TBSのドラマ「JIN-仁-」が、視聴率17%台を維持して好調のようだ。その理由はわからないが、僕個人としては、中谷美紀扮する花魁・野風が出始めてから、一気にドラマに厚みが増したような気がする。江戸時代と現代に生きる女性二役を演じているが、「SAYURI」的なサイドストーリーもあり、今後、主人公の南方仁に、どう絡んでいくのか楽しみだ。それにしても、中谷美紀の存在感が、最近とみに増してきたように思う。この7、8年に見た彼女の出演映画をあげてみると「壬生義士伝」「雨鱒の川」「約三十の嘘」「ホテルビーナス」「電車男」「あかね空」「7月24日通りのクリスマス」「嫌われ松子の一生」「シルク」「自虐の詩」と、映画の出来はともかく、彼女の演技に関してはハズレがない、と思う。また、テレビドラマでも最近、白洲正子を演じたり、最新の映画「ゼロの焦点」の公開も控えている。まさに絶好調といった様子なのだ。そうした自信が花魁・野風の演技にも滲み出ていて、廓の中で、あたりを睥睨する眼力はたいしたものだ。今後がますます楽しみな女優さんだ。