アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

厳密な国際的定義がないから?

2007-10-08 14:29:17 | インポート
日本政府はアイヌを先住民族として認めない言い訳として、
「先住民族」というものの厳密な国際的定義がないということをあげています。

このことについて9年も前に出版された本「アジア・太平洋の先住民族」(ヒューライツ大阪解放出版社編)で
上村英明(市民外交センター代表)さんが政府の矛盾を指摘しています。

それは、日本政府が91年に国連に提出した国際人権規約・自由権規約に関する第3回定期報告書には
アイヌ民族を
「少数民族であるとして差し支えない」と報告したことです。

そもそも、この「少数民族」の定義は国際人権規約・自由権規約のどこにも書かれておらず、
92年に採択された「少数者(少数民族)権利宣言」を含めて、どこにも「少数民族」に関する厳密な国際的定義は存在しないのです。
それなのに政府はアイヌを少数民族と定義し、「先住民族」については認めないのは矛盾している、と述べるのです。

この矛盾は97年の差別防止・少数者保護小委員会でも取り上げられており、
日本政府の「おかしな態度」として注目を集めたという事も書かれています(P68,69)

今回も「先住民族の権利宣言」が採択されつつも、いまだに同じ矛盾した理屈で通そうというのでしょうか。
国際的にそれが認められるのでしょうか。

上村さんはこの度の、政府がアイヌ民族にかかわる審議機関設置を考えていないとする答弁書を提出したことを受けて、
「政府は、協会が二十年間一貫して、国連で、アイヌは先住民族だと主張してきたのに、
ただ定義がないというばかりで反論できないできた。こんな姿勢は世界に通用しない」

コメントされています(北海道新聞10月7日 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/53618.php)

要は、「少数民族」と確定してもそれに伴う自決権などの様々な権利主張はされないけれど、こと、「先住民族」と確定しては権利主張されるのが困るということなのでしょうか。


今日は年末に全国発送するアイヌ奨学金の募金趣意書の準備で忙しくしつつ、以前に読んだ上村さんの文を思い出したのでUPしました。



今年は雨が少なかった影響で川水が少なく鮭がのぼってこられないで川尻にうようよしています。
たくさんの背びれが見えます?


OKI トンコリライヴ

2007-10-08 10:48:21 | インポート
昨夜(7日)は、少々、無理して旭川にOKIのライヴを聴きに行って来ました。
始まるまで時間があったので川村カ子トアイヌ記念館近くの銭湯「熊の湯」でゆったりとお湯に浸かってきました(オヤジくさっ)。
それでも時間が余ったので記念館の展示品を改めてじっくりと見ていたら、
若い子達も集まって来て、はじめて見るアイヌ民具にキャーキャー言っていました。
「キャー!これヤバくない?」「鮭の皮で出来た靴だってェ~ ヤバいよ~」
“ヤバい”とはいい意味なのか、本当にやばいのかよくわからないなぁと苦笑しつつ、
お笑いタレントの柳○さんのような話方を(?)ライヴで聴けたことは田舎暮らしのわたしにとっては得した気分でした。

コンサートが始まる頃には200人ぐらいはいたでしょうか。
お洒落な若者も多かったですが、ご年配やお子さん連れも結構来ていて、
ファンの幅の広さに驚きました。

内容もしんみりと心をなごませる曲から、馬が草原を走るようにリズミカルなものまであり、
聴きごたえがありました。
さらに今回は音響効果で音を遅らせたりエコーをかけたりという新たな技術が加わり
とてもカッコよかったです。楽しませて頂きました。

しかし・・・一部の終了でわたしも力尽き、帰途に向いました。


木々も色づいてきました  旭川から留萌へ向う峠


先の国連の「先住民族の権利に関する国連宣言」の採択を受けて、日本政府はアイヌ民族の権利などについて検討する審議機関を設置ことは考えていないとする答弁書を5日に提出した(どこに?)ことが北海道新聞(10/7)に掲載されました。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/53618.php

「先住民族」の位置づけがなされていないからアイヌが先住民族かどうかは確定できないと、ごまかしの対応を、政府は今後も続けるつもりなのでしょうか。
こちらにも新聞記事をUPしましたのでご覧下さい。
http://u-ko-usaraye.cocolog-nifty.com/