仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

人材育成には発達課題が必要です

2010年01月30日 | 都市開教
2週間くらい前(1.16)の宗教業界新聞に、本願寺派の参議院選擁立断念の記事が出ていた。記事から抜粋すると

「宗門の体力」考慮し決断(22.1.16中外日報)本願寺派の参院選擁立候補見送り
激しい状況下での「2人当選」は困難
      
本願寺派は当初、前回に続き今夏の参院選でも、教師資格を有する三十歳以上の僧侶を宗門特別推薦し「宗門代表」の候補者として全国比例に擁立する方針を打ち出し、昨年十月に機関紙『本願寺新報』で候補者の公募を行なった。
 その結果、民主党、自民党の両党からの出馬を目指す二人の僧侶が候補者に名乗りを上げたが、昨年末には宗派幹部が両者のもとを訪れ「慎重に検討を重ねた結果、今夏の参院選で宗門特別推薦は行なわない」ことを告げた。
 (中略)
 前回の参院選(全国比例)に宗門特別推薦を受けて立候補し当選した藤谷光信氏(民主党)の得票数は約八万票。これは当初の見込み(約五十三万票)を大幅に下回り、県議としての藤谷氏の基礎票、そして民主党への追い風がなければ当選は困難だった。(後略)

とある。日本のあるべき文化として、税制等さまざまな優遇を受けている宗教教団が、どこまで具体的な政治活動に関わっていいのかさえ論議されていないが、「宗門に体力なし」の現実は、深く思慮しなければならない。

そもそも宗派では大法要などのイベントがあるごとに、その記念事業として「人材育成」を挙げているが、人材を育成するということは、どういうことかという基本理念さえ不明確だ。おそらく中央仏教学院や伝道院(布教使養成所)で、若い諸君を育成することが、人材育成だと思っているのだろう。

じつは私も以前は、そう思って他人ごとだった。あれは蓮如上人500回遠忌法要の頃でした。その記念事業に人材育成があって、それは中央仏教学院のことであろうと思っていた。そのイベントが終わったときのことでした。

即如ご門主の第4期組巡教という本願寺派の530くらいあるブロックの残り100数個所の、組を巡回して話し合いをする行事が始まることとなった。ご門主の若い布教使を育てたいとの意向で、宗派的には無名な私が組巡教随行講師に指名された。

そのとき人材育成とは、もっと若い人のことだと思っていたが、私のことであったと反省した思い出がある。

新宗教は、うまく組み入れているが人材育成には、それぞれのポジションや年齢に応じた発達課題がある。(続く)
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