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徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

オミナエシの話題

2025-08-24 21:25:01 | 季節
 毎日、季節の俳句を楽しませていただいているブログ「ころころの毎日が俳句・ハイク」さんの今日の季語は秋の七草の一つ「女郎花(オミナエシ)」。あゝもうオミナエシが咲く季節なのだなと認識した。
 そこで「オミナエシ」の話題を三つ。

 細川忠興公が朝鮮出兵にあたってガラシャ夫人に送った歌と夫人の当意即妙の返歌の話がある。
 忠興公の歌は
  「なびくなよ わがませがきのおみなえし あらぬかたよりかぜはふくとも」
 これに対するガラシャ夫人の返歌が
  「なびくまじ わがませがきのおみなえし あらぬかたよりかぜはふくとも」
 これは、忠興公が美貌のガラシャ夫人を籬で囲った女郎花にたとえ、自分の留守中にあらぬかた(太閤の暗喩)からの誘いがあってもけっして乗ってはいけないという戒めと、それに対して絶対にそんなことはしないというガラシャ夫人の決意を歌で交わしたもの。

 わが母がまだ書道をやっていた15年程前、師範から与えられた課題の中に、与謝野晶子の女郎花の歌があった。課題は毎回、僕が拡大コピーして母に渡していたのでよく憶えている。
 「山裾の小松が下の赤土に 乏しく立てる女郎花のはな」
 この短歌はその時初めて知ったのだが、女郎花という艶めかしい名の花が乏しく立っている状態とはいったい?と不思議に思った。小松の下の赤土に生えた状態がみすぼらしく見えたのか、余分な葉がないオミナエシの咲き方が貧相に見えたのかいまだに答えは出ていない。

 柳田国男の「歳時習俗語彙」には盆花採りの話が書かれている。迎え盆では精霊はこの花とともに家に来るものと考えられていたという。その盆花には必ずなくてはならぬという一・二種の花があり、肥後玉名郡などでは盆花は桔梗と女郎花の二種と決まっていたとも書かれている。

※上はわが母の書

水温30℃超えたら生きられません!

2025-08-06 19:55:25 | 季節
 このところテレビでは「危険な暑さ」というワードを聞かない日はない。今日は山梨県大月市の桂川で鮎が死んで浮いているというニュースが流れていた。雨不足で川の水位が下がった上、連日の猛暑で水温が30℃を超えるほどだというが、水温28℃以下でないと鮎は生きられないらしい。
 それで思い出したのは水球をやっていた学生時代、東横線沿線の慶応日吉キャンパスのプールへ学生リーグの試合によく行った。ある年の夏、猛暑が続いて水球用プールの水温が30℃を超えていた。ただ水に浸かるだけだったらぬる湯で気持がいいくらいだが、いざ試合が始まって泳ぎ回り始めたらオーバーヒート状態。ピリオド間の休憩でプールサイドに上がると汗が噴き出た。結局、両チームともダラダラとした凡戦になってしまった。
 鮎も川の中で泳ぎをやめるわけにはいかないので水温の高さに耐えられなかったのだろう。

八朔参り

2025-08-01 19:57:02 | 季節
 今日の八朔(八月朔日)参りは、先月の朔日参りにも増して酷暑だった。拝殿での参拝を済ませた後、境内の摂社・末社を巡った。距離にしてわずか150~160㍍に過ぎないと思われるが、高齢の身にはこたえた。ひと通り巡り終えた時、地べたに敷いた敷物に座って写生に勤しむ中年の女性が目に入った。日陰にはなっていたが、この気温の中、長時間坐してはつらかろうと思い声をかけた。
「暑いですね。大丈夫ですか?」
「いえ、大丈夫です!」
「写生ですか?」
「ハイ!近々展覧会があるものですから、それに間に合わせようと思って」
 ご自身が所属されている絵画の会の展覧会が、9月1日から上通郵便局ギャラリーで行われるという。絵を覗いてみると、まだラフな描画の段階だが、末社の六所宮あたりを描かれているようだ。
「くれぐれも熱中症にはお気をつけて」と言って立ち去ろうとすると
「展覧会、ぜひ見に来てください!」
 作品の出来映えを見たくなった。

今日の藤崎八旛宮

七夕のはなし。

2025-07-04 22:31:30 | 季節
 菅原道真公を祭る山口県の防府天満宮では今、「七夕まつり」が行われているとネットニュースで見た。僕が防府にいた頃、そんな祭りはなかったので調べてみたら、御神忌1111年目、つまり菅原道真公がお亡くなりになって1111年目にあたる2013年から始まったらしい。機会があったら一度祭り見物に参詣したいものだ。
 ところで、旧暦の月の呼び名(和風月名)では7月のことを「文月(ふみづき/ふづき)」と呼ぶ。「文月」の名の由来は、7月7日の七夕に書物を夜風にさらしたりする風習があったからといわれている(諸説あり)。つまり月名そのものが七夕と関係があるわけだ。
 そして、その菅原道真公が大宰府で7月7日に詠まれた歌が

  ひこ星の行き会いをまつかささぎの渡せる橋をわれにかさなむ

 意味は、彦星と織姫との出逢いに備え天の川に架けるというカササギの橋を、どうか私にも貸してほしい、ということらしい。

 この和歌をモチーフに織姫と彦星の天の川での七夕の逢瀬を唄ったのが下の端唄「もみじの橋」。
旧暦7月(今の8月頃)は秋の気配を感じ始める頃。今日の七夕の季節感とは違和感も…


花浜匙(ハナハマサジ)と橘(タチバナ)と

2025-05-01 22:47:59 | 季節
 今日は皐月朔日(さつきついたち)。例月のように藤崎八旛宮へ朔日詣りに行った。藤崎宮は楼門の屋根葺き替え工事中のため、拝殿前まで行くには脇の通用口からしか入れない。お詣りは普通に済ませたものの「なんだかなぁ」といった気分。
 いったん帰った後、歩いて京町本丁郵便局へ郵便物を出しに行った。ついでに近くの往生院にも寄ってお参りした。百体目の放牛地蔵の方に視線をやると、居並ぶ七体のお地蔵さんそれぞれの前に紫色の花が供えてあるのが見えた。近づいてお参りしながら確認すると、見たことのない美しい花だったので家で花名を調べてみようとデジカメで撮影した。
 帰り道、宇土小路を歩いていると、とある民家の庭に大きめのミカンのような実がいっぱい生った木に白い花が咲いていた。直感的に一昨日ブログに書いた「新古今和歌集」の式子内親王の歌に出てくる「タチバナ」ではないかと思った。塀越しに匂ってみると柑橘系の爽やかな香りがした。これも調べてみようとデジカメで撮影した。
 帰ってからネット検索で調べてみると、往生院で見た紫色の花は花浜匙(ハナハマサジ)だとわかった。次いで「タチバナ」ではないかと思った花はやはり間違いないようだ。あの香りを平安歌人は「昔の人や出来事を思い出させるもの」と詠んでいたわけだが、「タチバナ」の香を香水(まさにシトラス系の香水)として使っていたからだという説もあるようだ。


往生院のお地蔵さんに供えられたハナハマサジ(学名:Limonium sinuatum)


京町の民家に咲くタチバナ(学名:Citrus tachibana)



テイカカズラの香り

2025-04-29 21:07:51 | 季節
 わが家の裏の法面に繁茂するテイカカズラの花が甘い芳香を漂よわせている。
 「定家葛(テイカカズラ)」の名は、式子(しょくし)内親王(1149-1201)を愛した藤原定家(ふじわらのていか)が、死後も彼女を忘れられず、ついにテイカカズラに生まれ変わって彼女の墓にからみついたという伝説に基づく能「定家」から付けられたという。式子内親王は、後白河天皇の第三皇女で、「新古今和歌集」の代表的な女性歌人として知られる。
 昨年、学習院大文学部を卒業された天皇、皇后両陛下の長女愛子様は、卒業論文に「式子内親王」を取り上げられたというニュースを思い出した。

 「新古今和歌集」の式子内親王の歌を読んでいたら、夏の歌の中に次の歌があった。

 かへりこぬ昔を今と思ひ寝の夢の枕ににほふ橘

【通釈】再び戻って来ない昔を、今のことのように思いながら寝入ると、うつらうつら夢見る枕もとに
    匂ってくる、橘の花の香よ。(橘の花の香りは昔を思い出させるものとされていた)

 後期高齢者となった身にはとても胸に響く歌である。つい大好きなシャルル・アズナヴールの「帰り来ぬ青春」を思い出してしまった。


新坂の山側法面に繁茂するテイカカズラ

   ◇シャルル・アズナヴールの「帰り来ぬ青春」

gooブログ最後の桜便り

2025-04-16 20:11:58 | 季節
 今日は今春最後の花見をしようと熊本城二の丸・三の丸周辺を見て回った。ソメイヨシノはほとんど葉桜になってしまったけれど、まだまだ遅咲きの桜花たちが目を楽しませてくれた。
 おそらくgooブログに投稿する最後の桜便りになるだろう。


ホウミョウジザクラ(監物台樹木園)


祇王寺祇女桜(監物台樹木園)


八重桜(護国神社)


御衣黄桜(三の丸漆畑)

   最後は賑やかにボカロ・初音ミクの「千本桜」で締めくくるとしよう。

春の終わりの御衣黄桜

2025-04-12 16:08:23 | 季節
 どうやら明日からまた雨になりそうだというので、熊本城三の丸の「御衣黄桜」を見に行った。そろそろ満開になると思われる。「御衣黄桜」は桜の季節が終わりかける頃に咲くので、毎年「御衣黄桜」を見て春の終わりを認識する。これまで三の丸で「御衣黄桜」を観察していて他の方と出会ったことはほとんど無かった。ところが、今年は何人かの方から「御衣黄桜はどれですか?」とか「御衣黄桜を見に来ました!」などとお声をかけていただいた。この桜への注目度が高くなりつつあるようで「御衣黄桜」ファンとしては喜ばしい。例年より長く見られたソメイヨシノもすっかり葉桜になりつつある中、「御衣黄桜」が気高く清いその姿で春を締め括ろうとしている。そこで拙句を一句

   往く春を惜しむ御衣黄桜かな


いつ見ても清々しい色合いの御衣黄桜


御衣黄:平安歌人の纏う唐衣の下にのぞく表着(うわぎ)の「萌黄色」Color Code:#aacf53

2025春 寸描

2025-04-09 21:04:58 | 季節
 桜吹雪が舞い、今年の春もやがて過去の思い出になろうとしている。
 今年の春、ちょっと気になった風景を挙げてみた。


熊本城三の丸の北側法面に並んだ見事な桜並木。毎年思うことだが、ここの桜は上からも下からも近寄れないのが残念だ。


今年ほど花見に多くの外国人が来ているのを見たことがない。熊本城二の丸住江門で見たイスラム系のファミリー。


熊本市北区の「高平・坪井川遊水地花公園」の桜と菜の花の向こうに見える浄国寺。1年以上、谷汲観音様のご尊顔を拝していないので近いうち参拝しよう。


先日、わが家の墓参りに行ったら、隣の墓の解体工事が行われていた。石材業者の話では、最近は墓を建てるより「墓じまい」で解体することが多いのだそうだ。わが家も他人事ではない気がした。

桜春想

2025-04-04 21:06:31 | 季節
 今日は快晴で温暖、風もなく、折しも桜は満開、この春最高の花見日和となった。今日が一年のうちで最も彩り華やかな日になりそうな気がして熊本城へ向かった。


新堀橋から金峰山を望む。熊本城三の丸北面の桜並木が美しい。


監物台側から大小天守を望む。老樹の伐採でかつての桜の賑わいこそないが、次の世代に期待しよう。


護国神社前の桜。スマホで桜の撮影に興じる人たち。


一昨日、まだ1週間以上先だろうと思っていた三の丸の御衣黄桜がほころび始めた。

熊本城には「桜の馬場」や「桜橋」そして城下に「桜町」など、歴史的に桜とのゆかりを感じさせる。
2016.3.21 益城町文化会館
 筝:蓑田由美子
尺八:佐藤翔山
小鼓:中村花誠
大鼓:今村孝明
舞踊:花童&はつ喜

御衣黄桜はまだか!

2025-04-02 18:31:28 | 季節
 昨年の今頃は、熊本城三の丸漆畑の「御衣黄(ぎょいこう)桜」が咲き始めていたので、様子を見に行ってみたが、今年はまだまだあと1週間以上先と思われる状態だった。「萌黄(もえぎ)」と呼ばれる御衣黄の色合いはいつ見ても爽やかで心が洗われる思いがする。開花が待ち遠しい。


昨年、咲き始めの頃の「御衣黄桜」

 御衣黄の名前の由来は、平安時代の貴族の着物の色「萌黄(もえぎ)」に似ているからだという。「萌黄」を辞書で調べると「襲 (かさね) の色目の名」とある。十二単(じゅうにひとえ)の構成は、「唐衣(からぎぬ)・表着(うはぎ) ・打衣(うちぎぬ)・五衣(いつつぎぬ)・単衣(ひとえ)・長袴(ながばかま)・裳(も)からなる」といい、そのうち「表着」に「萌黄」色を使うという。


紫色の唐衣の下に萌黄色の表着が見える。(2023年5月の代継宮「曲水の宴」より)

本妙寺つれづれ

2025-03-27 16:59:42 | 季節
 昨日は花園公民館図書室へ行ったついでに本妙寺の桜開花状況を見に行った。
 明後日(29日)夕刻より桜の季節の恒例イベント「桜灯籠(はなとうろう)」が開催されるが、午後1時からはステージイベント「本妙寺さくら祭り」(夏目漱石来熊130周年プレイベント)も行われる予定。
 もうすっかり準備万端という感じの桜馬場を歩いていると、犬の散歩中、リードを離してしまい、逃げ出した犬を追いかけて若い女性が必死に走って行った。塔頭の一つ、妙心院の入口にあった「役者寺」の標柱が無くなっているのが気になった。

▼明後日(29日)の桜馬場はこんな風景が見られるだろう。


▼塔頭東光院のしだれ桜は満開までもうひと息といった感じ。


▼本妙寺大本堂前のしだれ桜はもう満開。




ひな祭り

2025-03-03 19:04:52 | 季節
 今日は「桃の節句=ひな祭り」の日です。もともと旧暦の3月3日の節句で、今年の暦では3月31日にあたるそうです。その頃は桃の花が咲く頃なので「桃の節句」となったわけです。今はまだ桃の花は咲いていませんが、3月31日には綺麗に咲いていると思われます。

 そこで、「ひな祭り」を詠んだ句を三句選んでみました。

   雛祭る節供になりて春の雪(正岡子規)
      まさに、今年は東日本がこんな状況になっています。
      風雅を感じますが、降雪地方の方はそんな悠長なことは言っていられないでしょう。

   或夜夢に雛娶りけり白い酒(夏目漱石)
      春の夜にうたた寝をして「雛」を娶る夢を見たのは飲んだ甘酒のせい?
      何やら怪しく幻想的な句。漱石熊本時代の一句。

   白酒の紐の如くにつがれけり(高浜虚子)
      つがれている白酒がまるで瓶から垂れている紐のようにみえるという
      虚子さん少しお酔いになりましたか、という感じの一句。


今はまだ咲いていないが、旧暦の3月3日(3月31日)にはきっと桃の花も咲いていることだろう。
(昨年の柿原桃畑の様子)

梅は咲いたが…

2025-03-01 20:03:33 | 季節
 今日は2,3日前の寒さがウソのような暖かさ。朝から藤崎八旛宮に朔日詣りを済ませ、午後は、ほとんど外出できなくなった103歳の母を車に乗せ、見ごろを迎えた護国神社の梅園へ出かけた。妻と姉が同行してくれた。やわらかい日差しの下、母も久しぶりに外の空気を満喫してくれたようだ。
 今年の梅は紅白混じった花が特徴的。たしか昨年までは真っ白な花を咲かせていた梅の木にほのかにピンク色をにじませたような花を開いている。そんな木が何本も目についた。開花が一ヶ月も遅れたことや気候変動などの影響があるのだろうか。そうなると心配なのが次の「桜」のこと。今月下旬には桜の開花が始まるだろうが、今までと同じような美しい花を見ることができるだろうか。


紅白混じった梅の花


紅梅は今までどおり

      〽 梅

草の芽の便りきいたか

2025-02-21 20:45:38 | 季節
 わが家の白梅もやっとほころび始め、護国神社の梅園の紅梅は開き始めた。寒波が襲来する中、春はたしかにその歩みを進めている。
 昨年の今頃は、坪井川遊水地の河津桜もだいぶ咲いていたので行ってみた。しかし、まだ蕾は固く開く気配も感じられない。樹下をふと見ると、小さなピンクの花をつけた野草がビッシリ。踏むのが可哀想で足の踏み場を探しながら土手道へ移動した。何という花なのか帰ってからネットで検索してみた。雑草の一種で「ホトケノザ」という名のようだ。と言っても「春の七草」のひとつである「ほとけのざ」とは別種らしい。丸い葉とその上に咲く花の形状を蓮華座と仏像に見立てた名前だという。
ここにも春を迎えて新しい小さな命が芽生えているのである。


護国神社の梅園の紅梅もやっと花開き始めた。


坪井川遊水地の河津桜の樹下に自生する「ホトケノザ」