読書な日々

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『新ジャズの名演・名盤』

2015年01月12日 | ジャズ
後藤雅洋『新ジャズの名演・名盤』(講談社現代新書1548、2001年)

サックスのチャーリー・パーカー、アート・ペッパーから、トランペットのマイルス・デイビス、チェット・ベイカー、ピアノのセロニアス・モンクやビル・エヴァンス、その他アート・ブレイキーやヴォーカルまで、ひと通りのジャズ演奏者の名盤・名演と言われるものを収録して解説している。

私のように初心者で、どんな曲を聞いたらいいのか分からないで、結局マイルス・デイビスやビル・エヴァンスなどばかり聞いている人には、ジャズのレパートリーを広げるのに最適な一冊のように思う。

それによく聴いているビル・エヴァンスやアート・ペッパーやソニー・コリンズだって同じアルバムばかりなので、他の曲やアルバムに手を広げるのにも良さそう。

そこでよく知っている演奏者のところから読み始める。最近の私のお気に入りはアート・ペッパーの『アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション』なのだが、これはこの人によると、ジャズ喫茶のおやじが新しくオーディオ装置を導入してテストする時に使うアルバムなのだそうだ。録音技師が有名な人で、自然な楽器の音色をバランスよく録音しているかららしい。

今度は私がよく聞いているビル・エヴァンスを読んでみる。ここではバド・パウエルとビル・エヴァンスが比較されて、前者は、平和な日常生活とは相容れない厳しさがあるので、日常的に聞くような音楽ではなくて、ビル・エヴァンスは毎日聞いても飽きない、日本人にとっての米の飯のようなものだと書いてある。なるほどな。面白いことを書く人だな。『ポートレート・イン・ジャズ』などのことは触れているけど、私の好きな『アイ・ウィル・セイ・グッドバイ』は何も書いていない。やっぱり、ジャズ喫茶のおやじが推薦する曲でなくてもいい曲はあるものだ。

基礎知識がないから、こういう本を読んでみると、いろいろ勉強になっていい。著者の独断と偏見も、それなりに味があっていい。

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