徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

ドラマ「坂の上の雲」と晩年の秋山好古

2009-11-30 11:16:59 | テレビ
 昨夜から放送が始まった「坂の上の雲」。昨夜はプロローグに過ぎないので、まぁ、こんなもんかな、と思いながら見ていたが、やっぱり、熊本の三角西港で撮影された、真之と子規が、高橋是清とともにイギリスから購入した最新鋭の軍艦を見に行くシーンは、目を皿のようにして見た。この後の、夏目漱石なども登場する熊大五高記念館で撮影されたシーンが楽しみだ。肝心のドラマの方は、次回以降の展開に期待したいが、1回目のような調子だと「薄ッ!」という感じだ。あれだけの長編小説を13回のドラマに集約するのだから無理もないが。
 それより、昨日の朝、放送されていた「拝啓 秋山校長殿 ~日本騎兵の父 秋山好古の晩年~」というドキュメントが面白かった。名を成した人が、どんな晩年の生き方をするのか、多くの教訓を含んだいいドキュメントだった。

「新型インフルエンザ」と「こうのとりのゆりかご」

2009-11-29 23:56:59 | 時事
 夕方になってかかりつけの診療所から電話。「今日中に処分しなければならない新型インフルエンザ・ワクチンが出たので接種しておきませんか」という案内だった。喘息の持病があるので、医師からは、特定疾患対象者として、そのうち案内するということは聞いていたものの、突然の連絡だったので驚いたが、とりあえず受けておこうと出かけた。ニュースによれば、新型インフルエンザの感染者は900万人に達し、50人ほどが亡くなったらしい。
 一方、ちょうど昨日は「こうのとりのゆりかご」いわゆる「赤ちゃんポスト」のニュースが流れていた。熊本県の検証会議が最終報告書をまとめたというものだった。「こうのとりのゆりかご」を設置してから2年半の間に51人の利用があり、そのうち県内の子どもと思われるのはゼロ、つまり慈恵病院は日本全国の受皿になっている実態が見える。また、児童虐待で死亡する子供は年に100人を下らないという。いや、実態はそんなものではすまないという人もいる。政府の大げさなほどの新型インフルエンザへの取り組み方に対し、児童虐待や児童遺棄への政府の取り組みが見えてこない。そろそろ国は何らかのアクションを起こしてほしい。とにかく、子どもの命を守ることを、すべてに優先しよう!

秘密の花園

2009-11-28 18:51:57 | 映画
 今日の深夜、テレビ熊本で放送される映画「秘密の花園」は、僕のコレクションに入れたい1本である。原作は「小公子」や「小公女」の作者として有名な、イギリス生まれのアメリカの女流作家フランシス・ホジソン・バーネットが書いた、もう一つの名作「秘密の花園」である。これを、どういうわけだか、「ゴッドファーザー」などで有名なフランシス・フォード・コッポラが映画化を念願していたらしく、ポーランドの女流監督アグニエシュカ・ホランドを呼んで1993年に製作した。
 両親と死別し、インドからイギリスへ帰国した少女メアリーは伯父に引き取られる。だがその館は謎に満ちていた。やがてメアリーは、伯父やその館の秘密を知ることになる。いろんな人たちとの出逢いや、メアリーがもたらす様々な奇跡が、美しい映像の中で語られている。
 20世紀初頭のイングランド北部の荒野と富豪の邸宅の見事な映像美。この映像を見ているとコッポラが魅かれた理由がわかるような気がする。「ハリーポッター」でおなじみのマギー・スミスが、いかにもという感じの堅物のメイド長を演じている。

ドラマ「坂の上の雲」 やっと始まる!

2009-11-27 21:53:12 | テレビ
 NHKのスペシャルドラマ「坂の上の雲」が、29日(日)から始まる。「やっと始まる」という感じだ。このドラマほど早くから番宣を始めたのは、今まであまり見たことがない。メイキングや特集番組を何度見たことか。たしかに番組の認知度は上がったと思うし、それなりの視聴率は稼ぐだろう。けれど、個人的には、あまりにも何度もお味見をし過ぎて、あんまり食べる気がしなくなった感がある。従来だと、大河ドラマのクライマックスを迎えるこの時期に、あえてその後釜を務める番組だけに、はたしてどんな視聴者の反応があるだろうか。しかも、第二部が1年後というのも何だかなぁ。とりあえず、明後日の第1回は見ることにしているが、以後、興味が続くだろうか。原作の方もいまだに読みきっていない。

松本清張 「張込み」

2009-11-25 23:25:37 | テレビ
 先日観た、映画「ゼロの焦点」もそうだが、12月21日が松本清張の生誕100年ということで、それを記念した映画やテレビドラマなど、ちょっとした清張ブームとなっている。TSUTAYAを覗いていたら、松本清張原作のテレビドラマ傑作選なんていうのが棚に並んでいた。中でも一番惹かれたのは「張込み」、しかも吉永小百合主演とある。さっそく借りて観てみた。清張作品の中でも、僕はこの「張込み」が一番好きかも知れない。1978年にTBSの東芝日曜劇場の枠で放送されたものらしい。見覚えのあるシーンがあったので、放送された時も恐らく観ているだろう。この物語の見どころは、逃走犯が、かつての恋人である人妻の前にいつ現れるかというサスペンスと、張込みをする刑事が覗き見る人妻への複雑な想いとほのかなエロティシズムである。全編46分余り、原作に余計な枝葉は付けていないので、吉永小百合の美しさが一層際立つ。この時、吉永小百合33歳、まさに匂い立つばかりの美しさとでも言ったらいいだろうか。今日見直してみると、まさしく逸品と言えるドラマだ。


老先生 今年の力作!

2009-11-24 22:22:51 | ビジネス
 今年も年賀状の季節。今年83歳のS先生は毎年、年賀状用に水彩画を描かれる。今年も完成連絡をいただいて取りに行った。題材は毎年熊本城。いつも違った角度から描かれるので、毎年、作品を見てハッと気付かされることが多い。いつものことながら、ご高齢とは思えぬ繊細なタッチに感心する。3号のキャンバスに描かれたものを、できるだけ高精細にスキャンしてあげようと、DPIを思いっきり上げて撮るので時間がかかること。出来上がりが楽しみだ。

平成19年 平成20年

平成21年 平成22年

日本の美の極致

2009-11-23 18:12:31 | その他
 今日は久しぶりの快晴。毎年、紅葉の撮影ポイントにしている熊本城内の、細川刑部邸前の大銀杏を撮影しに出かけた。例年のピーク時期よりも、まだ5~7日早いのだが、こんな撮影チャンスの好天はもう来ないかもしれないと思ったからだ。やっぱりまだ葉っぱには青みが残っているし、邸内のもみじも赤くなり切っていないのは残念だった。それでも休日とあって、カメラをかまえた人が多く訪れていた。城内の一角ではモデルの撮影も行なわれていたが、刑部邸前に和服の女性が現れた時は、周りの風景との鮮やかなコントラストに日本の美の極致を感じた。


一枚の写真

2009-11-23 11:27:52 | その他
 今朝の熊日朝刊に掲載された小さな一枚の写真。恩師の顔が並んでいる。現在、熊本県美術協会会長を務めておられる坂田燦先生が熊日に連載されている自叙伝の中に掲載された写真だ。内容から見て、昭和38年頃の写真だと思われるので、僕が熊大附中を卒業して2年後くらいだ。従って、当の坂田先生とは面識がない。しかし、後のお三方はいずれも親しくご好誼を賜った。いや、今も賜っている。後藤先生は中学3年間、担任をしていただいた先生で、僕はその後の人生に極めて大きな影響を受けた。多久先生は理科を教えていただいたが、僕よりもむしろ、教員をやっていた親父の野球仲間であり、僕の家にも何度も飲みに来られた。そして、規工川先生は僕の卒業と入れ替わりに赴任されたので、中学時代はご指導いただいたことはないが、今まさにご指導をいただいている先生だ。担任の後藤先生は数年前、鬼籍に入られたが、海軍上がりだった先生と並んで泳いだ夏の日の想い出が、今でも鮮明に甦る。

映画「ゼロの焦点」は松本清張の世界を描けたか・・・

2009-11-21 18:35:27 | 映画
 新作映画「ゼロの焦点」を見た。原作を読んだのも、野村芳太郎版を見たのも、随分前のことなので、ディテールは忘れており、厳密な比較はできない。また比較する必要もないのかもしれないが、これはこれでよくできた映画だと思う。特に中谷美紀扮する室田佐知子の描き方は、中谷美紀の演技力もあって新しさを感じた。しかし、当時、街中に屯する「パンパン」や「オンリーさん」たちの様子がまだ記憶に残っている僕には、どこか違う空気が感じられ、仮想空間の話にしか見えなかった。わざわざセリフの中で「パンパン」を説明しなければならないあたりが、60年の時の流れを感じさせ、この映画を作る難しさだったのだろう。新しい時代の夜明けを印象付けるためか、女性市長誕生のエピソードが織り込まれているが、実際そういう方がいらっしゃったのかどうかは知らないが、米兵相手の過酷な人生を送った女性たちがいる一方で、進駐軍が引き揚げて間もないこの時期に、こんなウーマン・リブのような運動がはたして存在しえたのだろうか。どうもしっくり来なかった。

森繁久彌と渥美清

2009-11-20 23:19:49 | 映画
 森繁久彌と渥美清。森繁久彌が15年先に生まれて、亡くなったのは渥美清が13年早かった。この二人、共通点が多い。軽妙洒脱な芸風や滑舌の良さもそうだが歌も上手い。若い頃、NHKをステージに実力を付けたことも同じだ。渥美は森繁に憧れていたらしい。特に、森繁の絶妙な「間」を研究していたそうだ。森繁も、渥美を若い頃から注目していたらしく、渥美がまだ、映画界では無名だった頃、森繁の引きで出演できたこともあるらしい。そんな二人が共演した映画が数本あるが、中でも「男はつらいよ」シリーズの第6作、「男はつらいよ 純情編」は想い出深い。渥美の森繁に対する気持は、山田洋次監督も知っていたのだろう。二人の絡みのシーンは、そんな渥美の想いが滲み出るような、ほのぼのとした暖かいシーンだった。また、この出逢いに至る前段の、森繁の娘役、宮本信子(若~い!)との絡みが、シリーズの中でも特筆すべき秀逸なシーンだ。
 寅が、長崎の五島に渡る船の最終便に乗り遅れる。すると、同じように乗り遅れた、子どもを背負った若い女(宮本)に気付く。女が一晩泊まる金を持っていないことを知った寅は、自分と同じ宿に泊めてやる。金を返すあてのない女は、夜中、寅の前で服を脱ごうとする。その時の寅のセリフがこれだ!ワン・ツー・スリー!
「オレの故郷にな、ちょうどあんたと同じ年頃の妹がいるんだよ。
 もし、もしもだよ、その妹が行きずりの旅の男にたかだか
 二千円くらいの宿賃でよ、その男がもし、妹の体をなんとか
 してえなんて気持ちを起こしたとしたら、オレはその男を殺すよ。
 五島とかいう…あんたの故郷で待っているおとっつあんだって
 オレと同じ気持ちだよ。それに決まってらぁな!」
何度見ても涙なしには見られない。

いったい何回目? 「ローマの休日」

2009-11-19 22:39:03 | 映画
 昨夜はまたまた「ローマの休日」を楽しんだ。いったいもう何回目だろう。でも何回見ても、やっぱり面白い。僕は、良い映画かどうかの判断基準を、「何回でも見たくなるかどうか」にしているので、この「ローマの休日」は、まさにそれに当てはまる。2003年問題の時、「シェーン」等とともに著作権が無くなったとされるが、こんな名画が500円なんかで売られているのを見ると、なんか悲しい。オードリー・ヘプバーンについてはもう、語り尽くした感があるが、相手役のグレゴリー・ペックを見る度に、今はこんな役ができる男優がいなくなったなぁと、つくづく思う。ウィリアム・ワイラー監督は、この映画のほかに「噂の二人」と「おしゃれ泥棒」と、都合三度、オードリー・ヘプバーンを起用しているが、「噂の二人」では、シャーリー・マクレーンとぶつけて、ガラッと趣向を変えたシリアスな話に挑んでいる。あの作品も忘れられない一本だ。やっぱりハリウッド映画は50年代がピークだったんだなということを再確認した。

 

森繁久彌 & 向田邦子の至芸 「かわうそ」

2009-11-18 20:41:50 | その他
 森繁久彌さんを偲ぶ特番「ありがとう 森繁久彌さん~日曜名作座、再び~」(NHK第1)の昨夜は、向田邦子作「かわうそ」だった。向田さんが亡くなった2ヶ月半後に、急きょ放送されたものだそうだ。気のせいか、森繁さんの語りも、いつもより少しばかりトーンが低かったような気がした。しかし、「指先から煙草が落ちたのは、月曜の夕方だった」で始まり、「写真機のシャッターがおりるように、庭が急に闇になった。」で終る向田さんの表現力豊かな文は見事というほかなく、まさに「文は人なり」だ。さらにその文を、森繁さんの話芸が紡いでいく。死者(おそらく)の視点で語る衝撃のラストは、ビリー・ワイルダーの名作「サンセット大通り」を思わせる。これぞ最高の“芸”というものを味わわせてもらった。


古代の九州に見る日本人の姿

2009-11-17 20:55:27 | その他
 今日は朝から家内と家内の友人を伴って、大宰府の九州国立博物館で開催されている特別展「古代九州の国宝」を見に行った。九州各地で出土した、縄文時代から江戸時代までの遺物が一堂に集結し、まぁ見事というほかない展覧会だ。7、8千年前に南から縄文文化が入り、縄文時代の終わり頃には朝鮮半島から稲作が伝わり、16世紀には鉄砲やキリスト教なども伝来するという、常に対外交流の接点となっていた九州の、歴史的に重要な位置付けにあったことを再認識させてくれた。また、出土した数々の遺物すなわち、武具、装飾品、仏教関連の品々、生活器具などの精緻さは目を見張るものがあり、ひょっとして7千年前の日本人と現代の日本人は、基本的には何も変わっていないのではないかとさえ思えてきた。 とかく展覧会というと、「え、もうおしまい?」というような場合が多いものだが、今回ばかりは満腹感を味わった。


邪馬台国と古代九州

2009-11-16 22:36:24 | 時事
 奈良県桜井市の纒向遺跡で大型建物跡が出土したことにより、邪馬台国畿内説が俄然優勢になったようだ。僕ら九州の人間としては正直、ちょっぴり残念な思いもある。しかし、この論争は、企業を誘致したり、オリンピックを誘致したりするのとはわけが違う。いくつかの仮説を、客観的・具体的な遺物によって立証していく科学である。その結果、どこが一番、邪馬台国のあった場所として妥当な地なのかを判断するわけだ。だから、根拠もなく「九州だ!九州だ!」と頑張っても何の意味もない。まぁ、そうは言っても、観光関連産業などにとっては、由々しき問題だろうなぁ。しかし、仮に畿内説が確定したとしても、古代日本における九州の考古学的価値というのは、いささかも揺るがないだろう。それはよく使われる、南北をひっくり返した日本地図で見る九州の地政学的な意味でも間違いないだろう。そんなことを考えながら、明日は大宰府の九州国立博物館で行われている「古代九州の国宝」展を見てくるとしよう。

「向田邦子」がわかったつもり・・・

2009-11-15 14:35:08 | テレビ
 昨夜の「BS20周年ベストセレクション『金曜特集 没後20年 向田邦子が秘めたもの』」は見ごたえがあった。2001年の7月に放送されたものらしいが、その頃は忙しかった時期で見ていない。向田邦子の生い立ちと成功までの足取り、秘められた恋、父親との確執などがわかりやすくまとめられていた。これまでもNHKのドラマ「父の詫び状」やTBSのドラマ「向田邦子の恋文」、それに没後、彼女を取り上げたいろんな番組などを見ていたので、特に初めて知るような内容はなかったが、彼女について断片的に知っていたことが体系的に整理でき、彼女がホームドラマの女王に登りつめた理由の一端がわかったような気がした。しかし、彼女が書いたテレビドラマは沢山見ているが、実際に読んだ小説やエッセイなどの数はそう多くない。これから少しづつ読んでいきたいと思う。ところで、テレ朝では明日から、先日亡くなった森繁久彌さんを偲んで「だいこんの花」を放送するらしい。残念ながら熊本朝日放送では予定がないようだが、いつか放送してくれれば嬉しいのだが。