ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

街角にはクリスマスツリー

2012-12-21 12:09:00 | 音楽
クリスマスには寂しい思い出ばかりが記憶に残る。

週末にはクリスマス、子供の頃はプレゼントだ、クリスマス会だと心浮き立つ記憶が多く、思い出すだけで笑みがこぼれる。

ところが思春期を迎え、家族や友人とではなく女性と過ごすクリスマスを考えるようになると、思い出すのは寂しい記憶ばかり。

街角にはクリスマス・ソングが流れ、華やかなイルミネーションが夜景を彩る。本来なら心ウキウキと楽しみたいのに、実際にはつまらないことで喧嘩をしていたり、口もきかない冷戦状態に陥ったりと、碌な思い出がない。

今になって思うのは、クリスマスに過剰な期待を抱いたが故の気持ちのすれ違いが原因だったように思う。男と女って、同じ夢を語っていても、その夢の中身はだいぶ違うと気付いたのは30も過ぎてからだった。

もっとも、だからといっていつも寂しいクリスマスを過ごしていた訳でもない。どちらかといえば、友人同士で過ごしたクリスマスの方が楽しい思い出が多い。友達同士の間柄なら仲良くやれて、男女の仲になると上手くやれないのだから人間って難しいものだと思う。

寂しい思い出ばかりと冒頭に書いたが、不思議なことに一人で過ごしたクリスマスの夜には、さほど寂しさは感じなかった。むしろ寂しかったのは、お互いの気持ちがすれ違っていることを自覚している時の二人のクリスマスだったように思う。

一昨年以来、高校の同級生との交流が復活したせいか、妙にあの頃の思い出が夢で出てくる。空振りに終わったクリスマス・イブの晩のことや、馬鹿騒ぎに終始して肝心なことを言えなかった後悔ばかりが脳裏に浮かぶ。

そんな思い出ばかりが強く記憶に残っているせいだろう。私にとってのクリスマスソングは山下達郎の「クリスマスイブ」となって久しい。

作曲:山下達郎
作詞:山下達郎

雨は夜更け過ぎに
雪へと変わるだろう
Silent night, Holy night
きっと君は来ない
ひとりきりのクリスマス・イブ
Silent night, Holy night

心深く 秘めた想い
叶えられそうもない
必ず今夜なら
言えそうな気がした
Silent night, Holy night

まだ消え残る 君への想い
夜へと降り続く
街角にはクリスマス・ツリ-
銀色のきらめき
Silent night, Holy night

雨は夜更け過ぎに
雪へと変わるだろう
Silent night, Holy night
きっと君は来ない
ひとりきりのクリスマス・イブ
Silent night, Holy night


白状すると、若い頃は嫌いな歌であった。あてつけがましいんだよ、コン畜生!と思っていた。しかし、歳月の重みが吹き積る風雪のように気持ちの歪みを押しつぶし、今は素直な気持ちで聴けるようになった。

実らなかった恋ではあったが、思い出として残っていることはそれほど悪くない。少なくても何もなかったよりはマシだ。思い出がないより良かったと思っている。もはや未練などないが、相手の期待にそえなかった自分の未熟さを悔やむ気持ちだけは残っている。

多分、一生忘れないだろうな。


コメント (14)
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