アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

「第8回口頭弁論での畠山さんの意見陳述」

2014-04-28 10:16:22 | インポート
アイヌ人骨返還等訴訟でこの度、4人目として原告となられた畠山敏さんは、1月に訴状を書き、4月4日の第8回口頭弁論にて、意見陳述をされました。その全文は訴状抜粋と共に北大開示文書研究会のサイトにあります。以下。
http://hmjk.world.coocan.jp/trial/trial.html

畠山さんはモベツコタン(紋別)に生まれ育ったアイヌ民族の漁師。祖父は1875年(明8)の紋別場所の戸籍簿に、幌内から湧別までの海岸筋・川筋・山奥までの10ヶ村92戸361人を統率したコタンコロクル(村おさ)キケニンパの血を引く先住民族の漁師であり、北海道ウタリ協会の初代の紋別支部長。その漁業経営と道アイヌ協会支部長の要職を引き継ぎました。また、紋別のアイヌ遺骨の保管、管理を紋別市から委ねられ、アイヌプリ(アイヌの習慣・方法)で毎年イチャルパ(先祖供養)を行っておられます。
この度、返還を訴えているのは、被告が保管を認めている紋別市から「寄託」されたとする5体。「“寄託”とは、第三者が何らかの理由によって遺骨を取得し、それを被告に預けたもの」(訴状)ですが、どのような経緯で“寄託”されたのかを被告は明らかにしていません。経緯、理由などいっさい明らかにしないのか出来ないのか、“寄託”そのものも疑わしい(やっぱり盗んだ?)わけです。そこを明らかにしない限り、疑いは晴れませんし、ご遺骨5体を所有している被告北海道大学は「所有権」がないことになります。
加えて、原告側はアイヌ民族の先祖の遺骨管理は、各家に継承されていくものではなく、コタンという集団に属するものと捉え、コタンの権限の継承者である原告に返還するべきだと主張。
畠山さんは今回、返還を求めるに当たり、ご遺骨が自分たちの手元に存在しないこと自体が耐えがたい異常事態だ、目的や経緯はどうであれ自分たちの了解を得ずに持ち去られたことは事実だと意見を述べ、早急の返還と納得できる謝罪を求めています。
自分の身内の遺骨が、経緯も分からずに大学に研究目的で持ち去られ、それぞれバラバラに研究室にほって置かれていたことを知らされたらどうでしょう。自分に引き寄せて考えることが必要だと思います。

小川隆吉さんが北大に開示請求をし、開示された資料の中に『アイヌ人骨台帳』があります。北大開示文書研究会の資料頁(http://hmjk.world.coocan.jp/materials/list.html)から閲覧可能で、以下のPDFです。
http://hmjk.world.coocan.jp/materials/ogawarequests/01.pdf
後ろから8頁のところに紋別の5体の遺骨が記されてあります。



アイヌ文化振興・研究推進機構(札幌)による3期目のアイヌ文化伝承者育成事業が始まりましたね。
苫小牧民報 (2014年 4/21付)によると、20歳から36歳までの5人。お友達の名前もあってうれしくなりました。これから3年の学びにエールを送ります。ただ、卒業後に学びを活かした働きに就けるかが心配です。働き場の保障もほしいですね。
苫小牧民報の記事はこちら http://www.tomamin.co.jp/20140411930
アイヌ民族・先住民族関連ニュースのストックBlogはこちら http://blog.goo.ne.jp/ivelove


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