仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

色 その科学と文化

2017年08月23日 | 日記
阿弥陀さまの智慧を光にたとえられます。この光という光線は、仏さまの働きと似ています。『色 その科学と文化』(朝倉書店)によると、物理学者のニュートンは、色の研究においてのすぐれた功績を残し1704年に出版して『光学』のなかで「光線には色がついていない」という有名な言葉を残したとあります。赤い光と言っている光は、その光が目に入ると赤の感覚を生じる光のことであって、光自体は赤くはありません。そこでニュートンは赤い光線といわず、赤をつくる光線と呼ぶべきだと書いておるとあります。物質的性質を持つ光は、宇宙誕生以来あったのでしょうが、色というのは、その光を赤と感じる人類、ないし人類と類似した動物の発生とともに、初めて生まれたものだそうです。
 如来もやはり、真如として人類の有無に関われず普遍的なものですが、人々の闇を照らす光となって、その闇に応じた姿で姿を現します。「無常」「縁起」という言葉は、人間の闇を照らす光でもあります。
『色 その科学と文化』(朝倉書店)から興味深い深い色についての記述を紹介します。

日本での色に対する意識の起こり方のひとつには、薬用植物に対する信仰とそれらによって染められた色との関係があることは否定できない。薬草は健康を保ち、病気に対して効果のあるものである。このことから、これらの溶液に布地を漬け,衣服に仕立てて着れが,やはり無事息災であろうという考え方も生まれる。野良着に藍染を使うのは、まむしが藍を嫌いしかも汚れが目立ちにくいという点にあるという。紫染の蒲団が健康に良いとか、幼児の産着をう金で染めると蚤がつかないというのも同様の例である。

白はすべての色の基盤になる色である。とくに我々日本人は白に対して憧れに近い感情を持っている。白は清潔であり、新鮮で“おもしろし”とは“しろたえ”と言った古語を見ての白の優先順位が高かったことがうかがえる。先にふれた余白を生かす日本の絵画も、白い面を優先する考え方の現れである。(以上)

「う金で染め」という語が不明です。「しろたえ」は古語辞典に次のようにありますが、もう少し違った意味がありそうです。①こうぞ類の樹皮からとった繊維(=栲)で織った、白い布。また、 それで作った衣服。
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