9時半、起床。
チーズトースト、目玉焼き、ソーセージ、サラダ、牛乳、珈琲の朝食。
朝刊に伊藤沙莉さんの結婚記事が出ていた。お相手は劇作家・演出家の蓬莱竜太さん。昨年末に婚姻届を提出とあるから、紅白歌合戦で司会を務めていたときはすでに結婚していたわけだ。
食事をしながら観始めた『映像の世紀 バタフライエフェクト 戦後日本の設計者3人の宰相』(録画)を最後まで観る。「3人の宰相」とは吉田茂・岸信介・田中角栄のことだが、実際には岸と田中の間の池田勇人や佐藤栄作にもスポットが当たっていた。いずれも存在感のある総理大臣だった。
昨日のブログを書く。
2時半頃、昼食を食べに出る。この大きな建物は『ドクターX』の視聴者には「東帝大病院」としておなじみである。
「プリミエールカフェ」に行く。年末に「よいお年を」の挨拶に来られなかったので、年始の「今年もよろしく」の挨拶をするために顔を出した。
ランチセットでアサリとほうれん草のクリームスープのスパゲッティを注文する。
塩味の効いたスープが美味しい。好きなメニューの1つである。私の後に来た客が(昨日も来たらしい)これを注文してマスターが「昨日と同じやつね。ごめんなさい。もう終わっちゃいました」と言った。その客はアラビアータを注文した。
食後の珈琲を飲みながらキンドルで吉田篤弘『月とコーヒー』を読了(再読)。「あとがき」の中で作者はこんなことを書いている。
「ひとつのお話が、原稿用紙に換算しておよそ十枚ほどで、この十枚という限られた枚数が、なかなかいいのです。できれば、毎日、十枚くらいのお話を書いて暮らしていきたいです。」
「『月とコーヒー』というタイトルは自分が小説を書いていく上での指針となる言葉の一つです。おそらく、この星で生きていくために必要なのは『月とコーヒー』ではなく『太陽とパン』の方なのでしょうが、この世から月とコーヒーがなくなってしまったら、なんと味気なくつまらないことでしょう。生きていくために必要なものではないかもしれませんけれど、日常を繰り返していくためにはなくてはならないもの、そうしたものが、皆、それぞれあるように思います。場合によっては、とりにたらないものであり、世の中から忘れられたものであるかもしれません。しかし、いつでも書き手みたいのは、そうしたとるにたらないもの、忘れられたもの、世の中の隅にいる人たちの話です。」
電話で予約してから入って来た女性の5人グループが、煙草の喫えない店だとわかって、出て行ってしまった。ようやく正月らしい賑やかな雰囲気になると喜んでいたマスターがちょっと気の毒で、珈琲のお替りと、奥様お手製のシフォンケーキを注文して、もうしばらく滞在することにした。
そのときに読んだのがこの本。伊藤ゆりあ『一人時間を楽しむぼっち主婦の孤独のすすめ』(キンドル読み放題)。ソロ活には社交的ソロ活と非社交的ソロ活がある。たとえば一人でカフェに入って、店の人やたまたま居合わせた常連客とのおしゃべりを楽しむのが社交的ソロ活で、読書や書き物に耽るのが非社交的ソロ活である。私は両方ともするが(おしゃべりカフェと物思いカフェ)、この本の著者は、夫と中学生の娘との三人暮らしで、大手企業に勤務する(ほぼ在宅勤務)兼業主婦だが、徹底した非社交的ソロ活者である。それは他者と一緒にいるのが非常にストレスだからである。
「人と一緒にいると、気を使ったり我慢したりして疲れます。人と話すことも苦手で、会話が続かなかったり、空気が悪くなったりすると、自分が悪いのではないかと思ってしまいます。人との関り全てが嫌いではありませんが、自分の世界に没頭することが好きです。私は、一人でいるのが好きです。人と一緒に過ごす事は、私にとって地獄のようなものです。特に、人と一緒に作業することは苦痛です。(中略)子どもの頃から、私は自分の部屋に籠るのが好きでした。私にには弟がいるのですが、両親が弟びいきで、私はいつも除け者扱い。家族の中で孤独を感じ、自分の部屋で落ち着き、安心、幸せを感じました。結婚したことは奇跡のようで、私は一人でいるのが好きです。一人暮らしを憧れることもあります。現在の生活が不幸せだとは思いませんが、家事と育児の大半を担当しているため、自分のペースで生活することができず不便を感じることがあります。一生懸命に掃除や片づけをしても、家族が好き勝手に散らかすことが多く、虚しさを感じます。人と一緒にいることがストレスだと感じる自分が嫌になることもありますが、コロナ禍で友人や知人とほとんど会わない期間が長くても、全然辛くなかったし、一人の時間の大切さに気付かされました。」
著者はHSP(ハイリ―・センシティブ・パーソン)のセルフチェックをしたところ、すべてに当てはまったそうである。人一倍繊細な気質をもって生まれた人という意味である。5人に1人くらいのけっこう高い割合だそうである。私の演習「現代人と孤独」の受講生は30人だが、6人程度が該当するという計算になる。日本人は他国よりも高い割合だとも言われているし、「現代人と孤独」というタイトルの演習に興味をもつ人たちにはさらに高い割合の可能性もある。私は授業の中で社交的ソロ活と非社交的ソロ活はどちらも必要で、そのバランスが大切だと語ってきたが、バランスという言葉にはフィフティー・フィフティーというニュアンスがある。しかし、この本の著者のようなタイプの人のいることを考えると、バランスにもバリエーションが必要だろうとあらためて思った。
「同じような仲間が意外と少なくない事を知り、心が軽くなりました。生まれ持った性質は変えられないので、一人の時間を大切にしようと前向きに思えるようになりました。」
「プリミエールカフェ」には1時間半ほど滞在した。「今年もどうぞよろしく」
「お帰りなさい」
新年最初の週末も暮れようとしている。
南の空の高いところに半月が浮かんでいる。
夕食前にオンデマンド授業の収録。
夕食は広島菜チャーハン、蛸入りのサラダ、玉子とワカメの中華スープ。
冷蔵庫に冷や飯が溜った場合の定番である。
食事を終えた後、書斎で『スロウトレイン』(録画)を観る。面白かった。作家の百目鬼(星野源)が同性愛者で主人公のフリーの編集者葉子(松たか子)の弟潮(松阪桃李)と恋愛関係にあるという展開にももちろん驚いたが、「百目鬼」を「もめき」と読むことにも驚いた。私は以前、百目鬼恭三郎という人の書いた書評をよく読んでいたのだが、「どうめき・きょうざぶろう」だと思い込んでいた。ずっと誤読していたのかとあわててネットで確認したが、「どうめき」で合っていた。「もめき」と読む場合があることを初めて知った。
風呂から出て、今日の日記を付ける。
1時半、就寝。