して鹿や樟脳を貿易対象とし、宣教師がキリスト教の教えを伝えました。侵略者の宗教として台湾の人々はキリスト教を拒否します。

1865年、イギリスの宣教師であるJ.マックスウェルが台湾の南部で宣教を開始。7年後の1872年にマカイがカナダ長老教会の宣教師として台湾の北部で宣教を開始。この南北2つの教会は1951年に合同し台湾基督長老教会を設立。

マックスウェルが宣教を始めたとき、人びとは反抗し石を投げ追い払ったため、彼は最初の拠点であった台南からさらに南に下って高雄で新たに宣教を始め、そこで教会ができます。初代の台湾のキリスト者は「いわゆる台湾社会の下層部の人たち、無学で、字の分からない、周縁の」人々でした。これらの人々の子孫は、信仰と教育によって変化を遂げ、その中の1人に、高俊明氏の祖父もおられました。

マックスウェルは医師として患者を治療し、福音を伝えました(マカイも医者)。また教育にも力を注ぎました(台湾で歴史の一番古い病院、学校は、台湾基督長老教会の宣教師の手で始められたもの)。

日本政府が台湾を植民地支配した時に、原住民に対して「理蕃政策」(原住民が他の人々と接触することを避ける隔離政策)を行います。原住民居住区の要所に「隘勇線」を設け、監視をしました。平地に行くのも禁じ、キリスト教に触れるのももちろん禁止したのです。同時に日本政府は山地から木材や樟脳を取るために原住民に強制労働をさせます(その状況下で1930年に霧社事件)。

井上伊之助という人物名も出てきます。彼は宣教目的で衛生官として原住民の中に入って彼ら彼女らを支えます。井上についてはわたしの高校の恩師より以前に『台湾山地伝道記』(井上著)を頂いたので後日、紹介できればと考えています。

日本政府は原住民に対して様々な禁止令を強いましたが、それでも原住民の中で幾人かキリスト教に接しキリスト者になった人物もいました。その中の1人がタロコ民族のチワンという女性です。彼女は二度、漢民族と結婚し、いずれも騙され自殺をはかろうとした時にキリスト教に触れ、信者になります。その後、台北の神学校で聖書を学び、自分の村へ帰って警察の目を逃れ、洞窟の中で福音を伝えました。数年前にチワン教会を訪ねましたが、教会の脇にその洞窟が残され、碑が建てられています(その教会役員の一人イワンさん夫婦は留萌にも来てくださった)。
洞窟は入口以外にもたくさんの抜け道があり、警察がきても見張りの合図で逃げ、捕まらずにすんだとのこと。このように日本政府の弾圧に抵抗しつつ熱心に福音を伝えていきます。キリスト教が解放への力となっていったのです。

台湾の民主化運動と教会の働きについても、大きく影響がありますが、過去ブログにも掲載しましたので参照ください。

チワン教会横の洞窟(2009年に訪ねたときの写真)


NHK室蘭放送局開局70周年記念「アイヌの神様ものがたり」「影絵:ポロ・オイナ~超人アイヌラックル伝~」全編
の案内を頂きました。

OKIとMAREWREWによるライブ演奏! アイヌ神話を題材に、アイヌのデザインがちりばめられた最高のエンターテイメント。巨大なスクリーンに人影が踊る、舞う!映画を超えた音楽影絵冒険活劇!!

日時:12月1日(土)
開場:午後1時30分  開演:午後2時  終演予定:午後3時30分
会場:白老町中央公民館(白老郡白老町本町1丁目1番1号)

入場無料ですが、下記へ申し込むと入場整理券を送付されるとのこと。
先着順で定員(500人)になり次第締め切り
申込先/NHK室蘭放送局 電話:0143-22-7271(平日午前9時30分~午後6時)

より詳しくは、「イヴェントブログに掲載しましたのでご覧下さい。
http://blog.goo.ne.jp/sakura-ive



留萌は寒くなりました。冷たい風にのって落葉の香りが漂っています。
海に湯気が出るケアラシも寒い朝に発生しだしました。
二日後の台湾は25度とのこと。09年の台湾一週間も10年のカナダ二週間も機内持込可能なリュック一つで行きましたので、今回の二週間もそうするべく準備中です。暖かいので大丈夫でしょう!


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