アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

最上徳内『蝦夷国風俗人情之沙汰』

2007-10-17 07:28:19 | インポート
今日は27日に行われる二風谷フィールドワークの準備のために
二風谷をお訪ねし、明日に行なわれる事前学習会の打ち合わせもしてきます。

ついでに今から出て、道立図書館にも寄り、調べものをしてきます。

調べたいものの一つに最上徳内の書物があります。
徳内は1785年から1809年まで7回も「蝦夷地」を調査した人物で、
松前藩によるアイヌ民族への関わり方を『蝦夷国風俗人情之沙汰』に書いています。
松浦武四郎が蝦夷を訪ねる70年前のことです。

それによると、アイヌ民族(「夷人」)が「日本風俗に化し染まぬ様」にするのが
「松前家の掟」であり、もしアイヌ民族が「日本詞」を使用したり、笠、蓑、草鞋を用いれば
通詞(通訳)がこれを咎め、禁止に背いたとして「ツクナイ」を要求して謝罪を求めたと。
アイヌ民族を人として扱わず、モノとして利用していったということが証言されているのです。

しかし、間もなく幕府はロシア南下という外圧によって、1799年に「蝦夷地」を直轄し、
対アイヌ政策を「異化」から「同化」(「日本人化」)へと大転換します。
ロシアとの領土争いで、アイヌが日本人であり、「蝦夷地」は日本領土だということを
示すための政策に使われるのです。
日本によるアイヌ民族に対する同化政策が始まります。
都合のいいように利用してきたのです。

この『蝦夷国風俗人情之沙汰』が、三一書房刊『日本庶民生活史料集成』第四巻に
収められている情報を得ましたので、道立図書館に寄ってきます。



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