アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

先住民族の権利に関する国際連合宣言(案)への日本の態度

2007-02-20 16:57:02 | インポート
1/18 blog記事の続きと、
さる2月9日に行われた常本(北大法学部)教授の講演を聞いての報告(2/12 blog)を、
少しづつUPしていきます。

この数年で、国連の先住民族の権利における動きがありました。
昨年(‘06年)の6月29日に人権理事会にて「先住民族の権利に関する国際連合宣言(案)」(以下、「権利宣言案」)が賛成多数で採択され、いよいよ本会議にて審議されることになりました。

しかし、道年11月28日に、本会議の前の第3委員会(人権・社会問題をあつかう部 本会議と同じ191カ国の代表による)にて審議がストップし、現在に至っています。

さて、昨年に「権利宣言案」が人権理事会にて採択された際、賛成は30カ国(日本・イギリス。ドイツ含む)、反対2カ国(カナダ・ロシア)、棄権12カ国でした。

しかし、ここで注が必要で(先日の常本教授の講演より)、投票に当たって各国が、どういう意味で賛否するかの演説をつけるそうです。

その際に、日本が述べたのは

  『自決の権利は国家の領土主権を害さないものと宣言を解釈する。集団的権利は認めない』

というもの。

ここでの、自決の権利とは「民族の政治的地位を自由に決める権利」で、たとえばその国の特別な政治的参加権を得たり、国内に自治区を作る権利なども考えられます。同時に、その国から分離独立する権利も含まれていると考えられています。

そこで日本は、分離独立は認めないとの意味で「領土主権を害さない」を条件としているのです。さらに、集団的権利(民族の土地取得権利)は認めないと。

しかし、このようなことを言っているのは日本ばかりではないと常本教授はイギリスやドイツの例を出しました。
ヨーロッパの国々はかねてから宣言についてはわりと支援する立場ではあり、イギリスもドイツも今回の採決で賛成票を入れましたが、賛成にあたっての演説において

  「宣言に言う自決権は先住民族に特有の権利であり、国家の領土主権を害さないものと考える。」
と日本と同じことを言っています。さらに、
  「自国の国民および領土には本宣言の適応対象は存在しない」


と、自国にも海外領土にも関係がないけれど、いいことだから賛成するよと述べていのです。

その点で言えば少なくとも、日本はそのようなことは述べていなわけですね。

(続く~
 聞いたことを文章化する手間もあり、調べながらのことなのでゆっくりUPしますね)



昨夜の月夜 細く光る月ですが、肉眼では
うっすらと明るく丸い月が見えたので撮ったのですが、これでは真っ暗ですね。


道北地区にある2つのセンター

2007-02-20 09:09:25 | インポート
18日、道北地区委員会出席のため名寄の道北クリスチャンセンターへ。
道北地区は四国ほどの面積を持つ広い地域に点在している10教会・伝道所と2センターがあります。
センターのひとつはわたしたちアイヌ民族情報センター。
もうひとつは、名寄にある道北クリスチャンセンター。


館長のロバート・ウイットマーさんと主事の藤吉求理子さん、そしてウイットマー圭子さんが活躍しています。
センターが行っている道北三愛塾のHP(http://www8.ocn.ne.jp/~sanai333/)から
センターの活動が見られます。



名寄へ行く途中で士別教会を訪問し、礼拝参加と地区アイヌ語説明ポスターをお渡ししました。
地区委員会においてもセンター報告とアピールをさせて頂きました。

先日、紹介したアイヌアートプロジェクトの
メンバーのひとり太田裕実さんのブログには
札幌白石区のミニFM番組「風の帰る場所」のバックナンバーが聞けます。
いろんなゲストとアイヌ関連の歌が聴けます。
(ブログ http://www.with-s.fm/radio/kaze/index.html )



留萌の日没