超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

食戟のソーマ 6巻/附田祐斗・佐伯俊

2014-02-04 16:13:24 | 漫画(新作)



















附田祐斗・佐伯俊「食戟のソーマ」6巻読了。


















内容的には選抜前の下準備・・・ってところですが
これがまた下準備なのにやたら面白く感じられるんですよね
何故かと言えばそれに付随している「期待感」が堪らないんだなあ、と
選抜の一癖も二癖もありそうなメンバーの描写だったり
この選抜で本選出場を果たすと必然的に十傑への道が開かれていく、という情報
そして新しいライバルとのひと悶着だったりとにかく先の展開を期待させる要素に満ちているので
それもあって退屈せずに読めるのがやっぱり大きいと思います
煽り方が派手な上に、それに見合った作画でもあるので早くその瞬間を見たくなってしまうというか
それに加えてストイックに研鑽・修行に励むシーンもあり説得力も生まれそうでその意味でも今後が楽しみ
嵐の前触れというか激闘への布石というか、そういうワクワク感が多々詰まっているこれまた良好な新刊でした
なんでしょうね、本誌で読んでいて結果が分かっている部分もあるのに割と本気でワクワクするんです
そういう「期待感」の演出力はホントにトップクラスの力があるんじゃないかなあ、と
そんな風にも感じられた内容
しかも実際期待させた分だけ面白かったりもしますからね
この漫画は割と飛び道具的な視点から最初は人気を得ていた作品ですが
その要素を保ったままでここまで真っ当な少年漫画っぷりを描けている事実が凄いなと思う
アリスの余裕と不敵さを感じさせる発言もみんなの研鑽の様子も葉山くんの絶対的な自信の描写も
全部後々の展開にしっかりと繋がっていくんだなあ、と思うと読んでて非常に楽しいですね
選抜シリーズに賭ける気合だけじゃなく
その後の展開もまた期待したくなるような塩梅で
益々この漫画の行く末が楽しみになっていくような盛り上がりを含んでいる6巻目でした
選抜自体はまだ「始まる」だけですけど、そこで描かれてる内容はとても重要なものだったなあ、と。

話を盛り上げる為のテクニックの使い方が非常に上手く感じますね
ハウビーの千俵なつめを最初高飛車に描いて
だからこそその後物怖じせず自分の料理をこなしていく面々が立派に見えたり
段々と創真一人の独壇場漫画ではなくストイックな面々がしのぎを削っていく
そういう正しい漫画へ変化していってるような感触が心地良かった
そしてカレーのお題に於けるチートキャラを用意して更に期待を煽る手法だとか
王道の少年漫画を往くと同時にそういう細かい部分での演出が冴えてたりもするんですよね
読んだ人それぞれが「食戟のソーマ」の青写真を描きたくなるような感じ、そこが秀逸なんじゃないかなと。


で、この巻はそういう抜群の下準備と共に「親子の絆」も描かれます
地獄の合宿で紆余曲折ありながらも生き残り商店街の復興にも一役買った創真に対して
親父である城一郎から餞別代わりの「食戟」が催されるんですね
このタイミングで親子対決っていうのも痺れましたが
その結果に対して城一郎が創真に放った一言がまたグッと来るような一言で
かつその言葉を受け取った創真が今後どれだけ活躍するんだろう?と未来も楽しみになるシリーズでした
その中で息子の成長を喜び認めてくれた親父の姿だったり何だかんだ言いつつここ一番で気にかけてくれる姿
そもそもこの学園に入れたのも広い世界を見せる為でしょうし
振り込みの適当さもきっと計算の上なんだと思う
だから元々目に見えない創真への想いはそれなりに想像出来てたんですけど
ここに来てそれがはっきりした上に思ってた以上に息子想いなんだなあ、と感じられたのが良かったですね
物語的にもここで一つ壁を味わう事でより成長物語としての側面も際立ちますしこれからの経験も楽しみに出来る
城一郎というキャラクターの奥深さや偉大さを感じさせるには十分なエピソードだったかなと
何気にお世話になった寮に対する恩返しの気持ちも見受けられたのも良かったですね。
選抜前のエピソードとしては満点だったと思います。

それと並行するように田所ちゃんにも「良い影響」が与えられる流れになっています
そんな壁を目の前にしても挫けずに自分の好きなように挑戦し続ける姿を観て感化される
400回以上敗北し続けてもまだ勝とうとする姿に自分も頑張らなきゃ、って気分にさせられるんですね
悔しくても諦めない姿勢に勇気や気付きをもらえた田所ちゃん
そして、現段階でライバルに劣っていても研鑽に向かう創真を見て更に吹っ切れた部分もあったようで
何気に田所ちゃんの成長描写に於けるワンクッションとして機能している構成もまた見事ですね
この巻で描かれている田所ちゃんの「布石」は後々しっかりと花開いていくのでぜひ期待して欲しいです
勿論まだ本誌では誰が勝ち上がったか、っていうのはこれからの話なので
彼女が勝ちます~というネタバレ的な話じゃないですよ?
でも、この6巻で彼女が感じた事は後々の彼女の行動に繋がっていくのでね
その意味でも良い具合の「期待感」や「成長」を感じさせてくれる内容だったんじゃないかと
創真だけではなく田所ちゃんの積み重ね的な精神的成長も垣間見れたのがより嬉しかった6巻目でした。
研鑽を重ねた上でのライバル達の全力のぶつかり合い、それに想いを馳せつつドラマも楽しめる内容です。
時折出てくるアリスのお茶目で憎めない可愛さの描写を含めて満足だった新刊でした。

















今回のおまけページもそれぞれ面白かったですね
何気に本編に対するツッコミや補填になってたりもしますし
ジャンプLIVEの郁魅さんの番外編(4ページ)もお色気ありで掲載されています
そしてカバー下の葉山くんと汐見教授の関係性が垣間見れるカットが個人的に好みでした(笑
恐らくこの二人何だかんだでくっ付きそうですよね・・・たぶん。





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