アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

有識者懇の報告書全文が明らかになった?

2009-07-23 10:10:43 | インポート
共同通信(2009/07/22 23:37)に、以下の記事が出ました!
23時ですから、他のニュースはこれからかと思いますが、内閣官房URLにもトピックスには出てきませんし(http://www.cas.go.jp/index.html)、「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」のURLにも、まだ「骨子」だけで全文は掲載されていません(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainu/kaisai.html)。
以下、記事を引用します。

アイヌ新法の必要性明記 政府有識者懇の報告書案
 政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(座長・佐藤幸治京大名誉教授)の報告書案全文が22日、明らかになった。政府がアイヌ民族を対象に生活・教育支援などに取り組むとの「国の姿勢と覚悟を法律で示すことが大きな意義を持つ」と指摘し、新法制定の必要性を明記した。
 一方、政府は同日までにアイヌ政策の具体的な内容を審議する新たな機関を年度内にも設置し、2010年度にはアイヌを対象とした全国規模の生活実態調査を実施する方針を固めた。これまでは道内に限定されてきたアイヌの生活実態が初めて明らかになりそうだ。
 報告書案は29日の会合で正式決定され、同日、河村建夫官房長官に提出される。同案は、一般の国民より厳しい水準にある生活の向上施策の必要性を打ち出す一方、アイヌ語継承が極めて深刻な状況にあるなどと指摘。文化振興や伝承を担えるようにするための生活支援や、アイヌ語指導者の育成など、報告書が示している政策に直ちに取り組むことも求めている。
 アイヌの歴史や現状に対する理解が、一般の国民や企業のレベルで深められるべきだとも強調。一部の私立大がアイヌの優先入学枠を設けていることを例に挙げ、一般企業もアイヌの大学卒業生を積極的に受け入れるよう期待を示している。
 報告書案は約40ページで、半分近くを使い、アイヌの歴史などを説明。「国には先住民族であるアイヌの文化の復興に配慮すべき強い責任がある」と繰り返し強調している。
http://www.47news.jp/CN/200907/CN2009072201001196.html


22日に明らかにされたとありますが、各メディアに明らかになったということなのでしょうね。それ以前はメディアも持っていなかった? 前回の有識者懇で提出された「全文」と違うところがあるの? など気になることが多々ありますので早く見たいですね。しかし、この分だと29日の会合で正式決定された後でないと公表はないかも・・・。だったらメディアが全文流してくれればいいのですね。どこか流してみんなが共有できるようにして下さい!

「アイヌ政策の具体的な内容を審議する新たな機関を年度内にも設置」することが明記されたとのことですが、これらを受けて政府は速やかにアイヌ民族を多数入れて審議機関をつくってほしいですね。
「新法制定の必要性を明記した」とありますが、具体性のある記述でしょうか。これも先の新機関に送るのでしょうか。
過去と現在の「アイヌ政策」に関する評価もきちんとされているのでしょうか。
「先住民族」アイヌの位置づけがきちんとなされているでしょうか。
保障に関しては?予算確保の促しは? などなど、少し考えただけでも確認したいことだらけです。早く手に入れてニサッタなどで知恵をあわせて評価したいと願います。あのニサッタで出した「提言」を今度は報告書をチェックする道具にします。賛同いただいた多くの方々にもその情報をいち早くお伝えできればと思います。



嵐山の新築チセ(笹葺きの家)

この数日の報告をします。17日(金)~18日(土)と学習会「ウコ キロロ コロ ウパカシヌ~互いにつよくなる 共におしえあう~」のボランティアに行って来ました。
マレーシアで民衆運動を行なっている講師によるワークショップをじっくりと記録させて頂きました。講師のジョハンさんとは歓迎パーティーの後半、じっくりとお話しすることが出来ました。的を射た質問も多々受け、ふだん頭では考えていたことを言葉化できて良かったと思います。彼らの活躍している現場も実際に見てみたいですね。彼らの活動の一端をDVD化して紹介している「グラスルーツ・ボイシス(民衆の声)」を購入したので後日、感想をUPしますね。急きょ通訳してくださったジェフさん、ありがとうございました。

19日(日)は道北地区の牧師たちの交換礼拝で士別の教会へ行き、夜は牧師会でキリスト教の「礼典・式文」に関する過激な?発題をして議論沸騰。その前に、せっかく名寄まで行くので少々足を伸ばして音威子府にある砂沢ビッキのアトリエへ。可愛らしい廃校した小学校を使ってビッキさんは工房にしておられたようですね。美術館もとてもいい感じでした。



ビッキさんの作品

20日(月)は旭川嵐山の新築されたチセにてアシリ・チセ・ノミ(新しいチセの祝いの儀式)に参加させて頂きました。結局、二日しか参加できなかったチセ作りでしたが、完成した姿を見て特別な思いがわきあがります。皆さんも大喜びで、歌あり踊りありの楽しいひと時でした。
22日(水)は過日、お尋ねした兵庫西宮公同教会の幼稚園教諭らの北海道研修と二風谷で合流し、またアイヌ民族関連の説明をさせて頂きました。
二風谷では二風谷ダムの前に建っている管理センターに行き、その中に設置されているダムの説明の部屋で資料をもらって見学しました。ダムが作られたことで沈んでしまった土地の地図も書かれていたのを見て、これらの中に萱野茂さんや貝沢正さんの土地が含まれていることをあらためて実感した次第です。
そう言えば、研修メンバーが宿泊した二風谷荘の居間に、昔から気になっていたアイヌ民族関連のビデオが多数あり、この度、それらをすべてお借りできました。DVDに焼き直す作業をしていますが、興味深いものだらけ。1989年に二風谷で開催された「世界先住民族会議」のビデオにはお若い頃の貝沢さんや萱野さんはもちろん、存じ上げている方々の青年時代の顔も・・・。しばらく楽しみながら作業を続けようと思います。



沙流川歴史館で展示されていた「木の葉あてパズル」

今日の夜は旭川にて道北地区集会実行委員会。テーマは環境についてですので、そのプログラムの中に、先日、二風谷に行った際に寄った沙流川歴史館の中に展示されていた「木の葉あてパズル」を真似て作って皆さんに紹介しようと考えています。このパズルは何種類かの木の葉の裏に木の名前を日本語とアイヌ語で記入してありました。ついでにアイヌ民族がその木をどのように用いていたかなども記せたらいいなと考えています。
24日(金)の明日はアイヌ奨学金関連事務で札幌。25日(土)は静内にて開催される少数者懇談会の学習会に参加してきます。


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