与野党は来る衆院解散・総選挙の前哨戦と位置付け国政選挙並みの運
動を展開した。各党の大物議員が続々と来県し我が党の主張を訴えた。さな
がら全国並みの選挙の様相を呈した。一地方県の選挙に、かくも力を入れると
は、従来では考えられない出来事である。それだけ―<来る衆院選挙の過半
数獲得に>―躍起になっている証拠である。政権交代が射程内に入ったから
だ。沖縄の今回の県議選は米軍再編による“普天間飛行場の辺野古沖移設
(野党が主張する県外への移設)”と<後期高齢者制度>に対する県民の意
思が争点となった。一方、「現仲井真県政」への審判ともなった。結果は与党が
過半数割れした。25議席に届かなかった。野党が12年振りに躍進し過半数
を獲得した。特筆されるべきは民主党が1議席から3議席増やし4議席になり
全員当選。共産党も3議席増やし5議席になった。地域政党の社大党が善戦
及ばず後退した。その他の政党は現状維持に留まった。・・・何れにせよ<後
期高齢者制度>への不満と<現政権>への批判が明らかになった。特に“後
期高齢者制度”による全国一の負担増が決定打となり高齢者の反撃となった。
県内事情としては「建設業界」の締め付けとも執れる<法改正>が加速し反発
を買った。内外のシワ寄せが一気に噴出した。与野党の勢力が入れ替わった
のも12振りである。沖縄の革新が勝利した保革逆転の時、以来だ。今回の県
議選が本部(本土)の各政党にどう影響を及ぼすか今後の成り行きが注目され
る。現与党の仲井真県政の舵取りも難しくなった。沖縄は日本の縮図である、
と言われてから久しい。その実情を今回は見事に具現して見せた。いよいよ政
界の地図も塗り替わる時期が到来したとの予感がする。・・・
■付記:・・・
○37市町村一斉投開票 定数48 立候補14選挙区で74 無投票当選3
12選挙区で45議席をめぐり71が攻防
○従来の勢力:与党27 野党20 欠員1