日豪の協力連携は安全保障と経済の両面に跨(またが)る事
になった。来日中のオーストラリアのハワード首相と安倍首相は
「安全保障協力に関する日豪共同宣言」に署名した。米国以外と
安全保障の包括的協力関係を締結するのはオーストラリアが初め
てである。東アジアの安全と平和に対する不安定な国際情勢の変
化がその背景にある。北朝鮮の核武装、中国の軍事大国・拡大
化、イラク情勢の混迷、イランの核問題、アフガン情勢の悪化等で
ある。かつてオーストラリアとは1,957年に<通商協定>を結んで
いる。今回の安全保障の構築で安全と経済の両面で協力関係を築
いた事になる。日本と豪州は民主主義と人権、自由等を共有する
市場経済の国である。法の支配に基づく価値観を共有する国であ
る。日本は米国との同盟関係の強固な絆をテコに豪州さらにはイン
ドをも視野に入れた<日米豪イ>の安全保障と経済の構築を未来
像として描いている。過去にオーストラリアと日本はイラクのサマワ
での人道復興支援での陸上自衛隊の派遣に際し両国はイラクでの
安全確保に協力した。又、北朝鮮のPSI(大量破壊兵器拡散阻止
構想)でも主要構成国である。スマトラ沖地震・津波にも豪州の軍
隊と日本の自衛隊が連携協力し成果を挙げた。今回の共同宣言
は国際平和と大量破壊兵器拡散阻止、テロ対策、航空・海上の安
全と多義に渡って協力をうたっている。今後は具体的行動計画を策
定するという。外相、防衛相の<2+2>の創設も明記された。日豪
は同盟国としては未だ締結していない。日豪の戦略的関係を構築
すると共に日豪経済連携協定も推進されるものと思う。その際、国
是として譲ってはならない日本農業については叡智を結集して死
守すべきである。安全保障では太平洋を挟んでの三角形の布石で
台頭する中国をけん制する役目を果たすものと思うが、事、経済面
での、特に「日本の農業」は自由化の波に煽られ、さらわれて、壊
滅の危機にあう事、必定である。・・・「美しい国」は国土の緑豊か
な自然の中に築かれる。緑の稲穂が頭を垂れてそよ風になびいて
いる。そういう光景が日本の国土の在るべき姿である。国土の保全
は老木・樹木、豊かな森林と農作物がたわわに実る豊かな田園風
景に日本の固有の価値、原風景がある。――「国を愛する」とは所
詮、日本の歴史、文化、伝統、風習、そして<自然>に根ざした心
底から発生するものである。法で縛る、規定するものではない。そ
れは正に個々人の<心の問題>であり「心の分野」に属するもの
である。――国土の維持・保全は「農業」あってこそ可能である。日
豪の安全保障の共同宣言の対極には経済連携協定での「農業の
自由化」の名目で農業大国オーストラリアの安価な農産物が怒涛
の様な勢いで流れ込んでくる。その時、日本は、どうするか!?
日本農業の壊滅が予感される。・・・
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