超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

君と僕。2 第10話「cherry」 感想

2012-06-05 02:54:03 | アニメ






僕がいない/僕だらけで。






自分の存在を誰かに意識してもらいたい、それも好きな人にはっていうのは
人間の永遠のテーマの一つでもあると思うんですけど、そんな中でふと見せた千鶴の悲しげな表情・・・
からの最後の笑顔が非常に眩しくて好印象って感じのお話でした。今までは春ちゃんばっかり
茉咲の恋心だったり興味の中心にいるのはいっつも春ばかりで
それが一つのコンプレックスになってた千鶴
本人は期待してないような素振りでしたけど、実際の所はある程度期待しちゃうのが人間の性って訳で
それが途中で打ち崩れた写真の描写はいかにも
あの年代っぽいセンチメンタリズムが蔓延していてある意味良かった。

けれど、その後の描写は更に良かったなあ、と思うわけです。
あのままセンチメンタルな感情を引き摺ったままじゃ1期のお話と代わり映えがしなくなるので
ここではっきりと茉咲が千鶴を意識し始める心情の吐露があったのは間違いなくプラスだし
何より「悩んでくれてる」っていうのが彼にとっては重要なんですよね。
悩むって事は明らかにどうでもいい奴じゃないって事だし
真剣に考えてくれてる証拠でもあるから。
それに春ちゃんばっかりの茉咲の意識の中に自分が劇薬的とは言え入り込めたっていうのは
はっきりとした目に見える成果の一つでもある訳で・・・そんな千鶴の笑顔は悲しそうな表情よりも魅力的でした。

ぶっちゃけ、春よりも千鶴のが似合ってると思うんですよね。皮肉的な意味合いではなく。
理想の高すぎる、憧れだったり先に良いイメージが付いてる相手だったりすると
ちょっとでも理想からズレてたり、マイナスの要素が付くと途端に手の平返したり不穏になったりするので
そういう意味ではいつも自然に一緒に居て、フラットな印象の相手のが良いに決まってると思うんですよね。
現に今週一緒にケンカしたり、笑いあってる二人は本当に楽しそうだったし
素直に応援したいとも思ったし
個人的には結ばれる瞬間ですら見たいと思えた。他の男子が恋愛に関しては何気に踏み込めない分
千鶴のがむしゃらに、でも真摯にぶつかっていく様は幾分素敵にも映ったりして、
それに頭を抱えつつも初々しい仕草を見せる茉咲も十分に可愛いしで
ここにきて素朴ではあるけど素直にニヤニヤ出来るようなお話が来た気がして・・・大満足でした。
時を巻き戻してこんな甘酸っぱい青春送ってみたいなあ。・・・ってそう思わされた時点で負けですね。
そして同時にもっともっと続きが見たいよ!とも思うのでした。
個人的には今後もシリーズ化して欲しい作品ですね。






自分的にも茉咲が春みたいに実直に「ごめんなさい」と言うのではなく、
むしろ「どうしたらいい?」って揺れ動く気持ちを言葉で表現してくれたのは嬉しかったし
ものすごく微笑ましい気持ちにもなれましたよね。その気持ちがどんどん育っていけばいいのに、とも。
そして悠太の濡れ(?)写真は確かに威力が半端なく大きいと思いました。
あの写真の方が案外喜ばれるのでは(笑)。完全に骨抜きにされちゃうレベルだよなあ。





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2 コメント

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窓から見える早春の桜(cherry blossom) (りよ)
2012-06-07 02:27:06
私も、千鶴がメリーの心の一角をいつのまにかゆっくりと、でも確実に占めつつあるのではないかと思います。

千鶴の告白に対して昼も夜も何日もずっと考え続けるって
西京BOYさんの仰る通り、どうでもいい相手ならばそこまで悩むことはないですよね。

半年前、文化祭の後夜祭(1期)では、春ちゃんと並んで窓の外を見ているメリーの背中を、
ずっと後ろからひとり離れて見ているしかない千鶴だったのに
今やメリーの隣に並んで窓から一緒に早春の風景を見ている、という構図が実に象徴的です。

但しメリー自身、自分の心に育ちつつあるのかも知れないささやかな変化を、自覚してはいないっぽい・・・
メリーの中の「春ちゃん」のポジションに千鶴が取って代わるようなところにまで至るのは
まだなかなか遠いのかも(^^;

以前のメリーは、コンプレックスゆえに周囲との関係をあえて閉ざしていた女の子でした(1期)
春ちゃんはそんなメリーの心のドアを初めて開けてくれた人だから、
彼女が春ちゃんに強くこだわるのもわかります。

メリーの心の中の「春ちゃん」は手強いですが、実際の春ちゃんにとっての彼女は
かわいい妹か後輩という存在以上のものではなく恋愛の対象とはならないようですし、
私も千鶴を応援したいです。

だってメリーの傷心をいつも全力で慰めたり励ましたりしてきたのが、千鶴なのですから。
返信する
この二人の話はいつ観ても面白いですよね。 (西京BOY)
2012-06-08 20:45:44
りよさんコメントありがとうございます!
詩的なコメントで読むのが楽しかったです。


>どうでもいい相手ならばそこまで悩むことはないですよね。
春ちゃんは悩んだ結果相手を振ってしまったという事がありましたけど
悩んでも悩んでも答えが出ないって言うのが逆に千鶴にとっての救いになってますよね。
それもまた皮肉な話ですけど、これまで頑張って来た結果の一つ・・・なのかな。

>今やメリーの隣に並んで窓から一緒に早春の風景を見ている、という構図が実に象徴的です。
これまでの千鶴は敵に塩を送ってるかのようで、でも着実に距離が縮まっていたって事なんですよね。
それは今までの千鶴の健気な努力が実ったようで素直に感慨深いなあ、と個人的には感じました。
今回もまた感傷的なオチだったならばこの感慨深さは味わえなかった・・・って考えると
益々茉咲が悩んでくれた事実が視聴者にとっても本当におっきいものになってるなあ、と。

>メリーの中の「春ちゃん」のポジションに千鶴が取って代わるようなところにまで至るのは
そうですよね。
ここがゴールではなく、むしろようやくスタート地点に立てた、って感じですよね。
でもスタート地点に立っただけでも嬉しく感じるのはここまでの苦労や感傷を観てるからなんでしょうねえ。

>彼女が春ちゃんに強くこだわるのもわかります。
確かに、ここで簡単に乗り換えるだとかしたら
お話に説得力がなくなりますし
一応は踏み止まるのも必須といえば必須ですね。何よりも
りよさんの記述の通り茉咲が打ち解けるきっかけの人物であるからして
中々未練を断ち切るのには、諦め切るのには難しい人物なんだろうなあ、とも。
その辺は理屈ではないんでしょうね。

>私も千鶴を応援したいです。
>だってメリーの傷心をいつも全力で慰めたり励ましたりしてきたのが、千鶴なのですから。
きっかけは、他者と打ち解ける入り口は春だったのかもしれませんが
そこから更に励みをもらったり、発展した関係を築けてるのは千鶴だと思うんですよね。
灯台下暗しって言葉の通りに本当に近くに居るずっと居られる相手を選んで欲しいな、と。
個人的にも応援してます!


それにしても本当にまだまだ続きを観ていたいアニメの一つだと思います。
個人的にも今回のお話はお気に入りだったのでコメントもらえて嬉しかったです!感謝します。
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