チェ・ソギョン『韓国で行われている「反日教育」の実態』(彩図社、2014年)
図書館に行ったら、返却コーナーにあったので、借りて読んでみた。
韓国の義務教育期間における「反日教育」を、歴史教育だけなく、国語、道徳、音楽の教科書にまで広げて、検証したり、学校外で行われているものとして、刑務所博物館の拷問の展示やボランティア活動で慰安婦関連の行事への参加に大きな配点を与えたり、学校後のものとして公務員試験での「反日」的問題や人気の韓国史能力検定試験の国定化などにまで視野を広げて、検証した本である。
島国であったがゆえに、日中戦争や第二次世界大戦のように、こちらか手を出してしっぺ返しを受けたという稀な例は別として、外国から侵略された経験をもたない日本と違って、大陸と地続きで、つねに中国の支配者や北方の騎馬民族の侵略に脅かされ、また国家転覆的なものではないが倭寇による略奪行為の危険にさらされていた半島の人々が、侵略ということに敏感で、二度にわたる日本からの侵略(秀吉と明治維新後の日本)を記憶から消し忘れたくないのは当然のことだろう。
歴史上の事件や人物などの教科書における扱いが時期によって変化する、しかもドラスティックな変化をして、絶賛から削除へとか、無視からクローズアップ化へ、など大きな変化をするのは、韓国社会が、独裁から民主化へ、そして民主化以後も左右の党派の権力奪取戦の激しさを反映しているように思う。
こうして激しい変化に翻弄されているといえばマイナスのように聞こえるが、運動によってドラスティックに変化する流動的な社会といえばプラスにも評価できるだろう。戦後70年以上も保守政権が居座っている日本が安定しているといえばプラス評価だが、牛歩のようにしか変化しないとマイナス評価も可能なのと同じだ。
数日前の朝日新聞でも山陰の観光業界が大打撃を受けているという記事を載せていた(→こちら)が、徴用工裁判から始まった今年の日韓の関係悪化が、政府レベルだけではなく、旅行者のような民間の交流レベルにも大きな影響を及ぼしたのは、本当に残念だ。

韓国の義務教育期間における「反日教育」を、歴史教育だけなく、国語、道徳、音楽の教科書にまで広げて、検証したり、学校外で行われているものとして、刑務所博物館の拷問の展示やボランティア活動で慰安婦関連の行事への参加に大きな配点を与えたり、学校後のものとして公務員試験での「反日」的問題や人気の韓国史能力検定試験の国定化などにまで視野を広げて、検証した本である。
島国であったがゆえに、日中戦争や第二次世界大戦のように、こちらか手を出してしっぺ返しを受けたという稀な例は別として、外国から侵略された経験をもたない日本と違って、大陸と地続きで、つねに中国の支配者や北方の騎馬民族の侵略に脅かされ、また国家転覆的なものではないが倭寇による略奪行為の危険にさらされていた半島の人々が、侵略ということに敏感で、二度にわたる日本からの侵略(秀吉と明治維新後の日本)を記憶から消し忘れたくないのは当然のことだろう。
歴史上の事件や人物などの教科書における扱いが時期によって変化する、しかもドラスティックな変化をして、絶賛から削除へとか、無視からクローズアップ化へ、など大きな変化をするのは、韓国社会が、独裁から民主化へ、そして民主化以後も左右の党派の権力奪取戦の激しさを反映しているように思う。
こうして激しい変化に翻弄されているといえばマイナスのように聞こえるが、運動によってドラスティックに変化する流動的な社会といえばプラスにも評価できるだろう。戦後70年以上も保守政権が居座っている日本が安定しているといえばプラス評価だが、牛歩のようにしか変化しないとマイナス評価も可能なのと同じだ。
数日前の朝日新聞でも山陰の観光業界が大打撃を受けているという記事を載せていた(→こちら)が、徴用工裁判から始まった今年の日韓の関係悪化が、政府レベルだけではなく、旅行者のような民間の交流レベルにも大きな影響を及ぼしたのは、本当に残念だ。