高速道路を走っている最中に、聴いてはいけない曲がある。
いや、正確にはあった。なぜなら20代前後の粋がりたい盛りの頃のことだからだ。さすがに今は大丈夫・・・かな? いや、気がつくと、アクセルを踏む足に力が入っているので、やっぱり危ない曲である。
え!?分らないですか。
もちろん、70年代に絶大な人気を誇ったハードロックバンドであるディープ・パープルの名曲ハイウェイスターに決まっている。この曲を聴いて、スピードを出さないなんて男じゃない!!!! と断言するぞ。
おかげで、20代の頃、何度となくスピード違反で捕まっている。この曲を聴いてアクセル踏まないなんて男のすることではないぞ。ぶっ飛ばせ、高速。邪魔だ、ポリ公である。
で、当然に捕まっちまう。罰金もさることながら、免停が痛い。錦糸町の裁判所とやらに呼び出されて、小役人相手にゴネにゴネて、免許取り消しこそ免れたが、三ヶ月免停は痛かった・・・
そんなわけで、止む無く車のなかにはディープパープルの曲が入ったテープやCDは置かないことにしている。あたしゃ、我慢できないよ。あの曲を聴きながら、交通法規を遵守して走るなんてさ。
ところがだ、この名曲ハイウェイスターを、よりにもよってリコーダーで演奏した奴がいる。小学生の頃、音楽の授業で習わされたあの縦笛である。
あの柔らかい音色のリコーダーで演奏すると、この激しく闘争本能を刺激する曲が、膝から力が抜ける温和な曲に変わってしまうのである。
なにせ、原曲でリッチー・ブラックモアの華麗なギターソロが流れるパートも、リコーダーで吹けば、ピーピョロロ、ピーピョロロである。
思わず無意識にアクセル踏みしめてしまうほど盛り上がるパートも、リコーダーだとピョロ、ピョロ、ピョロ・・・・ピーヒョロロなのである。
http://www.youtube.com/watch?v=N8X_XkJUs_M
初めてラジオから流れるリコーダー版ハイウェイスターを聴いたときは、思わず脱力してへたり込みそうになった。苦りきった表情で文句の一つや二つ言いたいところだが、口元が微妙に緩んでいるのも事実だ。
だって、おかしいのだもの。
どこの誰が演奏しているのか知りませんが、これって文化破壊じゃないのと思わないでもない。パロディにしては破壊的すぎるぞね。まったくもって、困ったものである。
ちなみに同じ演奏家の曲で「やる気のないダースベイダーのテーマ」も脱力必須の怪曲である。是非とも聴いていただきたいものである。フニ~
http://www.youtube.com/watch?v=V1wA3Z7xrq0&feature=related