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奥井みさき、旅の記録と徒然日記

仕事の合間に旅行、旅行の合間に仕事。
フリーライター・奥井みさきの旅日記と、日々思うこと。
札幌からです。

上藻別駅逓所

2025-05-19 05:25:29 | 北海道の博物館

東洋一の金山と言われた“鴻之舞鉱山(金山)”、紋別から鴻之舞に至る途中にあるのがこの駅逓です。

開設は1926年、官設駅逓所として平屋建てで建てられました。
1934年に2階建て部分を増築、1940年に駅逓業務を廃止し旅館となりました。

旅館としては1949年まで、その後は住宅として使われていましたが、
今は上藻別駅逓保存会により修復され今は内部は鴻之舞鉱山の資料などを展示しています。

さて道道に面した駅逓の写真を見ると右が平屋建て、左が2階建ての建物となっています。
平屋建て部分が最初に建てられたもの、2階建て部分はのちに増築されてものとわかります。

中は中央に廊下があり、その両側に客室や台所、トイレなどが配置されています。
この辺りは北見市留辺蘂にある「武華駅逓」と似ています。

当時の駅逓の標準的なつくりで、それが今に残っている貴重な建物です。
それが評価され、2008年に国の登録有形文化財になっています。

駅逓の建物が紋別地方に現存している唯一の存在というのも貴重ですね。
建物の中の展示は鴻之舞鉱山のものが中心でこれは“鴻之舞金山資料館”だ。

繫栄した鴻之舞の郷愁はあるのでしょうが、この建物の価値はそれだけではなかろう。
この駅逓が地域に残した貢献をもう少し、掘り下げてもらえないものか。

 


*上藻別駅逓所

住   所:紋別市上藻別297-1
開館時間:9:30~15:30
入 館 料:無料(施設維持のためお気持ちを…)
公開期間:4月末~11月末、月曜日休館

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上士幌町鉄道資料館

2025-05-11 05:57:45 | 北海道の博物館

廃止になった士幌線(帯広ー十勝三股間)の資料館です。

同線は1925年に帯広ー士幌間が開業、1926年に上士幌まで、1935年に清水谷、
1937年に糠平と延伸し1939年に十勝三股まで全通しました。

過疎化が進み1978年に糠平ー十勝三股間がバス転換され、1987年に全線廃止となっています。

館内は士幌線にまつわるきっぷ、時刻表、看板などが展示されています。
この辺りは廃止になった鉄道記念館の定番ですね。

特筆すべきは帯広ー糠平間を走る前面展望映像を見ることができること。
それも1駅間ずつとなっているので、気になる区間だけを見ることも可能です。

帯広を出発した列車は軽快に走っていますが、糠平が近づくとかなり鈍足になる。
厳しい登り勾配の末、糠平に到着していたとわかります。

尚、同館は糠平駅跡に建てられており、駐車場の奥には線路と車掌車などが保存されています。

 


*上士幌町鉄道資料館

住   所:河東郡上士幌町ぬかびら源泉郷
開館時間:9:00~16:00
入 館 料:100円
休 館 日:月曜日、11月1日~3月31日

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ひがし大雪自然館

2025-05-10 05:38:12 | 北海道の博物館

ひがし大雪自然館はぬかびら源泉郷の十勝バス案内所の向かいにあります。

こちらの役割は主に3つ、ひとつは国立公園内によくある「ビジターセンター」。
大雪山国立公園の東大雪エリアの自然や歴史の魅力を展示・解説しています。

映像やパネルもわかりやすく、他の「ビジターセンター」に比べ充実しているように感じました。
私は『丸山噴泉塔群』に非常に興味を持ちました。

大自然はまだわからないことがたくさんあるな。

2つ目は「ひがし大雪博物資料館」という、このエリアの自然博物館であること。
魚類や水生昆虫の生態展示をはじめ、昆虫の標本がこれでもかと並んでいます。

これは苦手な人もいるだろうな。

もちろん昆虫だけではなく他の生き物やこのエリアの地層、地形などの解説もあり、
東大雪エリアの自然とは何かを知ることができます。

それから3つ目、「上士幌町役場糠平連絡事務所」。
観光案内所も兼ね、様々なお土産物などを売る物販コーナーもあります。

という複雑な施設なので、私も中に入った時にはかなり戸惑った。
役割がわかってしまえば理解は早い、ここはぬかびら源泉郷に来たならぜひ立ち寄るべき。

 


*ひがし大雪自然館

住   所:河東郡上士幌町ぬかびら源泉郷48-2
開館時間:9:00~17:00(7・8月は6:00~)
入 館 料:無料
休 館 日:水曜日(祝日の場合はその翌日)、12月30日~1月5日

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武華駅逓(北見市留辺蘂町)

2024-11-06 05:52:44 | 北海道の博物館

温根湯温泉から石北峠方面へ7㎞ほど行った滝の湯地区の国道沿いにあります。
沿革は以下の通りになります。


1920年  官設駅逓として開設、取扱人・佐野準一郎
1931年  2階部分とその1階を増築
1936年  駅逓廃止、佐野準一郎氏に無償譲渡され住宅として使用される
1970年  旧留辺蘂町に寄贈され、その後開拓資料館として使用される
2021年  2020年から改修工事を行いこの年に武華駅逓としてリニューアルオープン


よく手入れされた綺麗な建物、館内には様々な資料が展示されています。
その中に駅逓開設当時の網走支庁(当時)の「命令書」の写しがあり、それが当時の雰囲気をよく伝えています。

このような「命令書」は私も初めて見ました。

駅逓には「駅逓所建築標準図」というモデル設計があり、ここはその標準図に近い造りになっています。
中に入ると廊下がありその両側に客室が並ぶという造り、これは普通の旅館だ。

1915年には温根湯郵便局が開設されていますが、ここでの逓送業務は行われていたのだろうか。

ところで取扱人の佐野準一郎氏ですが、館内の資料を見ると開設許可時の住所は浦河町大字向別村となっています。
浦河の方が遠く離れた留辺蘂で駅逓を開設するとはどういう経緯があったのであろうか。

そういうところを掘り下げて解説すると、面白いだろうに。

 

*武華駅逓

住   所:北見市留辺蘂町滝の湯126-3
開館時間:9:00~17:00
入 館 料:無料
休 館 日:4月~11月の月曜日と火曜日、12月~3月

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郷土資料館 ここから(当麻町)

2024-09-27 05:08:49 | 北海道の博物館

ここの建物は1926年、先々代の役場庁舎として建てられました。

当時としては珍しい鉄筋コンクリート造りだったので1973年に先代庁舎ができた後も保存され、
1982年に郷土資料館としてオープン、2021年にリニューアルしています。

ちなみに現役場は2018年に落成しています。

1階は勉強や仕事でも使えるカフェ併設のコミュニティスペースになっており、
2階が郷土資料館になっています。

資料館のメインの展示物はは移築した本物の屯田兵屋で、
他に当時の生活用具などが展示されています。

展示品としては量も質も少ないですし系統立てて解説するということもありません。
何を意図してどういう展示をしようとしているのがわかりません。

ですがそれでもいい、町の子供たちが昔はこんな道具を使っていたと思ってくれればいいのです。
として屯田兵屋を見てここから町が始まったと知ってくれればよかろう。

一番の見どころは手作り感満載の町の年表です。
これだけあれば十分です。

そしてコミュニティスペース、休憩の穴場かもしれません。
 

*郷土資料館 ここから

住   所:上川郡当麻町4条南3丁目1-41
開館時間:10:00~19:00(4月~10月)
入 館 料:無料
休 館 日:火曜日、年末年始

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ぐるり亀田半島、一周の旅 … 函館市青函連絡船記念館 摩周丸

2024-06-04 05:20:55 | 北海道の博物館

かつて函館と青森を結んでいた青函連絡船。
今は青森に八甲田丸が、函館には摩周丸が保存されそれぞれ内部が公開されています。

私は2009年12月にここを訪問しています。
    → https://blog.goo.ne.jp/okui-m/e/638c14c56126494f10671f2e7ed91a86

読み返すと、厳しいことを書いていますなぁ。
今回再度訪問した感想も前回と同じ、船体本体は当時のままですが内部は賑やかだったころの面影はありません。

なので今回訪問した際の感想などは書きません。
前回のブログをご覧ください。

青森の桟橋から連絡船に乗るとレセプションと売店があり、レセプションでは乗客の対応で混みあっていた。

夜行便の売店ではレストランの営業の代わりに弁当やつまみを販売、
私は焼き鳥とお酒を買い、シャワーを浴びた後軽く一献し就寝がお決まりでした。

自販機ではよつば牛乳が売っており、それを飲むと北海道に帰ってきたと思ったものです。

そんな生き生きとした連絡船の様子は青森側の八甲田丸でご覧ください。

 

*函館市青函連絡船記念館 摩周丸

住   所:函館市若松町12
開館時間:8:30~18:00(4月~10月)、9:00~17:00(11月~3月)
入 館 料:大人500円、小中高生250円
休 館 日:12月31日~1月3日ということになっていますが、今までは毎年臨時開館しています

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ぐるり亀田半島、一周の旅 … 函館市縄文文化交流センター

2024-06-03 05:41:45 | 北海道の博物館

『かっくう』が見たい!

函館市の旧南茅部町の著保内野遺跡で発見された中空土偶(中が空洞の土偶)で、
南茅部の「茅」と中空土偶の「空」から『茅空(かっくう)』と呼ばれています。

展示されているのは道の駅「縄文ロマン南かやべ」に隣接するこの施設。

道の駅とこの施設の海側には世界文化遺産に登録された垣ノ島遺跡が広がっています。
小高い平地を下ると太平洋、反対側は山間部、海と山の幸に恵まれた豊かな土地だとわかります。

ここは縄文早期前半(紀元前7000年頃)から後期後半(紀元前1000年頃)まで、
6000千年間の長期にわたる集落だっただったということがわかっています。

さて館内の展示だ。

縄文時代の暮らし、文化、精神世界などが展示とともに解説されています。
そしてこの施設の本命、北海道に2つしかない国宝に指定されている『かっくう』です。

『かっくう』だけが展示された静かなスペースにそれはありました。
表も裏も、ぐるりとその姿を見ることができます。

レプリカではなく本物、らしい。
国宝だけあって、そのフォルムは美しく、当時の精神性と高い技術が窺われます。

『かっくう』が見たい!
縄文時代にこんなものが作られた、それを見るだけの価値はあります。


*函館市縄文文化交流センター

住   所:函館市臼尻町551-1
開館時間:9:00~17:00(4月~10月)、9:00~16:30(11月~3月)
入 館 料:一般300円、学生・生徒・児童150円
休 館 日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、毎月最終金曜日、特別整理期間、12月29日~1月3日

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稚内から名寄まで、国道40号線南下旅 … 美深町文化会館COM100郷土資料室

2024-05-29 05:15:42 | 北海道の博物館

美深市街地の西、天塩川に近い辺りに役場などが集まる一角があります。
その“官庁街”の一番西側に「美深町文化会館COM100」があります。

ここには大・小のホール、図書室、視聴覚室などがありその中に“郷土資料室”があります。
町の教育委員会もここにあり、町の文化の発信基地になっています。

展示で気になったことを二つ書きます。

ひとつは松浦武四郎のこと。
天塩川流域の各自治体にとって松浦武四郎は特別な存在です。

25日のブログにも書きましたが流域を探検した様子が「天塩日記」に記されているので。
その探検の様子が解説されています。
道の駅の敷地内に「松浦武四郎踏査之地」の碑もあります。

もうひとつ、昔の市街地図から。

それを見るとまずは澱粉工場が多いこと、それと「糸屋銀行」の名があったこと。
澱粉工場が多いということは当時の農業の様子がよく表れています。

もうひとつは、「糸屋銀行」という私にとっては初めて見る銀行の名に接したこと。
で、調べてみるとこれまた波乱に満ちた経歴の末、旧拓銀に吸収されています。
詳細を述べることは控えますが。

こういう発見があるのが、郷土館(博物館)を巡る醍醐味です。


*美深町文化会館COM100郷土資料室

住   所:中川郡美深町西町22
開館時間:10:00~17:00
入 館 料:無料
休 館 日:年末年始

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稚内から名寄まで、国道40号線南下旅 … エコミュージアムおさしまセンター(BIKKYアトリエ3モア)

2024-05-26 05:05:15 | 北海道の博物館

彫刻家の故・砂澤ビッキは1931年生まれ、22歳の時に彫刻を始め北海道と東京を中心に創作活動をしていました。
1978年、音威子府村筬島(おさしま)に移住し廃校になった小学校跡にアトリエを構えました。

1989年にお亡くなりになっているので、ここでの活動は11年ほどになります。
そのアトリエをリニューアルしたのがここ、通称・砂澤ビッキ記念館です。

中に入ると7つのエリアに分かれており、それぞれビッキの作品と解説などがあります。

アートに関しては私の専門外なので何も述べません。
ただ、私は砂澤ビッキの存命中から作品のファンだったということだけは申し上げておきます。

最後のエリアはカフェにもなっていて、オリジナルグッズも販売しています。
ショップにはおといねっぷ美術工芸高校の卒業生の作品もあります。

おと高卒業生の作品ということは、若手のプロの作品を売っているということですね。

こういう繋がりは、小さな村にとって大事ですね。
高校の卒業生にはこれからも活躍して欲しいな。


*エコミュージアムおさしまセンター(BIKKYアトリエ3モア、通称・砂澤ビッキ記念館)

住   所:中川郡音威子府村字物満内55(筬島)
開館時間:9:30~16:30
入 館 料:300円(中学生以下、音威子府村民は無料)
休 館 日:4月26日~10月31日の月曜日(祝日のときは翌日)、冬季休業

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稚内・市内散歩 … 稚内市樺太記念館

2024-05-18 05:29:54 | 北海道の博物館

樺太(サハリン)は第2次世界大戦前は南半分が日本の領土でした。
稚内からは大泊(コルサコフ)と本斗(ネベリスク)まで連絡船が出ていました。

鉄道が北防波堤ドームまで乗り入れ、連絡船に乗り換えていたのです。

昨日ブログに書いた北方記念館もそうですが、稚内を歩いていると樺太関係のお話が多い。
今でも経済的な結びつきが強いので樺太(ロシア)が身近だということもあるのでしょう。

2019年まではコルサコフまでの定期航路がありましたし、ホテルサハリンなどというお宿もあります。
その樺太の資料をまとめて展示しているのがここになります。

こういう網羅的な展示をしている施設があるのは有り難い。

樺太への連絡船のこと、樺太の産業、各地の町の様子、ロシアとの国境、
また大戦時に殉職した電話交換手(九人の乙女)の展示もあります。

個人的には樺太にあった町の説明が興味深かった。
当たり前のことですが、それぞれの町に特徴があり人が暮らし、産業があった。

樺太に住んでいた人々の息吹が感じられる施設です。
入館料無料というのもいいですね。


*稚内市樺太記念館

住   所:稚内市港1丁目6-28(稚内副港市場2階)
開館時間:10:00~17:00
入 館 料:無料
休 館 日:11月~3月の月曜日(祝日のときは翌日)、12月31日~1月5日、4月~10月は無休

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