仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

光によって眼が育まれた

2013年08月12日 | 日記
ラジオ深夜便「明日へのことば」は、4日ごろから、原爆や戦争体験の話が続いています。去る4日(25.8月)の日であったか「B29パイロットとの出会いが変えた復讐心―子どもたちに語り継ぐ被爆者」と題して近藤絋子さんのインタビューでした。

0歳児で被爆体験をし、姉たちの悲惨な状況(顔にひどいケロイド)から、「子供心に、エノラゲイに乗っていた人を探して、パンチしたり、蹴ったり、噛んだりしてやろう。爆弾を落とした人間は悪い奴で、自分は正しい人間だと、そう思っていた」といいます。
そして、その機会は遠からず訪れます。ネットの同様記事から引用してみます。

10歳のとき、アメリカ人ジャーナリスト、ノーマン・カズンズ氏の計らいでアメリカの人気テレビ番組「This is Your Life」に父、谷本清さんが出演。清さんへのサプライズとして、テレビ局が妻サチさんと紘子さんら子供たちを番組に招待した。そこで出会ったのが、エノラゲイのパイロットだったロバート・ルイスさんだった。会ったらいつか仕返しをしてやろうと思っていた相手が目の前にいる。しかし、原爆を落とした広島を上空から見て「なんてことをしたんだ」との思いを語りながら、涙を流す彼の姿を見てすごくショックだった。悪人だと思っていた人の涙を見ながら、自分の中の悪に気づいた時、自分の考えが180度変わり、これまで見えていた景色が一変した。(以上)

ラジオを聴き間ながら、私の頭の中では「なぜ自分の中にある悪に気付いたのか」と回想が続きました。もちろん憎き者の流す涙によってではあるのですが、その涙の姿の中にあった「悪を悪と知る智慧」に誘発されて、自分の中にある悪が、照らし出されたのではないか。


昨日の、光によって眼が育まれたように、自分の中にある悪を知る眼は、憎き相手の流す涙が、悪を知る眼となったのでしょう。

コメント
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