NHK総合の「ドラマ10」(火)で放送されている「ハードナッツ! ~数学girlの恋する事件簿~」。
昨年、BSプレミアムで放送されていた時は、なんだか面倒くさそうなドラマだと思って見なかった。今度はNHK総合で再放送となったが、主役の橋本愛と高良健吾の二人とも熊本市出身ということもあって、見ないと悪いかなという気もあり見始めた。ところがこれが意外と面白い。橋本愛のちょっととぼけた天才数学girlぶりや高良健吾扮する刑事との微妙な関係などコメディとしても楽しめる。
考えてみると、まさに今、僕たちがパソコンで使っている写真や動画や音楽など、すべて裏では数学が使われているわけで、時にはそのことに思いを致すことも必要な気がする。
先週の第3回では「ピタゴラス音律」の話が出て来た。今日の「ドレミ音階」は紀元前、古代ギリシャの数学者ピタゴラスの発見に始まるといわれる。そして、今、僕たちが聞いているドレミの音とは違っていて、少しずれている。ドラマでは、この「ピタゴラス音律」を研究していた大学教授が殺害される。そしてその教授がダイイングメッセージとして残した「ピタゴラス音律」のメロディがヒントとなって、橋本愛扮する数学girlが犯人をあぶり出すというわけだ。
ドラマの中でも語られるが、中世ヨーロッパの音楽は「ピタゴラス音律」で演奏されていて、その代表的な例として「グレゴリオ聖歌」などがあるという。以前、このブログでも取り上げたことがあるが、邦楽の中で筝曲の代表的な一つである「六段の調」は、16世紀中頃、キリスト教が日本に伝来した時に一緒に渡って来た「グレゴリオ聖歌」の中の「クレド」が原曲ではないかという説がある。もし、それが真実だとすると「六段の調」をもとにして作られた端唄「六段くずし」は、何と、もとをたどればピタゴラスに行き着くというわけだ。世の中は面白い!
▼ザ・わらべ が踊る「六段くずし」