アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

国際人権規約 第5回報告

2007-02-08 15:45:51 | インポート
明日(2/9)はいよいよ常本照樹(北大法科大学院教授)さんの講演「先住民族の権利に関する国連宣言と国際人権規約の日本政府第5回報告について」が札幌エルプラザで行われます。
そのためにあらためて日本政府報告を調べたところ、外務省HPの人権のところにありました。
93頁もの報告ですが、その最後に「第27条」として「少数民族の権利」の項目でアイヌ民族のことが短く報告されています。
一読して感じることはアイヌ文化の保存と振興についてはお金を出しているよ、と言ってるのが分かる文です(アイヌの生活向上にも出してるとも)。しかし、以前の日誌にも書いたように民族としてのアイヌに関しては触れられていません。当然、「アイヌ民族」という言葉は避け、「アイヌの人々」であり、民族としての権利についても何も書かれていません。

いっぽう、外務省は今回の報告書作成に関して、意見募集と非公式ヒアリングの案内を人権問題に関わる各NGOに向けて送付したようです(2003年9月)。しかし、その「ヒアリング」というのは、NGOの質問や要望に対して政府は回答する必要はないことを明言しての開催で(何のためのヒアリング? 一応はみんなの意見は聞きましたよという見せかけでしょうか)、NGOからヒアリングのあり方について要望が出されていますね。
(参照:http://www.imadr.org/japan/statements/oct.1st.2003.html)

この4月から開設される北大の「アイヌ・先住民研究センター」におおいに期待します。法的な面でも他国の先住民族の権利を調べ、アイヌ民族のために役立ててもらいたいものです。早くセンター名称の「アイヌ」と「先住民族」の間にある“・”(中黒)がなくなり、アイヌ民族と正しく呼ばれるように。

明日の講演会後も一杯いきますか。参加される方、ご一緒しましょうか。




野幌の百年記念塔
(アイヌ民族にとっては侵略の塔だと、あるエカシは語ります)