参院での首相問責決議に対して衆院での内閣信任は、イタチごっこの感
を否めない。法の効用を盾に対抗・反撃するのは大人げない。今日の衆院で
福田首相の<内閣信任案>を可決するという。先の参院での首相の問責決議
に対抗してのものである。又、15日の会期末から1週間会期を延長して21日
までに日本とASEANのEPA(経済連携協定)も自然成立させる段取りらしい。
内政の問題と同時に外交でも配慮したスタンスだ。洞爺湖サミットに的を絞っ
た狙いでもある。俯瞰すると政策より政局に比重が移った感がする。・・・参院
での首相の問責決議は、党首討論を反故にしてのものだけに国民から信任が
得られるかどうか、疑問とせざるを得ないが<政治的意義>は大きい。直近の
民意だからだ(参院では・・・)。問責決議の筆頭の理由は“後期高齢者医療制
度の是非”を問う事にあったが欠陥が続々と噴出し失政の感は免れなかった。
連動してガソリンの“再値上げの再可決”、“年金問題の未解決”等々が理由で
ある。国民の眼から見ては どれも蔑(ないがしろ)に出来ない切実な生活に直
結する問題ばかりである。だから分かりやすく徹底した論議をして欲しかった。
どれも納得のいく論争になっていない。不発の感がする。でも問題点はある程
度、抽出された。その裏付けとなる予算や対案は未だなに不鮮明ではある
が・・・。それは政治の責任である。ガソリンの高騰に歯止めが掛からず連動し
て諸物価は軒並み上がる。生活の破綻をきたしている。穏やかな国民性からし
ては有り得ない事だが暴動にも成りかねない現状だ。総じて言える事は成立さ
せようとする政策が庶民の、国民の、生活実感から程遠く遊離している事だ。
国民・庶民の段階まで下りて、そこからの目線で政治を遣ってもらいたい。・・・
結論として言える事は、―論争に明け暮れるより―懸案に向けて与野党が政
策論議を通して喫緊に解決してもらいたい事である。即ち、地方分権、年金の
抜本的改革、税制改革、医療費の効率的運用、道路特定財源の一般財源化
等々・・・。それ等を、民意を反映した総意で実現してもらいたい事である。中途
半端で自信のない不鮮明な遣り方になるのも国民の洗礼を受けていない内閣
だからだ。直近の民意を反映した政治を喫緊に実施すべきだ。国民の切実な
願いである。・・・