アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

2014年度 アイヌ民族の権利を回復する運動の推進決議に関する件

2014-05-02 09:46:12 | インポート
さる、4月29~30日に札幌北光教会にて日本キリスト教団北海教区第74回定期総会が行われ出席しました。
総会にて今年度の推進決議を提案し、可決されました。これを受けて、この一年も活動を行います。
わたしたちのセンターのホームページに毎年、この推進決議をUPするのですが、更新をして下さる方がこのところ多忙ゆえ、下記にUPいたします。

「2014年度 アイヌ民族の権利を回復する運動の推進決議に関する件」
議 案
アイヌ民族の権利回復と差別撤廃の運動を推進するために、以下の事項に取り組む。
1.学習・研修・交流・連帯活動
 (1)アイヌ民族の権利回復と差別撤廃のため、関連する運動や学習会を支援し連帯する。また、集会等に積極的に参加する。
     ・アイヌ遺骨返還等裁判の協力
 (2)アイヌ民族関連の諸資料を収集し、提供する。機関誌(ノヤ)、ホームページ、Eメール、Facebook等を通しての広報。
 (3)アイヌ民族の歴史と現状を学ぶ現地研修の企画・実施。原稿執筆等の協力。
     ・後志地区アイヌ民族フィールドワーク実施 
     ・アイヌ民族の若い世代の声を聞く会を準備する
 (4)講師派遣による学習活動支援
2.台湾基督長老教会のディヴァン・スクルマン宣教師を支援し、世界の先住民族に関する課題を共有する。
 (1)国家形成や植民地支配により、日本・台湾で行われてきた先住民族差別について、その歴史認識を深め、新たな関係作りを目指した学習・啓発活動の実施
 (2)台湾基督長老教会の教会が培ってきた信仰や、先住民族宣教のあり方を学ぶ学習会等の開催。原住民族の讃美歌翻訳の準備
 (3)カナダ合同教会ロンドン教区との交流における、相互研修の実施
 
提案理由
北海道と呼ばれているアイヌ・モシリ(人間の大地)は、もともとアイヌ民族が自然と共に生きてきた土地です。しかし、日本近代天皇制国家による侵略によって、アイヌ民族は土地も森も川も、自由に狩猟することも、さらに文化や言葉も奪われ、多くのいのちも奪われました。そしてその苦難の歴史は十分に省みられることなく、現在にいたってもアイヌ民族は厳しい差別にさらされています。そのアイヌ・モシリに宣教活動を行なったキリスト教会もまた、アイヌ民族の存在に無関心であるばかりか、アイヌ民族としてのアイデンティティを尊重せず、明治政府の同化政策に協力さえしてしまいました。わたしたち日本基督教団北海教区は、教会が侵略者・抑圧者の側に身をおいて歩んできた歴史を反省し、1985年にアイヌ民族の権利回復の働きを共にする目的でアイヌ民族委員会を、1996年に「アイヌ民族の権利回復と差別撤廃を教会が宣教課題として取り組むことを目的」(センター規約3条)としてアイヌ民族情報センターを開設し、ささやかながら連帯の取り組みを進めてきました。
一昨年より、浦河在住のアイヌ民族三名が盗掘された先祖の遺骨の返還等を求めて北海道大学を告訴しました。今年に紋別アイヌ民族の一名が裁判に加わり、さらなる先住権を争う裁判が続いています。この裁判協力を含めて今後も権利回復のための働きの手を休めることなく、アイヌ民族の皆さんに連なっていきたいと願います。
恒例となったアイヌ民族フィールドワークは後志地区で計画が進められています。各地域に出かけていって、そこに住むアイヌ民族の皆さんと出会い交流することによって課題を共有して行くことを望みます。そのことによってセンターの活動報告も各地で共有頂けることを願います。
また台湾基督長老教会からお迎えした原住民の教師、ディヴァン・スクルマン宣教師はアイヌ民族情報センター一員として、より積極的な活動を展開され、多くのアイヌ民族の皆さんと関係を深めています。その働きを支援することを願いつつ、さらに今年も台湾原住民族の皆さんの来道に伴い、交流と学びが出来るよう企画・実施します。加えてカナダ合同教会ロンドン教区の皆さんとの交流と先住民族への権利回復の働きに関する相互研修も計画中です。これらのことにより、アイヌ民族だけにとどまらない、世界の先住民族と共に歩む教会として、私たちは成長することができるでしょう。
以上の理由から、今年度もアイヌ民族の権利回復と差別撤廃、先住民族に関わる諸課題を教区・教会の宣教課題として、積極的に取り組むことを提案します。


まだ暑寒別岳の山道は雪でうまっています。早く、雪が溶けてトゥレップ(オオウバユリの根)を採りにいきたいです。

総会を時々、抜け出して大通りビッセ2F YUIQで開催中のToyToy屋アイヌ文様プロダクト販売会をのぞきに行ったり(5月6日まで)、浄土真宗西本願寺教務所にパンフレット「アイヌの遺骨はアイヌのもとへ」を1,000部届けに行ったりしました。
総会でも議員分200部を配布。パンフレットが有効に使われることを願っています。


最新の画像もっと見る