アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

阿分 あわけ?

2007-02-21 20:33:44 | インポート
今週は所用があっていつもの奨学金関連等の作業は今日だけ行い、
今日もいつもの作業所のおふたりが午前中に来て、事務作業を手伝ってくださいました。
その後、昨日のブログの続きを書くべく、常本教授の講演の要点をテープで起こしていたのですが、音が聞きにくく、1994年に人権賞委員会で採択した「権利宣言案」(以下、「94年案」)と、2006年6月に人権理事会で採択した「権利宣言案」(以下、「06年案」)の比較を文章化するのに難儀してしまいました。
どこかで、06年案が日本語になってUPされるまで待つほうが正確だと思い、今後は常本教授の指摘された部分だけ紹介するようにと思っています。



午前の作業中に出た会話で、興味深いものがありました。
留萌の海岸沿いの南に位置するところに阿分(あふん)という地名があります。
わたしはずっと「あわけ」と読んでいたのですが(「この、あわけっ」って怒られそう)、
ひとりの方が、阿分には「あの世の入口」という意味があると聞いた」と言うので、いつもの「北海道の地名」(山田秀三著)で調べてみました。

するとあるではありませんか。
まず、松浦氏再航蝦夷日誌では「アフセ(セは?)。アフリと訛るなり。小川有」と書いてあるとの説明がされていました。
さらに、永田地名解では「アフニ。入り込みたる処」とあり、説明はこう続くのです。

  「また方々の土地に、アフン・ル・パル「(あの世へ)入る・路の・口→通称地獄穴」
  と呼ばれる洞穴がある。あるいはその意味だったかもしれない」

と。あの世に入る口のことが言及されているではありませんか。
ところで、ここに言われている「方々に、洞穴がある」と言うのはどこだろう。
今までそのような穴があることは聞いたことがなかったので、
今度、太田マルクさんなどに聞いてみようと思います。阿分にもその洞穴があるのでしょうか。
春になったら調べてみる価値がありますね。

この地域を知っておられるエカシやフチが近くに住んでおられたら、その話も伺えたのに・・・。残念です。
でも、マルクさんは数年前に留萌地方のアイヌ語地名の調査に来られていたので、分かるかもしれません。楽しみです。