超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

ばのてん! 4巻/河添太一

2012-03-27 20:35:24 | 漫画(新作)





河添太一「ばのてん!」4巻。





あらかじめ「終わってます」って情報だけは伝わってたんですけど、
それにしても随分突飛に終わったなっていうか、それまで楽しくダベってたのに
急に真面目なモノローグが入って即座に終了っていう相当トリッキーな手法を使っての終わり・・・
というかこういう終わり方をするならばその後の真エンディングは必要なかったんじゃ?とも思うけど(笑)。
微妙に蛇足感が強かったというか、むしろ本誌のEDでブツ切れにした方が
ネタとしては威力が高かったと思うんだけど。
でも、やっぱり、本誌のEDで半ばブツ切れで終わったのは申し訳ないって気持ちがあったのか
むしろそれをネタにする事で二度美味しい効果を狙ったのか。
まあ冒険が過ぎると言えばそうだし
冷静に考えてみればこっちのが全然良いは良いんでしょうね。普通に面白かったしね。最後の最後で新キャラとか。
しかも微妙に扱いづらいキャラっていうのも実にこの漫画らしいですね。

基本美少女系日常コミックに見せかけて、
随分と野心のある作品だったなあ、というかつっこみに気合入ってんなあ、というか。
割と漫才云々の影響もあったんじゃないかって思うけど
逆に言えばその野心の所為で一部反応出来ないネタもそこそこあったんですが
個人的にはそこ含めてこの作品らしいっていうか
王道に見せかけて、
実は微妙にそこからズレている独特の世界観が最後まで面白かった作品でしたね。
ただ、もっとあざとく・・・あざとくというか美少女系日常コミックとして分かりやすさを前面に、
それがメインだったならば普通にヒットしてそうな感じもするんですけど
その方向に行かないのがこの作品の良くも悪くも個性だったというか。
感動とかちょっと良い話も絶対に入らないし、
泣かせる気もないし、
過度に萌えを狙った話もないしで、冷静に考えると色気っていう色気がないように思える
そういう部分が割と短期?の終了にも繋がったんでしょうけど、でも個人的には方向性好きだし
型にはまってるようでその実型にはまってるとも言い切れないような、
そんなグレーゾーンの追求は中々にお見事でした。
まったりだけどまったりすぎない、サービスもあるけど入り過ぎない、可愛いけど可愛すぎない
でも泣かせる、良い雰囲気の話は一遍もないっていう事で
何気にこの漫画なりの美学のあった作品なのかなあ、とは最終巻を読み終えて結構に思いましたね。

それと、この4巻ではレギュラーが明確に増えて大体4~5人が基本になってます。
だから今までよりも賑やかな作りにはなってるんですけど
その分3人の時のようなシンプルさには欠けてる、って見方も出来そうで
その辺は何とも言えない感じなんですが
ただ、そのままずっと3人でも、例えば会真なんかはずっと報われないままオチに使われ続けた可能性
不憫キャラのままだったパターンになっちゃってたと仮定すると
少しは報われたって内容の方が、キャラクターの幸せ的には良かったのかもですね。
それにやや強引とはいえ、生徒会が生徒会らしくなって、物語の役目を果たしたって見方も出来そうだし
捉え方次第といえば捉え方次第なんでしょう。
ちなみに私は会真ちゃんの擬似大和撫子っぷりを堪能出来てやや満足ですけどね(笑)。
その他にも千夏なんかも最後まで一切ブレないキャラでそこが素敵でした。
彼女が優遇されるとか、実はモテますとか、そんな話全く出てこなかったですもんね。
そこもまた変に設定を付け加えないこの漫画らしい部分の一つだったかなあ、と。
個人的にはそんな独特の部分の数々で好きになれた作品でした。






余談ですが、流行語のお話は説得力が非常にありましたね。
確かに一般人が「チョー気持ち良い」って言って流行る訳ないですからね(笑)。
要するに知名度とタイミングが重要ってことで、元からあんたにゃ無理なんだよ、っていう。
何気に「いっしょにとれーにんぐ」ネタが出たのも個人的に嬉しかった。
でもあれ多分みんな別の目的で使ってると思われます!




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