いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

教育のバランス力。 balance power of education

2018-02-20 20:05:35 | 日記
 (1)文科省が2022年度から実施する高校の指導要領改定案を公表した。「知識」(knowledge)偏重から「思考力」(thinking power)重視への転換だ。
 知識あっての思考力の高さだ。

 詰め込み式授業からゆとり教育への転換を進めて各種データから世界の若者に比べて日本の若者の思考力が劣っているといわれる傾向に対して、知識偏重から思考力重視への方針転換だ。試験も教育も結果がでなければ短期間での方針転換が続く。

 (2)英語の授業でも理解するには基本文法が大事だという専門家もいれば、文法にこだわるより話すこと、会話重視を主張する専門家もいて、考え方もそれぞれだ。
 話すことだけを考えれば、本場英語圏の米国、英国に1,2年もいれば何とかなるものだが、誰もがそういう環境にいれるわけにもいかなくて、高校、大学での英語教育の内容について試行錯誤が続く。

 (3)高校の指導要領が知識から思考力に転換を目指すというが「知識」があっての「思考力」であり、知識偏重の度合いにもよるが教育にはバランス力も重要だ。
 初等、中等教育もそうだがかっての高校の授業は大学受験対策の詰め込み式授業で、一方通行型の教育であり当然面白味、興味、関心が不足していた。

 (4)人間の成長、知識への興味、関心を高めるには教える側と受け取る側との双方向の知識交流が不可欠であり、そういう意味での思考力対策であるべきだ。
 高校側は「大学入試で細かい知識を問うから授業も知識に偏る」(報道)と主張しているが、その大学入試もリテラシー(読み書き)だけでなく論文形式で思考力を問う設問も増えている。試験委員との口述、面接試験も活用している。

 (5)大学入試方式が結果優先主義でクルクル変わることは受験生にとっても難題で、受験生を抱える高校にとっても対策がむずかしく、上述のような大学入試批判も聞かれる。

 大学入試方式がクルクル変わることと関連して、大学入試の出題ミスも目につくようになってきた。大学教員の入試出題負担も大きくなって研究に支障もあるということで、大学入試出題を外部に委託するという話もある。大学人としては責任自覚の低下だ。

 (6)知識主義から思考力、応用力重視への変化の中で、「ヒトひねり」、考えさせる出題にこだわって解答が出なくなったり、複数解答が出てしかし正解はひとつという出題ミスの混乱が指摘されている。

 大学入試は定員はあるが「入学させない」試験ではなく、入学後の教育レベルの一定化、水準をはかるものであり、定員にも余裕枠が持たせられている。

 (7)もっとオーソドクスな入試であってもいいのではないのか。世の中に出れば知識も思考力も判断力も実践形式で必要となってくる。英語教育も基本文法あっての会話力であり、知識があっての思考力だ。

 どちらが重視という問題ではない。教育のバランス力が問われている。

 

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