ヌマンタの書斎

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二重国籍問題と国政

2017-07-27 12:47:00 | 社会・政治・一般

改めて書くことでもないが、私は民進党は支持していない。

旧・民主党政権の失敗と、その後の反省のなさに吐き気を感じるくらいに嫌いでもある。

そんな私でも首を捻らざるを得ないのが、現・党首である蓮舫に対するバッシングである。まず、日本の国籍法は、二重国籍を認めていない。だが、政治家が二重国籍であることを禁止する規定もない。

そもそも、日本の法律は、国際化とか外国人が日本で定住することを前提にしていない。部分的には対応している部分があるが、ちぐはぐであり、一貫性にも乏しい。

当たり前である。日本の政治において、外国人が本格的に政治参加することが前向きに議論されたことはない。あくまで一部の役所内部での議論はあるが、公開された政治の場において、二重国籍問題が本格的に議論の対象としてこなかった。

それどころか、外国人排斥の方が議論になる始末である。まぁ、一つの民族が長きにわたり支配してきた地に、異国の住民が増えれば、当然のように反発と排斥が起こることは普通である。これが現実である。

だが、高齢化と少子化が進む日本では、今後社会を維持するために外国人を活用せざるを得ないのが現実であり、既に現在進行形でもある。外国人労働者の流入反対を訴える人は少なくない。

それは必然的な声であり、既に発生しているトラブルを思えば、心情的に理解できる。実際に外国人が多く流入し定住化している群馬県大泉市や、静岡県の磐田市などでは、無視できぬ問題として十数年前から多くのトラブルが生じている。

地域住民だけでは解決できず、小さな役場から市役所まで巻き込んで、如何に受け入れ、如何に対処するかが試行錯誤されている。生活習慣、労働慣行、宗教上の制約など、外国人が日本社会に持ち込むトラブルは既に各地で問題となっている。

しかしながら、それでも今後日本に定住する外国人は増える。まず、純粋な日本人が減少している事実があり、労働力不足は今既に起きている課題である。ロボット導入などを主張する声はあるが、全ての労働をロボットで代替するのは非現実的である。

また単純に外国から日本へ移住するのではなく、国際結婚などを通じて家族単位で外国人が増えている。大人はともかく、子供たちは日本語ペラペラであり、教育環境如何によっては読み書きも日本人並である。

外国人労働者反対論者も増えるだろうが、現実的に受け入れてしまうほうが多いと思う。そして当然ながらトラブルも増える。はっきり言って、日本の行政及び司法は、外国人に十分対応できたものではない。

そこで政治の出番となる。政治的主張をする外国人は今後、今まで以上に増えるはずだ。この事態にどう対応しなければならないのか。

まず一番ダメなのは禁止してしまうことだ。これをやると、問題解決にはならず、事態を複雑化させる。地下に潜っての政治的な動きが増え、贈賄汚職が横行する。暴力的な動きも増える。

公的な組織を信用できなくなった外国人が、自らの権利を守るための自治組織を地下に造り、密かに活動を始めてしまうことが目に見えている。この場合、その活動は暴力や非合法なものになりがちなのは歴史が証明している。

だからこそ、彼ら日本に定住している外国人の政治的主張を公的に取り上げる仕組みが必要になる。表で堂々と主張させることで、犯罪の防止、社会不安の鎮静化が可能となる。

実際問題、外国人が多く住む町では、役所などが自主的に先行して始めている。自治会活動やボランティア活動への参加を促し、フリースクール、盆踊りなど町祭りでの交流を増やし、地域社会の安定化を図ろうと試行錯誤を重ねている。

住民の暮らしの直結している地方自治では、既に外国人問題への現実的対応を進めざる得ないのだ。ところが、国政がこの状況に手をこまねいている。

冒頭の蓮舫議員の二重国籍問題でも、法務省の対応は鈍く、国会でも正面から問題視を避けている。

私は蓮舫議員を支持する気はまったくないが、台湾と日本の橋渡し役として彼女のような存在は必要だと思っている。二重国籍でも、日本の国政で堂々と意見を述べる政治家がいることは、日本に定住している外国人にとっては、未来に希望を持たせる点も無視できない。

二重国籍が問題だと言うのならば、それを国会なり委員会なりで堂々議論して欲しい。禁止している国もあるが、一定の条件の元で認めている国も多い。日本の国情に合った新しい要件なり、規制なりを設けて議論が必要だと思う。

私は民進党は支持しないし、蓮舫議員も支持してはいない。それでも、今回の二重国籍問題の取り上げ方には疑問を呈さざるを得ません。


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11 コメント

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Unknown (青蛙堂)
2017-07-27 16:21:08
ヌマンタさんの仰るように、「彼女のような人材」は必要かもしれません。架け橋として。
でも「彼女」は必要ありません。
「二重国籍」など誰も問題にしてません!

明らかにミエミエなその場しのぎの嘘をつき、バレると謝罪せずに誤魔化した。
そもそも疑惑を拡大させていたのは村田(彼女だけ姓で呼ばせないのは差別だ!)自身の失策でした。
それが疑われると、疑惑を向けた人達へレイシスト、差別主義者とレッテル張り!
売国アサヒと供に!
こういう奴がいるから、帰化人には参政権を与えないでおこう……と考える人が出てくるのですよ。政治家だって人気商売です。
他人を口汚く罵り、総理など政敵の「人格」まで
貶め、自分が「それでも女か?」言われたら地の果てまで追い詰めるくせに、他人には「それでも男か?」と差別発言!
そういう他人には刃で切りつけて、自分にはひたすら甘いキャラクターが嫌悪されただけ!
別に二重国籍差別じゃない。民族差別でない!
ヌマンタさんの援護は的違いと思います。
Unknown (青蛙堂)
2017-07-27 17:37:31
村田が糾弾されているのは、故意に法律を違反して非合法な行為を疑われているからです。
つまり犯罪を犯した可能性があるからです。
それを差別に話を摩り替えて誤魔化そうとしました。マスゴミは「報道しない自由」を行使して村田を庇い立て。疑問を投げる人々をレイシストとして口を塞ごうとしました。
それに対して、Web上から「黙るものか!」と怒りが沸き起こりました。「記者クラブ」の既得権益に属さない、つまり新聞資本=TV ではない
出版社系列の記者やスメ[ツ新聞など三流メディアが協力して、マスゴミと村田のようなパヨクに反撃じました。
だいたい国籍離脱の証明が9月23日なのに、削除された中華民国政府のHPに書かれていた
「10月17日に審査を終えて外交部に任せる……」
との記載は何ですか?
台湾政府ってタイムマシン発明してるので?
何らかの裏取引を外国政府と(日本政府の許可なく)したと疑われるのが当然です?
祖国を護る為に、グレーゾーンの白証明を求めるのが何が悪いので?
二重国籍への差別で話を摩り替えてませんか?
Unknown (Nishitatsu1234)
2017-07-27 18:13:34
> 禁止している国もあるが、一定の条件の元で認めている国も多い。

↓、この通りです(観戦している観客と、ゲームの選手に、同じルールが適用されるわけありません)。

>"【蓮報】豪の野党議員、二重国籍で9年間議員活動。指摘されて議員辞職"
---------------------------------

>"【速報】蓮舫代表辞任 wwwwwwwwww"

> だが、政治家が二重国籍であることを禁止する規定もない。

R4が叩かれているのは、出馬した時の選挙公報に、国籍について虚偽を記載したからです。

そして、そこと突かれて説明が二転三転、ウソを言い続けたからです。

"2番じゃダメなんですか!?"がキャッチコピーの R4。

台湾人とは言っても外省人、つまり中国人です。

本人の内心では "中国1番、日本は2番以下"と思っているでしょう。

日本の国籍法は "すみやかに"と言っているだけで、期限を限っていないし、罰則規定も無いので、違法であっても R4を罪には問えません。

また、選挙公報での虚偽記載は "時効成立"であり、告発した者もいますが、全て時効に阻まれ却下されています。

ちなみに私は、せっかくだから、無能な R4には次の国政選挙まで党首の座にしがみつき、民進党に最大限の打撃を与えて欲しかった、と思っています。
Unknown (青蛙堂)
2017-07-28 05:02:04
ヌマンタさんは村田も民進も支持してないと何度か仰るですが、筋違いの擁護は支持してるのと同じです。
我々はルーツや二重国籍など責めてない!
非合法の可能性と、自身の保身の為に、外国政府と裏取引した可能性を責めてます!
村田の提出した物証が、偽造や中華民国との裏取引でないなのならば、法務省の出国記録を政府に提示させるか、物証を科学捜査研究所に引き渡して、鑑識させて欲しい!
なんで「国籍離脱の審査中」に「離脱許可の書面」を受けとる事ができるのですか?

Unknown (ヌマンタ)
2017-07-28 12:11:17
青蛙堂さん、こんにちは。なにか勘違いしているようですね。蓮舫議員に非違があるなら、とっくに法務省なり検察庁なりが動いているはずですよ。それが法治国家です。
私が今回、二重国籍問題を取り上げたのは、これがグレーゾーンだからです。日本の法制度は、この問題に対して曖昧にしています。そもそも想定外の事態であり、法制度自体が時代の変化に立ち遅れているのです。
だからこそ、今回の問題を契機に、公に堂々と議論の俎上に載せるべきでした。マスコミはそのような方向にもっていくべきでした。それなのに、安易な煽動に走っている。これじゃぁ、隣の感情優先、法理無視のどこぞの国と同じで、実にみっともないです。
Unknown (ヌマンタ)
2017-07-28 12:18:03
ニシタツさん、こんにちは。蓮舫議員に虚偽があったとしても、それを法務省も検察も正面から対応できず、時効の壁に逃げている。
まさに、この点こそがグレーゾンである証です。これを機に如何に対応すべきか、如何に規制し、保護するべきなのかを議論するべきでした。外国人の日本定住化は今後、ますます進むでしょう。それに応じて、法制度も改正しなくれはいけません。それを下らぬ情緒論で誤魔化す間抜けな報道には辟易します。
なお、法務省では内々に研究を重ねているようですが、それは密室内の議論に留まっています。アメリカのように二重国籍者を政府内で活用する際、規制と保護を設けて人材確保を図るやり方も参考になると思います。
Unknown (青蛙堂)
2017-07-28 13:57:33
失礼ながら最初に結果ありき…で仰ってませんか?
日本は法治国家なので、村田に非違があれば政府機関が動くはずねある。動いてないから非違はない。そうかも知れませんが、では彼女の提出した物証・書類について学識ある方々までが、偽造や台湾政府との密約の可能性を疑うのは何故でしょう? 仮に疑心暗鬼なのだとしても、非違を疑われるだけの怪しい物証、タイミングなのは言えると思います。
そのような疑惑を作ったのは、故意に嘘をついたか否かは別として、きちんと対処せずに問題を摩り替えて誤魔化そうとしたのですから。
国の正当な機関が「非違はない」の御墨付を与えるまで信用がならないと言うのが勘違いですか?
もしも偽造があれば、それは服役すべき犯罪ですよ。だから政府が既に動いて確認している。
そうかも知れないが、それならば確認した「結果」を公表させるべきです。
日本は法治国家だから、動いただろう。それで何も起きてないのだから、何もなかったに違いない。それじゃあ私だけでなく複数の人達が納得はしないと思いますね。
Unknown (ヌマンタ)
2017-07-28 14:14:29
まだお分かりにならないようですね。日本の現行の法体制は、二重国籍問題を始め外国人が日本の法体系に入ってくることに十分に対応できてないのです。

限りなく黒に近い灰色でも、黒だと断定できない以上、疑わしきは罰せずが近代法治国家の大原則です。

官僚というものは、前例踏襲主義ですから、前例のないものには対応できません。だからこそ、公に議論して今後に備える方向に持ち込むべきなのです。一部の国民が納得できなかろうと、不満を貯め込もうと、それでは政府は動きません。
Unknown (青蛙堂)
2017-07-28 15:49:39
限りなく黒に近くても…以降のお話はその通りです。否定しません。
ただし…それは私人の、そして国の安全保障に関わらない場合と思います。
仮に外国政府と取引して違法な便宜を図ってもらったのならば、それはその国に弱味を握られます。そういう政治家が国会にいるのは、国の安全に関わる事だと思います。
だから…私はヌマンタさんの議論すべきだとは別に、防諜専門の機関を設けるべきで、その議論しろと言いたいですけれどもね。
このお話はこれでオシマイとさせて頂きます。
ヌマンタさんの仰ることでも納得はいかないだろうから。である以上は貴兄の貴重な御時間を無駄にするだけです。
ならば他の記事を書いて頂く方が、他の読者の方にも有益です。ですので、この話は私から申すのは気が引けるのですが、これでオシマイとさせて頂きます。
Unknown (Nishitatsu1234)
2017-07-28 17:45:48
> 時効の壁に逃げている。

ナャ激Iン曰く > 真に恐るべきは、有能な敵より無能な味方。

つまり、真に頼りになるのは有能な味方より、無能な敵です。

国籍法には罰則規定が無く、公職選挙法は時効・・・・

なら、時効成立している事を逆手に取り、次の国政選挙まで、R4は泳がせておくべきだった・・・・・・

もったいない事したと思ってます。

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