ヌマンタの書斎

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管首相に思うこと

2010-06-17 12:25:00 | 社会・政治・一般
もっと警戒したほうが良いと思う。

ついに誕生してしまった菅内閣。14年ぶりの政治家2世でない首相でもある。ちなみに14年前の村山は、与党に戻りたいがゆえに社会党に膝を屈した自民党の露払いに過ぎず、自らの意思と実力で掴んだ首相の座とは言いがたい。

その意味で、菅首相は本当に久方ぶりの成り上がり首相である。

成り上がりという言葉は、普通蔑視を伴い、上から目線で使われる。しかし、親のコネや財力をあてにせずに、見事自らの実力で最高権力の座を勝ち取ったわけだから、成り上がりという言葉は当人にとって誇らしい言葉でもある。

そこんとこ、ヨロシク!(@永ちゃん)

だが、冷静にこの人の経歴を洗っていくと、容易ならざる人物であることが透けてみえてくる。市川房江の選挙スタッフから始まった政治家人生だが、社民連合で苦労して当選、その後新党さきがけへ移り、橋本内閣当時の厚生大臣として「薬害エイズ事件」で一躍名を上げる。

その後、民主党に移り度々舌禍事件を引き起こしたり、はたまた代表や幹事長職を辞したりと浮き沈みが激しい。だが、労働組合の後ろ盾もなければ、親から引き継いだ選挙地盤、後援者もないにも関らず、大衆からの支持だけで今日の地位を築き上げた事は驚嘆すべきことだと思う。

実際、これだけ貧弱な政治基盤にも関らず最高権力の座を射止めた政治家なんて、日本の憲政史上稀だといわざる得ません。政界渡り鳥として生き残るために風見鶏的生き方を選ばざる得なかったのでしょうが、単なる左派政治家と断ずることは出来ないと思うのです。

私がこの人に脅威を感じたのは、やはり「薬害エイズ事件」のときの狡猾さからだ。官僚と製薬会社の薬害隠しは、当時の厚生族といわれた族議員の関与が当初から囁かれていた。そして菅を大臣に起用したのは、他でもない厚生族のボスの一人である橋龍その人だ。

馴れ合いとは言わないが、なんらかの裏取引と手打ちがあったことは間違いないと私は邪推する。事実、族議員で生贄にさらされたのは、役所上がりの中堅が3名だけであった。見事、厚生族の本丸は守られた。

菅が左派の政治家によくある絶対的な善意に縛られるタイプなら、この手の妥協は在り得ない。たいしたバックを持たない脆弱な政治家に過ぎない菅の立場を考えれば、最大級の裏取引であったと評してもいい。いわゆる市民派議員で、これだけ現実的で柔軟な判断が出来る人は滅多にいない。

だからこそ脅威なのだ。

菅直人は、必要とあらば小沢一郎とでも握手するし、福島みずほを切り捨てることも臆さないと思う。いや、オバマに固い握手を求めたその手で、翌日に金正日を抱擁することだってやるかもしれない。

憲法改正を口にする一方で、平然と自虐歴史教育の推進にお墨付きを与えることだってやりかねない。この男、怖いと思う。叩き上げだけに、甘っちょろい批難なんざ平然と踏み躙るだろうし、目的のためなら堂々ウソを付けるタイプだよ。

私の心配しすぎかもしれないけど、要注意だと本気で心配しています。
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2 コメント

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Unknown (Nishitatsu1234)
2010-06-17 17:30:16
>"沖縄よさらば!菅首相の本音"
----------------------------------

>【産経抄】6月10日

>"菅首相「沖縄は独立した方がよい」発言…中国人「いいこと言う!」"
  
>"【佐藤優の地球を斬る】「畏敬の念」欠く新政権に不安"

>"菅首相「基地問題どうにもならない」「もう沖縄は独立した方がいい」と発言 喜納参院議員が暴露"
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Unknown (ヌマンタ)
2010-06-18 12:31:15
ニシタツさん、こんにちは。正直言えば、将来アメリカが太平洋を防衛圏とみなす戦略を放棄したのなら、沖縄を独立もしくは自治地区としてシナとの戦争を回避するシナリオもありうると思います。なにせ、日本は単独ではシナに抗しえませんから。
管直人がどこまで考えて口にしたのか分かりませんが、政治家として考えておくべきことだと思います。ただし、それを口外する場所と時間は選ぶべき。つけこまれるような失言が多いのが、この人の欠点でしょう。過去に何度も舌禍事件を起こしていますから。
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