ヌマンタの書斎

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里守り犬の活躍

2010-05-26 12:30:00 | 社会・政治・一般
犬猿の仲とは良くぞ言ったものだ。

先週火曜日の産経新聞の一面に書かれた、「里守り犬」の記事が目をひいた。山から農村に降りてきて農作物を荒らすサル対策として、犬を放し飼いにしてサルを撃退させる方策が採られていることを報じた記事だった。

その記事のなかで気になったのは、この犬を活用したサル対策には「動物愛護法」の改正と、「鳥獣被害防止特措法」の創設によるとされていた点だった。

この改正により、野生鳥獣の被害を防ぐために訓練された犬の放し飼いが認められるようになったことが、サル対策に絶大な効果をもららした。

昨年の時点で23県の計60市町村が採用しており、現在300頭が活躍しているそうだ。実に頼もしい話である。

当初は「追っ払い犬」と呼ばれたが、特にサルに対して有効なことから「モンキードッグ」と呼ばれてもいるそうだ。しかし、この呼称はあんまりだ。やはり、この記事で紹介されている里守り犬(さともりいぬ)がいいと思う。

それにしても、このような法改正は、おそらくは上(霞ヶ関)からのものではあるまい。地元の意を受けて、地方の末端の役所から上がり、それに霞ヶ関が同意を与え、国会で承認を受けてのものだろう。

近年、霞ヶ関主導の迅速な法改正が、結果として市井に混乱を招くことが多かった。建築基準法の改正や、インフルエンザの治療対策など、もう少し末端の意見をくみ上げておけば、もっと良いものとなったはずだった。しかし、結果として稚拙な改正となり、社会に混乱を招き、霞ヶ関は萎縮する有様だった。

やはり日本はトップダウン式は向いていないようだ。今回の「里守り犬」のようにボトムアップの法改正こそが、日本の風土には合っているのだろう。

言うまでもないが、これは自民党が政権にある間に施行されたものだ。現与党である民主党連立政権に、このようなボトムアップ式の法改正が出来るだろうか?

愚かな少数意見に振り回されるだけで、市井の声を拾うことに臆病になっている感が否めないのは私だけだろうか。いや、民主党だけではない。TVや新聞も、視聴者や読者の本音に目をそむけている気がする。

聞く耳もたぬ善意は暴走することが多い。よくよく銘記して欲しいものだ。
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