新作映画「ゼロの焦点」を見た。原作を読んだのも、野村芳太郎版を見たのも、随分前のことなので、ディテールは忘れており、厳密な比較はできない。また比較する必要もないのかもしれないが、これはこれでよくできた映画だと思う。特に中谷美紀扮する室田佐知子の描き方は、中谷美紀の演技力もあって新しさを感じた。しかし、当時、街中に屯する「パンパン」や「オンリーさん」たちの様子がまだ記憶に残っている僕には、どこか違う空気が感じられ、仮想空間の話にしか見えなかった。わざわざセリフの中で「パンパン」を説明しなければならないあたりが、60年の時の流れを感じさせ、この映画を作る難しさだったのだろう。新しい時代の夜明けを印象付けるためか、女性市長誕生のエピソードが織り込まれているが、実際そういう方がいらっしゃったのかどうかは知らないが、米兵相手の過酷な人生を送った女性たちがいる一方で、進駐軍が引き揚げて間もないこの時期に、こんなウーマン・リブのような運動がはたして存在しえたのだろうか。どうもしっくり来なかった。
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