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阪急北千里線梅田駅

2008年10月10日 | 日々の雑感
阪急北千里線梅田駅

阪急北千里線の起点駅はどこなのだろうか? 阪急の梅田駅にはいちおう北千里線という表示があるので、梅田駅が起点になっているのだろう。ただこの線は淡路駅までは京都線と乗り入れみたいになっている。

私は阪急の梅田駅と南海の難波駅以外の私鉄の起点駅(阪神の梅田駅とか近鉄のなんば駅など)はあまりしらないから正確な比較はできないが、私がはじめて大阪にやってきた30数年前と変わらない建物や雰囲気をもっている駅の一つが阪急梅田駅だ。乗客が運んでくる泥も誇りもみんな塗り固められてぴかぴかに磨かれたフロア、ワンフロアのすっきりした構造、一階に下りる長いエスカレータ、中二階にある喫茶店のフレンチトースト(私は30年ほど前にここではじめてフレンチトーストなんてハイラカなものを食べた)、宝塚歌劇のテーマソング、そして渋いこげ茶色の電車。ずっと変わらない。なんてしゃれた駅なんだろう。

その30数年前、私が大阪の大学を受験するためにはじめて阪急の北千里線に乗ったときのことは忘れられない。たぶん2月はじめでまだ寒かった。北千里線は改札を入ると一番右手にある。改札を入った位置からみると、京都線の各駅停車の3番ホーム、急行の2番ホームと続き、一番右手に北千里線と京都線の特急の1番ホームがある。私は1番ホームに停まっている北千里行きに乗ろうと北千里行き電車と京都行き急行のあいだのホームに歩いていって、北千里行きの電車のドアがしまっているので手で開けようとした。ところがどうやっても開かない。おかしいなと思って向こうを見ると反対側のドアが開いているではないか。私は一瞬にしてここは鳥取のような田舎ではないのだということを理解して、顔を真っ赤にした(のだと思う、たぶん)。鳥取の伯備線のような寒い(雪も積もる)地域の列車(まだ電化していなかったので電車ではなくディーゼルカーだった)は、駅に停車しても自動的にドアが開くということはなく、乗客が自分で開け閉めする。それは乗客が少ないので、だれも乗り降りしない客車のドアを開けて暖気を無駄に逃がしてしまうことがないようにするための知恵だ。どの駅でもたくさんの乗客が乗り降りする都会の電車では考えられないことだが、はじめて都会の電車に乗る私はそんなことは知らないし、どこのガイドブックにも書いてなかった。はじめてパリに行ったときにさえ、パリの地下鉄のドアは鉤ヅメを自分ではずして乗り降りするということを知っていてカルチャーショックなんか受けなかったのに、こともあろうに大阪でカルチャーショックを受けるとは。

学生時代に暇な時間ができると遊びにでかけるのは決まって阪急梅田駅だった。最初に電車にのったのがこの駅だったので、刷り込みみたいになっていて親鳥のもとに帰るように、ここに戻ってきていたような感じだった。パチンコするにしても映画を観るにも本を買うにもアルバイトをするにも、とにかくなにをするにも梅田駅だった。だから梅田駅周辺のことはだいたい頭に入っている。

大学1年の夏休みに阪急デパートでアルバイトをして同じ売り場のお姉さんに惚れてしまい、帰りを狙おうと、地下の従業員出入り口でひたすら待ち続けたこともあった(今で言うストーカーですな)。

宝塚歌劇があるせいかどうか知らないが、阪急電車の乗客は品がいいという話を聞いたことがある。これまた大学1年ときにはじめて浜寺のプールに行くために南海電車に乗ったが、そのとき電車の中でタバコをすっているおっさんがいるとかの乗客の雰囲気から、たしかに違うなと思ったものだ。

その梅田駅で変わったものといえば、電車が発車するときのアナウンスのあとに独特の旋律が流されるようになったことだ。「電車出るで、はよしいや」と叫ぶかわりに、ちょっと躓きそうになる音の動きで作られているが、そのハイカラなこと。さすが阪急電車やなと思わせる。

阪急梅田駅のアナウンス


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