『ツカむ!話術』パトリック・ハーラン(角川oneテーマ21 D-19)
著者は、漫才コンビ・パックンマックンのパックンです。彼はハーバード出身で、2012年10月から東京工業大学で非常勤講師として「コミュニケーションと国際関係」を教えているそうです。
法話を語る時に役立ちそうな部分だけ、自分のメモとして挙げておきます。
説得力を上げるファクターとして、アリストテレスの『弁論術』にある「エトス」「パトス」「ロゴス」の3つを挙げています。
エトス:人格的なものに働きかける説得要素
パトス:感情に働きかける説得要素
ロゴス:頭脳に働きかける説得要素
この3つは同等の力があるのではなく、
エトス>パトス>ロゴスの順になっているという。
どんなに綺麗な言葉づかいでどんなに論理的に正しいことを言っても、エトスの信憑性とパトスの感情力をともなわないと説得力がない。
つまり、発言にふさわしい実績・肩書・誠実さといった「エトス」を伴った話し手が、愛・組織愛・笑い・同情といった聞き手の感情(パトス)を揺さぶるようにストーリーをもって、比較・比喩・例示・喩え話・対句・列挙・反復・呼びかけ・三段論法などの修辞的言語(ロゴス)を駆使して話すことが、ツカむ話術なのである。
エトス度を上げて、信頼性を主張して話を聞いてもらうためには、自分の功績や肩書を知らせることが効果的な場合もある。しかし、謙虚であることが好まれる日本では露骨な自慢は嫌われる。そこで著者は、モデストブラッグ(modest brag:謙遜自慢)を勧めている。自分をアピールする必要があるとき、直接的に自慢するよりも、謙遜してちょっと自虐的なスタンスの中で間接的に伝える手法だ。
「うちの奥さん料理上手なんだけど、いつも野菜中心だし、お酒もあまり飲ませてくれない。いや〜大変だよ。モデルと結婚していると」(著者は妻が元モデルだから実体験なのだろう)
情景が目に浮かぶように話す
日本人の多くに欠けているのがディテールとストーリー展開。ディテールがない話は画素数の低いデジタル写真のようなもの。ディテールを足すとぐっとクッキリ見えてくる。
さらにストーリー性があれば、それは画像から映像へ、スチール写真から動画へと変わる。
エトス>パトス>ロゴス
どんなにきれいな言葉づかいでどんなに論理的に正しいことを言っても、エトスの信憑性とパトスの感情力を伴わないと説得力がない。
ツカむ秘訣スピーチ
自信を持つためにも話す内容のプランをしっかり考えておきましょう。原稿を考える際には、ツカむ話術のテクニックとしてこれまで僕か伝えてきたことをもう一度思い出して、話の構成を考えてください。下記のチェックリストはエトス・パトス・ロゴスを活かせているのか確認できるものとなっています。
・ツカみにインパクトはありますか(ロゴス、エトス)
・テーマについて話す「資格」があると感じてもらえるような、あなたの経歴は盛り込めていますか(エトス)
・聞き手に合わせた内容になっていますか(エトス、ロゴス)
・問題を取り上げる焦点や角度が有利なフレーミングになっていますか(ロゴス)
・ストーリー展開ができていますか(パトス、ロゴス)
・メリハリの利いたディテール描写はできていますか(ロゴス)
・愛国心.怒り、恐怖、憧れなど、目指している行動に合わせた感情を引き立てていますか(パトス)
・そこに集まっている人の共通認識か反映されるコモンプレイスを使っていますか(エトス、ロゴス)
・(自虐ネタなど)笑いの要素はちりばめられていますか(エトス、パトス、ロゴス)
・聞いてよかったと思えるような知識やデータが盛り込まれていますか(ロゴス、エトス)
・あなた自身の体験か入っていますか(エトス)
・対比、例示、比喩(ひゆ)などでわかりやすい説明ができていますか(ロゴス)
・頭に残るキヤツチーなフレーズは入っていますか(ロゴス)
・三連発や七五調のリズムのいい表現を要所要所に使っていますか(ロゴス)
・聞き手の敬意や憧れをかきたてる内容ですか(パトス)
・ピリツと引き締まった締めになっていますか(ロゴス)
その他の便利なテクニック
・質問したりして聴衆とからむ(エトス)
・聞き手の人たちをほめる(エトス) ‘‐
・自分の前後に話をする、他の話し手をほめる(エトス)
・予期される質問や反論についての見解を用意しておいてツッコまれる前に言う(エトス、ロゴス)
(以上)
ご参考までに。
浄土真宗のこれからの法話の課題は、
エトス:人格的なものに働きかける説得要素
パトス:感情に働きかける説得要素
ロゴス:頭脳に働きかける説得要素
の中、一般大衆に向けては「ロゴス:頭脳に働きかける説得要素」をどう展開させるかです。
著者は、漫才コンビ・パックンマックンのパックンです。彼はハーバード出身で、2012年10月から東京工業大学で非常勤講師として「コミュニケーションと国際関係」を教えているそうです。
法話を語る時に役立ちそうな部分だけ、自分のメモとして挙げておきます。
説得力を上げるファクターとして、アリストテレスの『弁論術』にある「エトス」「パトス」「ロゴス」の3つを挙げています。
エトス:人格的なものに働きかける説得要素
パトス:感情に働きかける説得要素
ロゴス:頭脳に働きかける説得要素
この3つは同等の力があるのではなく、
エトス>パトス>ロゴスの順になっているという。
どんなに綺麗な言葉づかいでどんなに論理的に正しいことを言っても、エトスの信憑性とパトスの感情力をともなわないと説得力がない。
つまり、発言にふさわしい実績・肩書・誠実さといった「エトス」を伴った話し手が、愛・組織愛・笑い・同情といった聞き手の感情(パトス)を揺さぶるようにストーリーをもって、比較・比喩・例示・喩え話・対句・列挙・反復・呼びかけ・三段論法などの修辞的言語(ロゴス)を駆使して話すことが、ツカむ話術なのである。
エトス度を上げて、信頼性を主張して話を聞いてもらうためには、自分の功績や肩書を知らせることが効果的な場合もある。しかし、謙虚であることが好まれる日本では露骨な自慢は嫌われる。そこで著者は、モデストブラッグ(modest brag:謙遜自慢)を勧めている。自分をアピールする必要があるとき、直接的に自慢するよりも、謙遜してちょっと自虐的なスタンスの中で間接的に伝える手法だ。
「うちの奥さん料理上手なんだけど、いつも野菜中心だし、お酒もあまり飲ませてくれない。いや〜大変だよ。モデルと結婚していると」(著者は妻が元モデルだから実体験なのだろう)
情景が目に浮かぶように話す
日本人の多くに欠けているのがディテールとストーリー展開。ディテールがない話は画素数の低いデジタル写真のようなもの。ディテールを足すとぐっとクッキリ見えてくる。
さらにストーリー性があれば、それは画像から映像へ、スチール写真から動画へと変わる。
エトス>パトス>ロゴス
どんなにきれいな言葉づかいでどんなに論理的に正しいことを言っても、エトスの信憑性とパトスの感情力を伴わないと説得力がない。
ツカむ秘訣スピーチ
自信を持つためにも話す内容のプランをしっかり考えておきましょう。原稿を考える際には、ツカむ話術のテクニックとしてこれまで僕か伝えてきたことをもう一度思い出して、話の構成を考えてください。下記のチェックリストはエトス・パトス・ロゴスを活かせているのか確認できるものとなっています。
・ツカみにインパクトはありますか(ロゴス、エトス)
・テーマについて話す「資格」があると感じてもらえるような、あなたの経歴は盛り込めていますか(エトス)
・聞き手に合わせた内容になっていますか(エトス、ロゴス)
・問題を取り上げる焦点や角度が有利なフレーミングになっていますか(ロゴス)
・ストーリー展開ができていますか(パトス、ロゴス)
・メリハリの利いたディテール描写はできていますか(ロゴス)
・愛国心.怒り、恐怖、憧れなど、目指している行動に合わせた感情を引き立てていますか(パトス)
・そこに集まっている人の共通認識か反映されるコモンプレイスを使っていますか(エトス、ロゴス)
・(自虐ネタなど)笑いの要素はちりばめられていますか(エトス、パトス、ロゴス)
・聞いてよかったと思えるような知識やデータが盛り込まれていますか(ロゴス、エトス)
・あなた自身の体験か入っていますか(エトス)
・対比、例示、比喩(ひゆ)などでわかりやすい説明ができていますか(ロゴス)
・頭に残るキヤツチーなフレーズは入っていますか(ロゴス)
・三連発や七五調のリズムのいい表現を要所要所に使っていますか(ロゴス)
・聞き手の敬意や憧れをかきたてる内容ですか(パトス)
・ピリツと引き締まった締めになっていますか(ロゴス)
その他の便利なテクニック
・質問したりして聴衆とからむ(エトス)
・聞き手の人たちをほめる(エトス) ‘‐
・自分の前後に話をする、他の話し手をほめる(エトス)
・予期される質問や反論についての見解を用意しておいてツッコまれる前に言う(エトス、ロゴス)
(以上)
ご参考までに。
浄土真宗のこれからの法話の課題は、
エトス:人格的なものに働きかける説得要素
パトス:感情に働きかける説得要素
ロゴス:頭脳に働きかける説得要素
の中、一般大衆に向けては「ロゴス:頭脳に働きかける説得要素」をどう展開させるかです。