フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

11月16日(土) 晴れ

2019-11-19 08:47:21 | Weblog

9時、起床。

サラダ、牛乳、紅茶の朝食。パンを食べなかったのは、昼食を「パン日和あをや」で食べることになっているから。そして朝食と昼食の間が短いから(後者の理由の方が大きい)。

12時に鹿島田駅で卒業生のユミさん(論系ゼミ1期生)と待ち合わせ「パン日和あをや」へ。矢向駅と鹿島田駅のちょうど中間に位置するということになっているが、経験的には矢向駅からの方が少し近いような気がする。けれども鹿島田駅には急行が停まるので、待ち合わせには便利である。 

私が彼女と前回会ったのは7月で、そのときと印象が違うのは(久しぶりに)前髪を切られたからである。彼女はいま東京オリンピックの事務局で働いていて、一年前にあたるこの夏は忙しかったようだが、いまはそのピークは越えたそうである。

さて、何を注文をしましょうか。 

最初に冷たい飲み物を注文することが多かったが、もうそういう季節ではない。ほうじ茶ミルクティーを注文。 

オリンピックの事務局の仕事は、当然のことながら、オリンピックが終わるとともに終わる。その後のことはまだ決まっていないが、今度は長期にわたって働ける安定した職場がいいと考えている。彼女は学生時代から専業主婦志向の強い方だったが、最近、結婚しても働き続けたいと思うようになったそうである。そういうモデルを身近に何人も見てきたそうだろう。 

おじいちゃんの蜂蜜トースト。これは外せない。

本日のスープはマイタケのポタージュ。 

ミルクティーとスープが同時に食卓に並んでいるというのは、構成としては間違ったかもしれない(ミルクティーは〆の方がよかった)。本日の小さな反省。

サーモン、アボカド、クリームチーズを食パンではなく、ベーグルに挟んでもらう。

オムレツとトマトとレタスを食パンに挟んでもらう。 他に丸パン、コッペパンで挟むという選択もある。パンカフェであるから、いろいろな種類のパンを楽しみたい。

論系ゼミ1期生は2011年3月の卒業であるから(震災の影響で卒業式は中止だった)、彼女との季節のカフェも9年目である。これはちょっとした時間であろう。 

店を出るとき、ご主人に写真を撮っていただいた。ちなみに「パン日和あをや」が開業したのが2012年2月で、今年で8年目であるから、われわれの方が1年長いことになる(笑)。

ところが、そういう長い付き合いのユミさんだが、意外にもスーパーグランドスラマーではないのだ。たしか「あるす」(そこが閉店してからは「ノチハレ珈琲店」)にはまだ行ったことがないのだ。いつだったか、「ノチハレ珈琲店」に行こうとして、定休日であったか、満席だったかで入れず、同じ矢向にある「ロッティーズ」というフルーツ系のケーキの美味しいケーキ屋さんでイートインしたことがある。それ以来、「ノチハレ珈琲店」にはアプローチしていないのだ。 

ちょうどいいから、これから「ノチハレ珈琲店」に行きましょう。

ところが、「ノチハレ珈琲店」に行ってみると満席で、その上、二組待っているという。カフェに待って入るというのは好みではない。待つことも好きではないが、客として中にいるときに外で待っている人がいるという状況も好きではない(それでは寛げない)。 SGSを急いではいないので、他のカフェに行きましょう。

「パン日和あをや」と同じ塚越通商店街には「くもい」というカフェがあり、何回か行ったことがある。母と娘さんが二人でやっている地元密着型のカフェである。「くもい」というは店主さんの名前ではなく、「雲のありどころ」という意味の古語である。

よかった。こちらは入れた。

白を基調とした明るい店内。 

われわれが座ったテーブルの上の照明の笠には雲の模様が。 

私はバタートースト(マーマレード付き)とコーヒー。今日はこの後、お母様と六本木で食事の予定のユミさんはコーヒーのみ。私は「ノチハレ珈琲店」に入っていても季節のジャムとバターのトーストを注文しただろう。

支払いのとき開店4周年記念のお菓子をいただいた。今日(11月16日)がちょうど4周年の日なのであった。「ノチハレ珈琲店」に入れなかったからこその僥倖で、これもひとつの運命かもしれない(大袈裟かしら)。4周年というのは地元に定着されたということで、よかったですね。これからもお母様と娘さん二人、頑張ってください。これも何かのご縁ですから、私もたまに顔を出したいと思います。「パン日和あをや」「ノチハレ珈琲店」「ロッティーズ」「くもい」で「矢向グランドスラム」ができるのではないかしら。そうしたらユミさん、リーチがかかってますよ(笑)。

矢向駅の改札でユミさんと別れる。「次は京都で」とわれわれは別れの挨拶をした。どういうことかというと、今月末に私は句会で京都に行くのだが、偶然、同じ時に、ユミさんもお母様と京都に旅行されることが 「くもい」でおしゃべりをしているときにわかった。それで「もしタイミングが合えば京都でカフェをしましょう(お母様もご一緒に)」ということになったのである。もっともお母様が「いいわよ」と言って下さった場合の話だが。

自宅に帰る前に「ティースプーン」の顔を出す。 

シュトレーンが出ている。一切れでも買えるようである。

ミルクティーとシュトレーン。 

シュトレーンの載ったこの青いお皿は「ノザワBAKE」から譲ってもらったそうである。通りで見覚えがあると思ったが、元々、「ノザワBAKE」もこれを「フォノカフェ」から譲ってもらったのである。北欧のメーカーのお皿である。 

リンゴジャムを買って帰る。シマダさん姉妹、まだ新しい消費税の計算が不慣れのようである(笑)。 

 店を出ると、もう夕暮れである。

帰宅すると、宮崎公立大学の阪本博志さんから新著が届いていた。ありがとうございます。

 阪本博志『大宅壮一の「戦後」』(人文書院)

私の勝手な想像だが、私にとっての清水幾太郎は阪本さんにとっての大宅壮一である。清水がアカデミズムとジャーナリズムの接点で活躍した言論人であったとすれば、大宅はジャーナリズムの中心で活躍した言論人であった。人呼んで「マスコミの王様」。着目する人物こそ違え、一人の言論人のライフヒストリーを通して「時代」を見ていこうとするアプローチはわれわれに共通である。だから私より20歳下の阪本さんのことが戦友のように思えるのである。

 夕食は鮭鍋。味噌は使っていないので、石狩鍋ではない。

副菜につぶ貝の佃煮と玉子焼き。 

予定では明日が句会(於.カフェゴト―)だったのだが、集まれる人が少ないので、初めての試みとしてネット(LENE)句会をすることになった。紀本さんから作品(24句)が送られてきた。一人3句なので、投句したのは8名ということだ。兼題は「白」。明日の夜までに選句(天1、地2、人2)を投稿すること。

いろは句会 番外編(二〇一九年十一月十七日)

 息白く今宵大志を叫びたし

 白粉も白粉花も毒を秘め

 裸木にロックンロールの撥が鳴る

 ラグビーの国を選べる軽やかさ

 晩秋や門の灯りの温かさ

 初冬のホームに光る死のしらせ

 何となく頭重たし白梟

 息吐けば白くなる窓指字書く

 君のこと忘れられそう冬銀河

 葉の縁のほんのり紅の参道の

 おでん鍋子らは半片ばかり喰う

 平和像ひらり落ち葉に自撮り棒

 時雨るるや席を立てずにルノアール

 刷毛職人天空に居り秋の雲

 ゆきはふるあのカラスさえ轢かれれば

 柿の似合う青空探し飛鳥まで

 ふたつめのため息白いロングコート

 白息よ低所得者のいない町

 ざくざくと蜜柑むく手の頼もしさ

 神楽坂の某所に寄りて冬夕焼け

 白菜を背負いて帰路のご挨拶

 白猫も黒猫もおり漱石忌

 島国の小さな教会カンナ咲く

 削ぎ落とし裸身に積もる淡き雪

ざっとみたところ兼題句に佳作が多い感じがする。

 2時、就寝。