徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

想い出アルバム

2020-11-30 22:53:33 | 音楽芸能
 今年、舞踊団花童を退団したゆうあ・きみか姉妹の、小さい頃からの写真がだいぶあるはずなので、抜き出してアルバムにしてあげようと取り掛かった。ところが、古い写真は何枚ものDVDに分けて保存しているので探し出すのが大変。ゆうあちゃんは約10年にわたるので、これがなかなか作業が進まない。二人のお母様にも約束しているのでなんとか年内には1枚のDVDにまとめて「想い出アルバム」としてお渡ししたい。さて明日から気合を入れなおして始めるか。


ゆうあ(右)・きみかの姉妹

父の見た風景

2020-11-29 23:22:53 | ファミリー
 父が他界して20年。今でも、生前、あそこに連れて行ってやればよかったなぁと思うことがある。僕が熊本に帰ってきた頃はもう外出もままならない状態になっていた。そうなる前は、2年前に他界した義兄が時々連れて行ってくれたらしい。よく行きたがったのはやはり幼い頃や教職時代の思い出の地だったそうだ。
 最近、僕自身がそんな父の思い出の地へ行きたくなることがよくある。僕の中に内在する父が行かせているような気もする。

▼泰勝寺跡
 今から100余年前、幼い頃の父が日参した泰勝寺。長岡家のお坊ちゃまの遊び相手としてお屋敷へ通った。幼い父にとって山門前の石段を登るのも大変だったかもしれない。謡曲の稽古がある時は父も末席に座らせられたという。


泰勝寺山門


▼河内川沿いの山道
 母の生家がある玉名市大浜町からの帰りは河内川沿いの山越えの道(県道101号)がことのほか好きだった。途中の天ヶ庄には鮎帰の滝があり、その上に水車がポツンと1基。昔は河内川沿いに80基ほどの水車があり、米や雑穀をつく動力としていたらしい。


河内町の鮎帰の滝


▼旧松尾小学校
 昭和6年9月、父が初任地として赴任した松尾小学校(後の松尾東小学校)。児童数の減少により、小島小学校に統合され、廃校となった。父はこの学校に最も愛着が強かったようだ。父は、この学校が廃校になったことは知らない。


旧松尾小学校前から金峰山を望む

湖北の夕景

2020-11-28 20:43:15 | 
 「毒を放出!」という意味深なタイトルのブログに琵琶湖・湖北の夕景写真が掲載されていてしばらく見入ってしまった。琵琶湖東岸の彦根に住んでいたのはもう26年も前になるが、仕事で何周もした琵琶湖の最も好きな風景が湖北の風景である。日暮れ間近の金色に輝く湖面、薄暮はやがて紫に、そして夜の帳の中に消えていく竹生島。ユーミンの歌で聞いたような詞がフッと浮かび胸がキュンとなる。しばらく読んでいない白洲正子の「近江山河抄」をまた読んでみたくなった。

▼能「竹生島」

その時虚空に音楽聞え。その時虚空に音楽聞え。花降り下る。春の夜乃。月にかゝやく乙女の袂。返すがえすも。おもしろや

「竹生島がいつも女性にたとえられるのは、その姿が優しいだけでなく、母なる湖を象徴したからであろう。祀られているのも、ツクブスマという女神で・・・」(近江山河抄より)

鼓の音

2020-11-27 20:27:19 | 伝統芸能
 先日、叔父の四十九日に参列しての帰り、河内川沿いに山越えの道を通った。この道を通るのは久しぶりだったので、野出の鼓ヶ滝で車を停めてしばし眺めた。この滝は歌枕として知られ、詠み人はよくわからないようだが

 音に聞く鼓の滝を打ち見れば山川の鳴るにありける

という歌が知られており、落語の「西行鼓ヶ滝」などにも引用されている。滝の音に聴き入っていると確かに鼓の音に聞こえなくもない。家に帰りついてからホンモノの鼓の音が聞きたくなり、YouTubeに登録したなかから次の2曲を選んだ。
1曲目が長唄「晒女」で「晒し芸」の音楽としてよく知られている。
2曲目は長唄「勧進帳」で終盤に盛り上がる「滝流し」の部分。


鼓ヶ滝(熊本市西区河内町野出)


2016.12.25 熊本市国際交流会館 長唄 晒女


2016.1.10 熊本市国際交流会館 長唄 勧進帳 ~滝流し~

YouTube 12年

2020-11-26 22:41:17 | Web
 YouTubeを始めてやがて12年になる。これまで登録した動画は、公開、限定公開、非公開を合わせて660本余り。おかげでチャンネル登録していただいた方は5930名様となった。始めた時はこんなに続くとは思ってもみなかった。内容的には2010年頃から少女舞踊団ザ・わらべ(現舞踊団花童)の映像が中心になり、振り返ってみると彼女たちの成長の記録のようでもある。今年はコロナ禍でイベントもほとんど中止となり、動画を撮影する機会もなくなってしまったが、僕自身も以前のようにビデオカメラを抱えてあちこち廻る元気もなくなり、はたしていつまで続けられるか甚だあやしくなってきた。


三島由紀夫没後50年

2020-11-25 17:42:13 | 文芸
 今日は三島由紀夫没後50年の日。あの日のことを今でも鮮明に憶えている。横浜で新入社員研修期間中だった。福利厚生施設のテレビを何度も見て事件の推移を見守った。最初は「なんと時代錯誤な…」という気持で見ていた。しかし、割腹自決という結末に、テレビを見ていたみんなの表情が凍りついた。それでも、どこか遠い世界の出来事のような気がしていた。しかし、数年後、実は意外に近いところで起こった事件であることに気がついた。三島をこの事件に駆り立てた動機のひとつに、明治9年、熊本で起こった神風連の乱に共感したことがあるといわれる。三島事件の翌年、僕は「神風連実記」の著者・荒木精之先生にお会いする機会があった。その5年前、三島由紀夫が「豊饒の海」の第二部「奔馬」の執筆に当って、荒木先生に会って取材をしたことも知った。
 没後50年となる今年、奇しくも、三島由紀夫の才能を見出したという蓮田善明のご次男・蓮田太二慈恵病院院長や映画「春の雪」に主演した竹内結子さんが亡くなった。
 三島事件とはいったい何だったのだろうか。50年経った今もよくわからない。

▼三島由紀夫ゆかりの人と場所


昭和41年8月、「豊饒の海」の第二部「奔馬」の取材に訪れた三島由紀夫を熊本駅で見送る荒木精之


三島由紀夫が心酔したという神風連副隊長・加屋霽堅(かやはるかた)の墓(小峰墓地)


「豊饒の海」の第一部「春の雪」を熊本出身の行定勲監督が2005年に映画化した。


三島由紀夫と蓮田善明そして種田山頭火(2012年1月の熊日新聞より)


三島由紀夫の戯曲集「近代能楽集」を映像化

ピンタレストにピンされた記事

2020-11-24 19:37:30 | Web
 gooブログのアクセス解析を見ていたら、アクセス元ページの中に「ピンタレスト(Pinterest)」が含まれていることに初めて気付いた。「ピンタレスト」というのは写真共有サービスサイトのこと。「へぇ、僕のgooブログ記事をピンする人がいるんだ!」と思いながら、さっそく「ピンタレスト」で、僕の記事を検索してみた。21個見つかった。それが下の画像である。これを見ていると、注目していただく記事の特徴がなんとなくわかるような気がする。


ダイジョーブですか!?

2020-11-23 14:48:42 | ニュース
 昨日、全国各地の観光地の混雑ぶりがテレビで放送されていたが、大宰府門前町の様子を見てビックリ。まさに密の状態。マスクを着けていない人も散見されるが大丈夫なんだろうか。息子が大宰府のホテルで働いていて、宿泊客の激減をぼやいていたが、GO TOキャンペーンが始まってからは土日は客が戻ってきたという。しかし、写真のような状況だと感染が拡大してGO TOも停止となる恐れもあり、門前町の賑わいも複雑な思いが交錯する。


太宰府門前町の昨日の様子


今年5月中旬の太宰府門前町の様子

我慢の三連休

2020-11-21 20:03:16 | 世相
 今日から三連休。こちとらはあまり関係ないが。テレビでは盛んに「我慢の三連休」だと言っている。昨日から旧細川刑部邸の紅葉開放が始まったので午後から覗いてみた。入口で検温、手の消毒、連絡先記入を済ませ、邸内に入ってみると、好天に恵まれたにもかかわらず、たしかに例年より人出は少ない。昼前ごろには全国の感染者数が最多になりそうだというニュースも流れていたせいか、外出を躊躇する人も多いのだろう。刑部邸の紅葉はというと、邸前の大銀杏はほとんど落葉している一方、邸内の紅葉はまだまだといった様子。数年前には大銀杏と邸内の紅葉時期がほぼ同時だった記憶があるが、今年の気候が特異なのか、あるいは気候変動が進んでいるせいなのか気になるところだ。




木遣り歌のはなし。

2020-11-20 20:24:36 | 伝統芸能
 本條秀美さんによると、3日前にこのブログに書いたばかりの「熊本県邦楽協会演奏会」の開催があやしくなってきたそうだ。現下のコロナ情勢を考えると無理をして開催しない方がいいと思う。
 本條さんは「邦楽協会演奏会」の有無にかかわらず、来年の「俚奏楽」の課題は「伊勢木遣り」系の歌に取り組むことだそうだ。
 ところで「木遣り歌」っていったい何?という話だが、今日では消防団の出初式とか結婚式の祝木遣りなどでしか触れることはない。日本民俗学の巨人、折口信夫の講演をまとめた「日本芸能史六講」(昭和19年出版)によれば、「木遣り歌」について次のように述べている。

--近代の初め、戦国時代が済んで太平の世の中が来るという時代に、一番目につくのは、「木遣り歌」であります。山から伐り出した木を、地べたを引きずりながら引き出す時に謡う歌であります。この木遣り歌が変化して、職人の街であった江戸に非常に発達して来ますが、それがどういう道筋を通って発達したかということはよくわかりません。しかし、ともかくこれは同種類の動作ならば他のものへも融通せられた歌のようです。たとえば「石曳き歌」なども名古屋城を築く時に謡ったものだなどと言われますが、やはり木遣りと同じことであります。ただこれがどちらが早いかというと、われわれにはわかりません。いずれにしても、木遣りとか石曳きとか、そういう労働する時に謡われるということは、労働の動作が連続的でないということです。つまり、その歌を謡う時は労働する人は、囃すくらいで動作を止めて黙って聞いているというわけで、非常に緩慢な動作なのです。そしてわからぬことは名古屋城石曳き歌には、「わしが殿御はなごやにござる」という風に謡っていることです。
これは私の殿御が名古屋にいるというのか、あるいはなごやという人ですというのか、わからぬのです。それが人の名であるとすれば、名古屋山三郎という出雲の阿国の踊りを助勢した人物のことではないでしょうか、ともかく名古屋山三郎のいる時分に謡われているのです。だから何か引っかかりがあるかもわからないのです。--

 出雲阿国のかぶき踊りとの関係はともかく、「木遣り歌」が江戸の「粋でいなせな」美意識と結びついて大いに発達したことは間違いないようだ。そしてそれは江戸端唄にも取り入れられ、お座敷でも歌われるようになった。その一例が下の「木遣りくずし」である。


細川ガラシャの後半生

2020-11-19 17:10:48 | ドラマ
 昨夜の「歴史秘話ヒストリア」(NHK総合)は、戦国の世を気丈に生きた細川ガラシャを取り上げた。
 大河ドラマ「麒麟がくる」は来年2月のエンディングに向けて終盤に入っていくので、その番宣の意味もあったのだろう。しかし、昨夜の「歴史秘話ヒストリア」におけるガラシャの後半生の部分は「麒麟がくる」では放送されない。ガラシャが20歳の時、父明智光秀は死んでしまうからだ。このドラマの企画は10年ほど前、京都府と兵庫県の11市町が「細川ガラシャを主人公とした大河ドラマを!」という誘致活動を始めたことが実現のきっかけとなった。しかし、ドラマは明智光秀を主人公とする物語となり、前述のようにガラシャの後半生の部分は描かれないことになった。昨夜の「歴史秘話ヒストリア」はそのエクスキューズの意味もあったのかもしれない。


堂本印象 画「 栄光の聖母マリア(一部」


(2014.6.5 熊日新聞)


オペラ「勇敢な婦人 細川ガラシャ」より

山頭火・味取観音紅葉まつり

2020-11-19 09:17:58 | イベント
 毎年秋恒例の「山頭火・味取観音紅葉まつり」のお知らせです。
 今年はコロナ感染防止対策のため、規模を縮小して行われます。

【日時】 11月29日(日)午前10時~午後3時
【場所】 味取観音瑞泉寺境内(熊本市北区植木町味取1)
【内容】 俳句表彰、三十三観音巡礼、写真コンテスト、だんご汁など(変更の可能性あり)
     ※コロナ感染防止のため、講演会や野点などは中止。

 お問合わせは、植木町味取観音瑞泉寺内「うえき・山頭火の会事務局」(電話096-272-2582)まで!


熊本県邦楽協会演奏会は?

2020-11-17 21:08:02 | 音楽芸能
 毎年年初に行われる「熊本県邦楽協会演奏会」を楽しみにしている。コロナ禍が勢いを増す中、来年行われるかどうか心配していたが、本條秀美さんのHPによれば、来年1月31日の開催に向けて動き出したようだ。
 2ヶ月ほど前、本條さんに、「本條さんが唄われる伊勢音頭が大好きで、ぜひまた演奏して…」などと無責任なことを申し上げていたら、そのことについてもHPで触れておられた。恐縮の至りである。
 実は今年2月に行われた「熊本県邦楽協会演奏会」でも伊勢音頭の組曲「俚奏楽 伊勢土産」を演奏されたので、そうそう毎年伊勢音頭ばっかりというわけにはいかない。また、何か別の機会にでも聴かせていただければ嬉しいのだが。


伊勢参宮 宮川の渡し(歌川広重)


俚奏楽 伊勢土産(秀美会)


伊勢音頭(唄方:本條秀美)

巫女神楽は何を舞う?

2020-11-16 17:27:31 | 日本文化
 例年だとまもなく梅林天満宮(玉名市津留)の例大祭がやって来る時季。しかし、今年はコロナ禍のため中止となった。残念だがしかたない。
 この神社は太宰府天満宮より菅原道真公の御分霊社なので、毎年、太宰府天満宮から巫女が派遣され、御神楽を奉納する。毎年彼女らが持参する音源によって「扇の舞」と「榊の舞」が舞われるのだが、詞章が聞き取れないので、いつもどういう趣旨の舞なのかわからないままでいた。今年の春、思い立って太宰府天満宮にメールでおたずねしてみた。しばらくして丁寧なお返事をいただき、明治天皇御製の御歌であることがわかった。
 
▼扇の舞


明治43年、「神祇」の御題で詠まれたもの
「我国は 神の末なり神祀る 昔の手振り忘るなよゆめ」
(わがくには かみのすえなり かみまつる むかしのてぶりわするなよゆめ)

▼榊の舞


明治37年、「鏡」の御題で詠まれたもの
「打向かふ 度に心を磨けとや 鏡は 神の造り初めけむ」
(うちむかふ たびにこころをみがけとや かがみは かみのつくりそめけむ)

民謡魂 ふるさとの唄

2020-11-15 18:08:28 | 音楽芸能
 今週末22日(日)放送の「民謡魂 ふるさとの唄」(NHK総合)では愛知県小牧市を会場に東海地方の民謡を中心に12曲ほどが紹介されます。東海風流プロジェクトの民謡歌手・水野詩都子さんも出演されますが、曲目はなじみ深い曲ばかりで放送が楽しみです。

▼鈴鹿馬子唄
 夏目漱石の「草枕」に登場することでおなじみ。

   馬子唄の鈴鹿越ゆるや春の雨

   春風や惟然が耳に馬の鈴


鳥越の峠の茶屋に立てられた漱石の句碑

 他の曲のうち、次の5曲については当ブログで紹介済みです。ぜひご参照ください。
   ▼平針木遣り音頭
   ▼大津絵飛騨ぶし
   ▼一宮機織唄
   ▼名古屋名物
   ▼淡海節