フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

3月19日(水) 曇りのち雨

2008-03-20 10:22:06 | Weblog
  午後3時過ぎにジムへ。ウォーキング&ランニングを6キロ。今日は足が軽く感じられたので、最初からランニングのスピードをいつもの時速8キロから8.5キロに上げた。大丈夫、というよりも、時速8.5キロの方がむしろ走りやすいかもしれない。私は足が短いわりには、ピッチ走法ではなく、ストライド走法を好むので、時速8キロでは大きな歩幅を維持するために多少ジャンプしているようなところがあった。時速8.5キロにするとそうした無駄な上下動が減るので、走りやすいと感じるのだろう。今日は雨のせいで、ジムには人が少なかった。ふと気づくとランニングをしているのは私一人という時間帯が長かった。「長距離走の孤独」だ。
  ジムの後、「ルノアール」で読書。菅野仁『友だち幻想』(ちくまプリマー新書)を読む。高校生を読者に設定しているだけあって、記述は平明だが、展開されている社会学考察は実に興味深い。

  「基本的な発想として、共同体的な凝集された親しさという関係から離れて、もう少し人と人との距離感を丁寧に見つめ直したり、気の合わない人とでも一緒にいる作法というものを考えたほうがよいと思うのです。人と人とのつながりについて、基本的な発想の転換を試みてみようと思うのです。」(25-26頁)

  お金があれば他者とのかかわりは最小限ですむ社会にわれわれは生きているが(貨幣を媒体とした抽象的共同性)、そうした社会で脅威の源泉であると同時に生の充実の源泉でもある他者とどのようなつながりをもつか、その技法について原理的に考察した本である。「ともに生きる」をテーマとする現代人間論系の学生諸君にぜひ一読を勧めたい本である。