個人生産者が生産から販売までの全てをやるのが正しいのか、自分が言い続けている、地域の生産者・農協・行政が一体となって、地域ブランド米を作って販売していくスズノブ プロジェクト ライス(SPR)が正しいのか。
共に考え方を譲る気持ちは無く、今も昔もこれからも、多分交わる事なないのだろう。
SPRは、成功率が高いと評価されていながらも、地域が一体とならなければ動けないという問題がある。
しかし、個人生産者の方は、全て1人でやるため、煩わしさがない上に、ストレートに結果が解る。
なので、SPRを全面否定する生産者も沢山いて、今までは、あちらこちらで「愚かな戦略」と陰口を言われ続けていた。
であるが、自分の年齢だけではなく、今年の新米の結果から、個人でやっていく事の限界を感じ、SPRの考え方に興味を持ち始めた生産者が多くなってきて、毎日、生産者からのメールに対して返信をしている。
以前の考え方と違い、生産者が自分でやっていくというのであれば、否定する気持ちは一切無い。
一体となれとも言わないし、一体になろうとも誘わない。
自分の田んぼを自分が管理して、全て自分で販売をして、数年以内に、自分の田んぼを受け継いでくれる人を育てあげられれば、個人の場合は成功なのだろう。
しかしSPRは、地域が一体となって、地域全体が活性化して、地域に若者が入り、地域に産業が生まれ、地域にお金が安定して落ち、元気な地域全体を、次の世代に繋げるための戦略なので、やはり時間はかかってしまう。
今までは必要としなかった、人とのコミュニケーションも、必要不可欠となってしまう。
したがって、今まで個人でやっていた生産者に、「SPRを理解しろ」と言っても、やはり無理なんだろうと思う。
地域が衰退し続け、町や村が廃墟だらけになれば、山から生き物は降りてくる。
それが自然のルール。
今までは、人と人との戦い。
今度は、地域に残った個人生産者と、田畑を餌場とする野生動物との戦い。
たった1人の生産者:何百匹以上と増え続ける野生動物。
そして
気候も変わる。
生活環境も変わる。
流通も変わる。
消費地も変わる。
食文化も変わる。
全てが変わり続ける中で、生産者1人だと、色々と大変になるだろう。
という話しを、某産地にいる研究機関の人と、長い間電話で話しをしていた。
個人生産者からすれば、言いたい事は山ほどあるだろうが、冒頭に述べたように、交わる部分は無いと思う。
なので、コメントしてもらっても、意味は無いと思う事から、コメントは無しにして下さいね。
個人は個人として、頑張って下さい。
自分が言えるのは、それだけです。