オウム・テロ犯への死刑執行に思うこと

少し旧聞になるが、オウム真理教によるテロ事件の主犯たちへ死刑が執行された。

死刑制度に反対する人たちが、なにやら屁理屈を並べているが、概ね自己アピールの機会を捉えての発言に過ぎない。ボク、加害者への人権にも配慮しているイイ人アピールも、ほどほどにしていただきたい。

また欧米からの反対も伝えられるが、余計なお世話である。テロリストを捕まえるよりも、追跡中の避けきれなかった事故として射殺して済ませている連中に言われたくない。私にいわせれば、ありゃ裁判なしの死刑執行に他ならない。

もっとも私も死刑がベストの選択だとは考えている訳ではない。

人間が人を裁くのだから、必ずどこかで誤りが生じる可能性はある。特に日本は過度の自白絶対主義である。逮捕、拘留の過程で過酷な取り調べにより、やってもいない犯罪を自白してしまった事例は、過去に何度も生じている。

逮捕＝犯罪の確定だと見做す報道も少なくない。無実の人が、犯罪者として死刑台の露と消えた事例は、発覚していなものを含めれば、相当にあったであろうことは、十分あり得ることだと思っている。

だから、死刑判決は慎重にも慎重であって欲しい。

しかしながら、今回のオウム真理教のテロ主犯者たちに冤罪の可能性は、まずほとんどない。彼らは確信犯であり、幼稚な宗教革命を夢見て、多くの無辜の大衆を殺害した凶悪犯である。

死刑執行の公表後、これで真実が分からなくなったと賢しげにコメントを出している輩がいるが、事件発生と逮捕から何年経っていると思っているのか。あの膨大な公判記録をどこまで読んでの発言か知らないが、事実上死刑判決を出すに値する情報は、既に出ていると判断するほうが妥当だと思う。

また、死刑が執行されたことにより、彼らがオウム真理教における聖人化を危惧する声もあるが、ならば、彼らの公判時の無様な発言を知らしめて、その惨めな正体を露わにしてしまえば良い。

私もほんの一部を読んだだけだが、大半が「社会に居場所がなかった」とか「思考が麻痺していた」といった自己保身と欺瞞、怯懦の羅列であることが明白であった。

なまじ隠すから偶像化される。その実態を露わにしてしまえば、彼らを偶像視する愚かさから逃れられる。もっとも「光の輪」とか「アーレフ」の連中は現実忌避、現実逃避が常態化しているので、事実を直視することはないだろう。

死刑制度に反対するのは構わないが、なれば犯罪被害者及びその遺族が満足できる対案としての刑罰を呈示して欲しいものだ。私とて死刑がベストの選択だとは思っていない。

現行の死刑よりももっときつく、遺族が満足するようなものがあるのなら、それを採用することも良いとさえ思う。ただ単に人道の面とか、人権とかで死刑反対することには、どうしても納得できませんね。