フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

11月23日(土) 雨

2019-11-26 18:10:16 | Weblog

9時、起床。

トースト、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

10時過ぎに家を出る。昨日からの冷たい雨で近所の専門学校のキャンパスの桜の落葉が一挙に増えた。 

地下鉄神保町の改札で卒業生のメグミさん(論系ゼミ9期生)と待ち合わせ「さぼうる2」へ行く。今日は彼女の案内で神保町界隈のカフェ巡りをする。神保町カフェ巡りは3月にサワチさん(論系ゼミ7期生)の案内でしている(そのときののブログは→こちら)。二人ともカフェ好きで人神保町はお気に入りのエリアなのだが、そのときのスタートは「さぼうる」だった。「さぼうる」と「さぼうる2」は隣接しているのだが、タイプの違うカフェで、「さぼうる」はドリンク中心、「さぼうる2」はフード中心だ。同じカフェ好き、神保町好きといっても、二人はタイプが違うのだ。 

 私はホットドックとコーヒーを注文。ランチとしては軽めであるのは、これからのカフェめぐり(ドリンクだけということにはなるまい)のことを考えてのことでる。

一方、メグミさんはナポリタンとクリームソーダを注文した。ナポリタンの山が豪快である。彼女とは6月に早稲田で会ったとき「たかはし」でランチをしたのだが、そのときも牡蠣フライ定食をごはん大盛りで注文した(そのときのブログは→こちら)。私はそとのき「たかはし」のご飯を大盛りで注文する女性を初めて見たのだった。 

そんな大食いの彼女だが、案外引っ込み思案のところがあって、店員の女性の一人を見て「あの方、ここに来る地下鉄の中で一緒だった気がします。お洒落な方だなあと印象に残っているんです」と言ったので、私が「本人に聞いてみたら?」と言ったら、「いやいや・・・できませんよ」と言うので、私がその方が注文を取りにきたときに、その話をしたら、「あら、嬉しい」と喜んでおられた。ほらね、お店の方に話しかけるというのは、道で他人に話しかけるのとは違います。ここは社交的な会話が成立しやすい場所なんですよ。

われわれが店を出るとき、外には傘を差した人の長い列ができていた。 

2軒目のカフェに行く前に、腹ごなしに古本屋街を歩く。ここは私が案内役を務める。誠心堂(神保町で一番格式の高い古書店)の前で。 

シャッターの降りている店が多いのは今日が祝日(勤労感謝の日)だからである。週末は普段より客が多いはずだが、祝日休みを優先しているのだ。

「三省堂」の隣にある「三茶書房」。 

ここでは買いたい本があった。関口良雄『昔日の客』は夏葉社から復刊されているが、元は三茶書房から出版されたのである。実は、三茶書房から出版された関口良雄の本はもう一冊ある。それが彼の句集『銀杏子句集』(1981年)である。カフェ「昔日の客」(良雄の息子さんの直人氏が今年の9月に開店した)に伺った時にその句集の存在を知ったが、「三茶書房」にいけばまだ在庫があるはずと教えられた。はたして『銀杏子句集』は平積みにされていた。出版当時の価格(1800円)で購入。

 さて、お目当ての本が買えたので、2軒目のカフェに行くことにする。

「伯剌西爾」。読める人はどのくらいいるかしら。

「ぶらじる」である。彼女は学生時代はコーヒー研究会というサークルに入っていたほどのコーヒー好きで、ここは大のお気に入りの店とのこと。地下にあるが、「私は地下にあるカフェが好きなんです」とのこと。日常から遮断というか、隔離されたカフェが好きということかしら。 

メニューの文字(フォント)がいいですね。 

私は神田フレンドとレアチーズケーキ、彼女は仏蘭西ブレンドとベイクドチーズケーキを注文した。 

仏蘭西ブレンドは深煎りで苦味の強いコーヒーである。さすがにコーヒー研究会だ。 

彼女の自撮りでツーショット。

この後、「三省堂」本店にしばらく滞在。ゼミで取り上げた岡崎京子関連の本を中心に6冊ほど購入した。

 岡崎京子『TAKE IT EASY』(幻冬舎)

 岡崎京子『ヘルタースケルター』(祥伝社)

 『岡崎京子 戦場のガールズ・ライフ』(平凡社)

 椹木野衣『新版 平凡な戦場でぼくらが生き延びること 岡崎京子論』(イースト・プレス)

 バーナード・マラマッド『レンブラントの帽子』(夏葉社)

 沢木耕太郎『バーボン・ストリート』(新潮文庫)

『レンブラントの帽子』とは『昔日の客』を復刊した夏葉社の最初の出版物。

『バーボン・ストリート』は単行本で所有しているはずだが、先日探して見つからなかったので文庫本を購入した。ここには「山王書房」のことが書かているエッセー「僕も散歩と古本が好き」が収められている。沢木耕太郎の生家は「山王書房」の近所で、学生時代、しばしばここで本を購入していたのだ。

3軒目のカフェは「古瀬戸珈琲店」。ここはサワチさんと来たことがある。 

 二階にあるカフェである。階段の途中にあるオブジェ。「きもかわいい」(私の感覚です)オブジェが店内にもある。

たとえばこんなオブジェとか。

私はホットサンドとミルクティーを注文(私はスイーツ好きと思われているが、カフェめぐりをするときはスイーツの連続というのはそんなにしない)。

 テーブルの上に「三省堂」で購入したばかりの本を並べる。

本屋とカフェは相性が抜群である。買ったばかりの本を、一人であれば、ここで読み耽るところだ。

 

 彼女はシュークリームと古瀬戸ブレンド(やはり苦味の強いタイプだ)。シュークリームはこのお皿目当てで注文する客が多い気がする。私もサワチさんと来た時はこれを注文したが、動物にはリスや象もいる。お皿の上に置かれているのではなくて、お皿と一体化しているのだ(特注品だそうです)。 

 ちなみに彼女が一番好きなコーヒー豆はマンデリンとのこと。

 彼女がシュークリームを食べ終わったお皿に、私のミルクティーのミルクを垂らしてみた。

時刻は5時半になろうとしていた。雨の日ということもあって、外はもうすっかり暗い。今日のカフェめぐりはここまでとしましょう。次回のカフェ巡りは私が案内することになるであろうが、はたしてコーヒー通の彼女を満足させることができるかしら(私はカフェ好きであるが、コーヒー好きというわけではなく、カフェという空間が好きなのである)。

彼女とは神保町の駅で別れた。よいお年を。

6時半、帰宅。

夕食はポトフ。 

 2時半、就寝。