8月19日
「こみせ通り」の出口にある、大きな造り酒屋で代表銘柄は「菊乃井」。
創業は文化3年(1806年)で、200年以上の歴史があります。
今の7代目当主が蔵を引き継いだころは製造の80%は普通酒だったそうですが、
丁寧な酒造りを目指し純米酒を増やし、今は品評会で金賞も取るようになりました。
製造量は年間300石(一石、一升瓶100本)、だからこそできたことだと思います。
仕込み水は八甲田山の伏流水が湧き出る敷地内の井戸水を使用、
お米と米麹も青森産米を中心に使っています。
お店の奥に行くと登録記念物の「鳴海氏庭園」があり、その中に井戸があります。
さて、試飲だ。
3種類のお酒をいただきましたが、どれも丁寧に作られているのがわかる雑味のないやさしいお酒でした。
こういうお酒はついつい飲み過ぎてしまうので要注意だ。
私はその中から「特別純米酒 菊乃井」を買ってきました。
このお酒は冷やがいい、我が家の冷蔵庫で出番を待っています。
ところで黒石市には現在、2軒の酒蔵があります。
1軒はここの鳴海醸造店ですがもう1軒は中村亀吉酒造店、どちらも「こみせ通り」にあります。
黒石には酒蔵が幕末には大小100軒以上、明治中期にも11軒あったということです(黒石百年史、S37)。
豊富な八甲田山からの伏流水と近隣から収穫されるお米がこの地に醸造業を栄えさせたました。
その後は時代の変化に付いていけず、日本酒は衰退していきましたが今は盛り返しているところ。
今も残っている地方の酒蔵はそんな日本酒盛衰の波を乗り越えたところです。
小さな蔵が多いですが、そんな酒蔵巡りも旅の楽しみの一つです。