「生まれ出づる悩み」「或る女」などを書いた作家であり、
この地の地主でもあった有島武郎の軌跡を紹介した施設です。
作家としては名作を世に出したことで名声を得ています。
ですが次第に筆力が衰えほどなく人妻と心中死をする。
地主としては有島農場の開放を宣言、
当時としては画期的な思想の持ち主でもありました。
往々にしてこういう施設は、その人のいい面ばかりに光を当てがちです。
陰の部分にもしっかりと言及してこそ、その人の全体像を見ることができる。
地元の有名人の陰の部分は見たくないものですが、
いいところだけ見せていては焦点がぼやけてしまう。
人妻と心中したところに当時の有島の作家としての苦悩があったように思うのだが、
その人妻に関する言及がほとんどありません。
また筆力が衰えたことも正視しなければいけないと思うのですが。
このことと心中との相関関係はどうなっているのか。
建物は大きく、そしてわかりにくい。
展示を見るにあたり順路がはっきりせずまた小展示室もあちこちふいに出現、
見学していてストレスを感じる。
有島ファンなら、それこそ有島の足跡を辿るためにはいい施設です。
有島の事をよく知らない方は、
寒くない時期にその足跡を辿りたっぷり時間をかけて有島の作品に触れてみる。
そのように過すことが出来るならば有意義な時間となるでしょう。
*有島記念館
住 所:虻田郡ニセコ町字有島57
開館時間:9:00~17:00
入 館 料:大人500円、中学生100円
休 館 日:月曜日(休日の場合は翌日)、年末年始、5月~9月は無休
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