奥井みさき、旅の記録と徒然日記

仕事の合間に旅行、旅行の合間に仕事。
フリーライター・奥井みさきの旅日記と、日々思うこと。
札幌からです。

上興部駅の駅弁 … 後

2013-01-31 05:40:19 | 渚滑線・名寄本線



私が滝上の実家にいた頃、最も早く旭川や札幌に行く手段は急行「紋別」に乗ること。

北見滝ノ上駅を早朝5時半頃に出発、渚滑駅で急行「紋別」に乗り換え、
名寄経由で道央に向うと旭川には10時頃、札幌には12時頃に着きました。

急行「紋別」は名寄本線の最優等列車で車両はもちろん全て急行型。
その途中に停車する興部駅で駅弁を食べた記憶があります。

それは「お寿司」、巻き寿司といなり寿司だけのシンプルな内容だったと記憶しています。

そこで早速、昭和41年発行の「鉄道弘済会道内時刻表」を見てみました。

駅弁の案内の中に興部駅の案内があります。
その中に“やまべすし150円”とあるではないか。

そうか、これが上興部駅で売られていたあの「やまべ寿司」か。

ここで私の記憶がつながりました。
大正14年から上興部駅で売られていた駅弁が後に興部駅で売られており、
同じ発売元の駅弁を私も食べていた。

しかもそれが平成に入り京王百貨店で復活していた。

そこに目をつけた京王百貨店も凄いことよのぉ。

今は名寄本線も廃止になり駅弁の発売元も廃業しました。
「やまべ寿司」も西興部村で今どうなっているかもわからない。

しかしこうして記憶を継いでいる私のような人がいることを忘れてはいけませんね。

実は京王百貨店の「駅弁大会」では同じ名寄本線の渚滑駅の「帆立めし」も復刻しています。

同じ廃止路線から2度の復刻駅弁。
字数も尽きてきたのでその話はまた次に機会に。

終わり
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上興部駅の駅弁 … 中

2013-01-30 06:08:50 | 渚滑線・名寄本線
私が「やまべ寿司」を知ったきっかけは「京王百貨店駅弁チーム」(光文社新書)。

そこには『廃線駅弁の復刻』という企画があり、そこで上興部駅の「やまべ寿司」に目をつけたとあります。
そして紆余曲折があり平成9年の「駅弁大会」で「やまべ寿司」は復活、大好評だったという。

本の中には出店した西興部村・村田氏のこんなコメントもあります。

「2週間の間に私の人生で作った数よりも多いくらいのやまべを作りました。」

まさに名物催事の面目躍如ですね。

この本で私はかつて上興部駅で駅弁が売られていたことを知りました。

その後私はこの駅弁の事を忘れていました。
それを西興部村史の中で偶然見つけたのです。

そこには上興部駅で駅弁販売を止めた理由が書いてありました。

名寄本線では沿線の発展により昭和37年から、
遠軽から紋別、名寄を経由して札幌を結ぶ急行「紋別」の運行が始まりました。
その停車駅から上興部駅が外されたことがわかったからだというのです。

急行「紋別」は気動車なので機関車の付け替えが要らないため上興部には停車しません。
当時は名寄本線開通時とは違い、他の普通列車も気動車化されていたのでしょう。

となると上興部駅で長時間停車する必要もなく、駅弁を買う時間もありません。
そこに急行「紋別」が停車しないということもあり上興部駅での立ち売りをやめた。

時代の流れというものでしょう。

そこで当時の販売店はどうしたかというと…。

なんと同じ名寄本線の興部駅に移ったというのです。

これに私は驚きました。
興部駅の駅弁なら知っている、食べたこともある。
そうか、あの駅弁のルーツは上興部駅だったのか。

続く
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上興部駅の駅弁 … 前

2013-01-29 05:05:01 | 渚滑線・名寄本線
ある調べ物をしていたら偶然、西興部村の歴史に目が留まりました。

廃止になった名寄本線・上興部駅でかつて売られていた駅弁、「やまべ寿司」について。
これは上興部駅で大正14年(13年の説もあり)から昭和36年まで売られていた駅弁です。

まずは当時の名寄本線の状況を説明しましょう。

この駅弁が売られ始めた大正14年はまだ石北本線が全通していませんでした。
札幌から当時の北海道開拓の要衝・網走に行くには旭川から名寄に向い、
興部ー紋別ー遠軽ー北見(当時の駅名は野付牛)を経由して行くしかなかった。

なんという遠回りかと思いますが、当時はそういう時代でした。
(そのお陰で渚滑線の開通が早かった)

上川管内とオホーツク管内の一ノ橋ー上興部間には急峻な天北峠があり、
上興部駅には峠越えに備えた機関庫もありました。

上興部駅は交通の要衝で、機関車の付け替えをするために停車時間も長かったのです。

そこで売り出されたのが「やまべ寿司」で、列車の乗客には大好評だったようです。
札幌の物産展で入賞したこともあったとか。

昭和36年は私が生まれる1年前、当然私がこれを知る由もない。
ところがこれとは全然関係ないところで私は上興部駅で駅弁が売られていたことを知ります。

「京王百貨店駅弁大会」

今は全国のデパートやスーパーで定番企画になっている「駅弁大会」、
その元祖といえる京王百貨店の名物催事です。

今年は1月10日~22日まで行われました。
この催事だけで数億円の売り上げがあるという、とんでもない企画です。

ちなみに去年の販売個数1位は函館本線森駅の「いかめし」。
毎年不動の1位ですね。

「やまべ寿司」に戻ります。

続く
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ボーイングとエアバス

2013-01-28 05:09:04 | 交通
ボーイング787がピンチに陥っています。

空を飛ぶ航空機が火災を起こしちゃいかんだろう。
原因が究明されて再び飛び始めるのはいつだろうか?

それにしても日本の航空会社の機材はボーイング社が多い。
世界を見るとエアバス社とボーイング社が拮抗しているのに、
日本では大手のJALとANAはほとんどがボーイング社の機材です。

かつてはJAS(日本エアシステム)が多数のエアバス機を運行していましたが、
JALと一緒になってから全て退役してしまった。

私はエアバス機が好きだったのですが。

JASがまだTDA(東亜国内航空)だった頃、エアバスのA300を導入しました。
その当時、TDAは東京ー千歳線でも1日3往復くらいしか飛んでいなかった。

それでもJASのエアバスを選んで乗っていました。

今からは隔世の感がありますね。

幸いなことにLCCはエアバス機が多い。
私はリスク分散の意味からも日本でもエアバス機がもっと飛んだほうがいいと思っているのですがねぇ。
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JR北海道、春の臨時列車発表

2013-01-27 06:35:57 | 鉄道
JRグループは春の臨時列車(3月~6月)を発表しました。

北海道関係では「道南さくらエクスプレス」や各地の「ノロッコ号」など、
臨時列車を期間中890本(昨年は1,021本)運転します。

詳細はこちら → http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2013/130124-1.pdf

私が今年乗ってみたいのは「優駿浪漫号」。

これは札幌から様似まで往復する列車で、
札幌ー苫小牧間の途中停車駅は新札幌と南千歳だけという快速運転をします。

私はこの列車に2007年と2009年に乗ったことがある。
あの時は天気がよく、日高路をのんびり往復したのでした。

使用車両はリゾート車の「ニセコエクスプレス」、特急用車両で乗り心地もいい。
久しぶりにまた乗ってみたい。

ただ、車窓の単調な鉄路をただ行って帰ってくるだけなので結構だるい。
それなりの忍耐が必要な列車でもあります。

その他では各地の「ノロッコ号」。
私は去年、初めて「ノロッコ号」に乗りましたがなかなかよかった。

「増毛ノロッコ号」などは興味をそそられますが、乗る機会があるのかどうか。

こんな大雪の札幌で春の臨時列車のことを考えるのも不思議な感じですが、
そのうち春がやってくる思えばそれもまた楽しい。

さっ、雪融けを待つとしましょうか。
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滝上の駅逓所

2013-01-26 05:11:29 | 滝上町
駅逓所とは北海道の開拓時代に旅人のために便宜を図っていた施設です。
そこでは宿を提供し、馬を貸し出したりしていました。

有名なところでは旧島松駅逓所(クラーク博士がBoys,be ambitiousと言ったところ)や、
紋別市の旧上藻別駅逓所などがあり最盛期には全道で200ヶ所以上ありました。

しかし開拓が進むにつれ徐々に役割を終え昭和20年代に制度自体が廃止されています。

滝上町では私が把握しているだけでも6ヵ所の駅逓所があり、
そのうち5ヵ所に碑が建っています。

・上渚滑駅逓所
 雄鎮内、明治44年開設。大正年間に滝上市街地に移転。ここだけ碑があるかどうか未確認。

・サクルー駅逓所
 札久留、明治44年開設。大正年間に上藻興部(西興部村)に移転した。

・北滝上駅逓所
 三区20線、大正2年開設。現・滝西小学校も開設当時はこの付近にあって後現在地に移転した。

・滝上駅逓所
 元町。上渚滑駅逓所が移転して開設。

・奥滝上駅逓所
 滝奥、大正12年開設。

・オシラネップ駅逓所
 オシラネップ24線、昭和9年開設。初代取扱人は朝倉義衛と思われる。元町長で芝ざくらの造成を開始した中の一人。

各駅逓所の詳しいデータなどはそのうち町史などで調べたいと思っています。
またそのうち現地を巡って石碑を確認したい。

それにしても駅逓所の存在が遠くなった今、それを今でも石碑で確かめられるということは貴重です。
フォトラリーでもやってみたらどうだろう?

滝上町は駅逓所に限らず開拓の歴史跡が方々に残っている。
こんなところは炭鉱遺産以外では稀なことではなかろうか。
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711系電車、旧国鉄塗装

2013-01-25 04:36:09 | 鉄道



711系電車、旧塗装編成。

711系は車体を国鉄時代の色に塗りなおした編成があります。
S-110編成とS-114編成の2編成、6両。

これは去年の「北海道デスティネーションキャンペーン」に合わせて塗装しなおしたもの。

ただでも運用が少ない中、この編成に出会うことは滅多にない。

先日、琴似から札幌まで乗った列車がこれでした。

雪で前面がよく見えないのが残念。

この電車も2014年度末で運転終了との報道がありました。

道内初の電化以来走り続けてきた711系電車。
見るのも乗るのもあと少しで終わりです。

名残惜しいですが、仕方ないですね。
暖かくなったら乗りに行こう。
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エゾシカ、出没

2013-01-24 05:22:57 | 滝上町



今更、エゾシカくらい珍しくもなんともありません。

ですがこの鹿を発見した場所がすごい。

旧国鉄・渚滑線北見滝ノ上駅前。

近くには図書館や信金、札幌行き高速バス乗り場があるという、滝上町の中心部。
こんな街中までエゾシカがのそのそとやってくる。

観光協会の方も

「今年は多いよ」

とのことでした。
でも、こんなところには滅多に出没はしないでしょう?

今年はこの大雪で山にエサが少ないのでしょうね。
だから里までやってくる。

知床などでも大雪によるエサ不足でかなり淘汰されるだろうという話もあります。
仕方がない、それが自然の摂理というものだ。

近づいても逃げるでもなく悠々と歩いていたこのエゾシカ。
捕まえて食ってやればよかったかな。

ところでこの日の夜、飲みに出かけました。

諸事情により20時でお開き、その時の気温は-26℃ほど。
外を歩いているときに鼻毛が凍った。

久しぶりだよ、この感覚。
子供の頃ここに住んでいたときにはこんなことは頻繁にあった。

その感覚を久しぶりに味わうことができたことは素直に嬉しかったなぁ。
寒さを体験するという、陸別のツアーに人が集まるのもわかる気がしました。

皆さんも厳冬を体験しに道北や道東に行ってみなはれ。
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寒さの記録

2013-01-23 05:05:00 | 滝上町
今年は寒いですね。

歌登では4日間連続して最低気温が-30℃を超えました。
これは28年ぶりの出来事だそうです。

ところで気象庁の記録で今まで一番低い気温を観測したのは旭川。
1902年1月25日ということで100年以上前、気温は-41℃。
(非公式記録ではもっと低い気温を観測している地点があります)

この時は青森県で八甲田山雪中行軍遭難事件がありました。

その他歴代の記録を見て行くと上位20地点までのうち19地点の記録が北海道。

北海道より寒いところがあるのかというと、それは富士山で第4位でした。
そうね、富士山は寒かろうね。

あとは帯広やら幌加内やら江丹別やらという御馴染みの名前がある中、
堂々18位にランキングされているのが滝上。

1978年2月17日、-35.2℃。

私が中学校を卒業した年だ。

あの頃は毎年-30℃を越えていたので、
こんな記録があったなどいちいち覚えていない。

ちなみにこの日は幌加内町母子里で-41.2(非公式)を記録しています。
これが現在の日本での最低気温とされています。
(他ではもっと低いと伝えられる記録もある)

記録を作った日というのは、どこかで何かあるもんだ。

今年は寒いとはいいながら、このような記録を見ているとまだ甘く感じます。
今年はどうせ寒いのだったらどこかで記録を作っちゃえば…。

もちろん私のいないところで、という注釈つきですが。
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滝上からの帰り

2013-01-22 05:14:07 | 北海道の旅日記(道東)



滝上からの帰りも「流氷もんべつ号」に乗車しました。
滝上9:17発の直行便、札幌到着は13:10、担当は北紋バス。

経由便と違い旭川市内に寄らないので早い、
高速道路上も立ち寄るのが(高速)野幌だけなのでこれもストレスにならない。
乗ってしまえばあとは一気に札幌だ。

この日、滝上の気温は朝8時の段階で-23.6℃。
バスの窓は内側から凍っています。
ガリガリと氷を引っかいて外の景色を見る。





浮島峠を越えて順調に走っているときに車内アナウンスがありました。

「雪の影響で高速道路の岩見沢ー札幌が通行止めなので旭川で運転打ち切り」

あら…。

11:10頃旭川到着、旭川駅前の道北バス案内所で運賃の払戻を受ける。
1,630円が手元に戻ってきた。

案内所と同じビルにある金券ショップで札幌までのSきっぷを買う。
2,550円を払う。

予定外の事が起こると何かと物入りになるです。
いなきび餅を買いたかったけど、札幌に帰るとすぐ仕事だったのでやめた。

12:00発のスーパーカムイ22号に乗って札幌へ、
定刻より12分遅れて13:32に札幌駅到着。

そうか、こういう時は旭川で打ち切るのか。
今年は雪と寒さのお陰でいろいろな経験ができます。

それにしても久々に、ちゃんと料金を払って特急に乗りました。
最近は料金無料の特例区間ばかりだったからなぁ。

無事に帰ってこれただけでもよしとしよう。
皆さんも雪などにはお気をつけ下さい。
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