ヌマンタの書斎

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カメルーン戦の勝利に思うこと

2010-06-16 17:13:00 | スポーツ
私の予想は見事にはずれた。

もっとも嬉しい誤算ではあり、試合終了時に味わえた勝利の喜びは格別であった。正直、カメルーン戦の勝利は相手の拙攻と幸運に助けられたことも事実だとしても、日本国外でのワールドカップ初勝利は十二分に評価されるべきものだ。

ただ、時間をおいて振り返ってみると、日本の布陣はあの最終予選のアウェイでのバーレーン戦を思わせる守備的なものだった。この一年間ためしてきた岡田コンセプトなんて、影の欠片もなかった。勝つために現実路線に戻ったのだろう。

勝利の鍵は、やはり中盤の守備だったと思う。遠藤、長谷部、阿部の三人が徹底して守備に奔走し、攻撃は本田、松井、大久保の3トップ任せ。サイドバックの長友、駒野はほとんど攻撃に参加せずに、これまた守備いっぺんやり。

弱いチームが勝利を得るために取るべき最良の戦術だと断じていい。それは不様な試合ぶりであり、華麗さや優美さとは無縁の退屈なゲームである。しかし、今の日本の実力で勝つためには必要な戦い方である。この事実をしっかりと噛み締めて欲しいものだ。

それにしてもカメルーンはどうしてしまったのか。世界最強のFWの一人であるエトーは、ほとんど見せ場がない。実力の片鱗は垣間見れた。日本選手三人をぶっちぎってのゴール前への飛び込みは見事だった。これを繰り返されたら、今の日本の実力ではどうしようもない。

しかし、チームとしてエトーを活かそうとする意志が希薄に思えた。先月からカメルーンで物議を醸していた内紛が尾を引いているとしか思えない。なぜにエトーにボールを供給できるゲームメイカーのソング選手を起用しなかったのか不明だ。

それでも地力ではカメルーンのほうが上手だと思う。実際、終盤の10分間は冷や冷やしっぱなしだった。ゴールポストに何度助けられたことか。

もちろんGK川島の好セーブもあった。楢崎と川口を押さえて先発の座を勝ち取ったその実力は本物だと思う。ちなみに私があの試合でMVPを選ぶとしたら、本田でも松井でもなく大久保を選ぶ。

驚いた、日本代表のお荷物と揶揄していた大久保の頑張りには。いつもピッチ上を意味なくウロウロして、ボールを取られて失点の起点となるアホ・プレイヤーだったのに、あの変貌ぶりには本当に驚いた。

一応、3トップの左を任されていたが、左サイドだけでなく、自陣のゴール前でも守備に奔走し、果敢なドリブルで時間を稼ぎ、日本の守備に多いに貢献した。あれほど逞しいとは思ってもみなかった。得点にこそ絡めなかったが、守備への貢献はきわめて大きかったと思う。

ただ、私の岡田監督への評価の低さは変らない。この一年間以上チームを迷走させた責任は、まだ果たしていないと思う。まぁ、予選を突破したら考え直しますが、次のオランダ、デンマークはもっと過酷な試合になると思う。

でも、また私の予想を裏切って欲しいと願います。別に負けを望んでいるわけではありませんからね。
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2 コメント

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Unknown (kinkacho)
2010-06-17 09:32:33
ヌマンタさん、こんにちは。
kinkachoの正直な感想は「あら~勝っちゃったよ…」です。
負けてもよかったのになあと周りからシバかれそうなことを思っています。
今大会は要チェックの男前がいないので、ぜ全然盛り上がっていません。
顔でサッカーを見ている外道でした。
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Unknown (ヌマンタ)
2010-06-17 12:31:12
kinkachoさん、こんにちは。私の本音は負けて監督更迭。それに奮起した選手たちが奇跡的勝利を上げる・・・でした。勝ったけど未来につながらない勝利だとも考えています。
男前・・・そうですね、私の目からみてもイケメンは見当たりませんね。サッカー自体も臆病で無様な試合が多いです。まぁ、昨夜のチリのサッカーは良かったですけど。
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